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2011年のマーケットを考える(1)~マクロ環境 

2011年のマーケットについて、個人的には次のように考えている。本日はマクロ環境について取り上げてみたい。2011年のマクロ環境は全般ながら2010年に引き続き緩やかな成長のフェーズをたどっていくものと思われる。しかし、先進国地域ではリセッションの後遺症を引きずり、低成長を余儀なくされるものとみられる。その中で世界経済は新興国の高成長に依存していくことになる。しかし、新興国は全般インフレ気味であり引き締め姿勢を強めていくことも想定される。


■米国~緩やかながらリカバリが続くが高失業率とデフレ懸念が問題


2011年の米国経済は緩やかながらのリカバリの局面が続いていくものとみられる。GDP成長率は通年で3.0%程度であり、潜在成長率を上回るものとなろう。米国経済を牽引するのは個人消費であるとみられ、緩やかながらも可処分所得の増加により自律的な回復局面を迎えていくことになるだろう。製造業は出荷の動きが鈍り、在庫が大きく増加した2010年10月で一時的にピークを打ち、2011年前半は生産・在庫調整の局面を迎えるものと思われる。機器・ソフトウェア投資は2010年後半には息切れとなったが、事業環境の改善が進み、需要の強さが確認される段階において2011年も堅調に伸びていくものと思われる。一方で住宅市場は底割れ懸念を一層強くすることになり、米国経済のアキレス腱として意識される。住宅価格は中古市場でフォークロージャ(差し押さえ)物件が引き続き出されることから、供給過多により値崩れを起こす可能性がある。しかし、価格低下により消費者の取得意欲は高まり販売は次第に低位で安定していくものと思われる。住宅建設は引き続き住宅の供給が過剰であることから抑制される公算が強い。商業用不動産は低金利の状況から落ち着きを見せているが、引き続き地銀を中心にローンを出せない状態となっており、低迷状態が続くことになろう。


・米国実質可処分所得の推移(出所:商務省)


Real DPI 20101229



雇用は引き続き改善していくものとみられる。しかし、依然として失業率は9%台に高止まりする可能性がある。企業側の採用は世界的な需要の高まりによって改善していくものの、労働のミスマッチが大きく意識されていくだろう。労働のミスマッチにおいては企業側が求めるスキルと労働者のスキルとの相違や、ネガティブエクイティにより高失業率の地域から雇用がある地域への労働者の移住が出来ない状況が続いていくことになるのだろう。このため、完全雇用を達成している地域と高失業率が継続する地域との間での格差が一層浮き彫りになっていくものとみられる。


・各州の失業率推移(10月、出所:米労働省)


State Unemployment rate 20101229



インフレは抑制されていくだろう。インフレ率はCPIで0.0-0.7%の間でのレンジを想定している。単月ごとでは前年比マイナスの時期も想定される。消費者の購買力の低下から、コモディティ価格や輸入物価の上昇が起きても、企業サイドで生産性を高めコストダウンの動きが活発化することから投入コストが最終価格に転嫁される動きは限定的となろう。従ってコストプッシュとデマンドプルとの間で、企業サイドは人件費や製造コストなどを引き下げ最終製品の価格は出来るだけ抑制していこうとする動きに迫られていくことになる。また、住宅セクターの低迷から全般に物価抑制が波及していくことからデフレ懸念を強めていく展開となるものと思われる。


・コアCPI・PPIスプレッドの推移(YoY、コアPPI-コアCPI/出所:米労働省)


PPI-CPI Spread 20101229


Fedは引き続き金融緩和の姿勢を取るものとみられる。インフレ率と失業率がデュアル・マンデートにかなう水準から程遠いレベルにあることから、その「あるべき姿」への修正に迫られていくことになろう。QE2は6月に終了した段階で、個人的には失敗するものと思われるが、効果があまり出ていない状況であればQE3への論議が高まり、継続的に資産購入の動きを取っていくことになると予想する。引き続きデュアル・マンデートにかなったレベルにまで物価の上昇と雇用の安定に働きかけようとするだろう。さらに金融緩和の効果が限定的であれば、ポートフォリオリバランスを促し、インフレ期待を高めていくためにインフレターゲットもしくはプライスレベルターゲットの導入が検討されていくだろう。また低金利を維持していくために国債利回りについてもターゲットを導入すべきではないかとの議論がなされたが、債券市場への介入を強めることから政策に実行されていく可能性は大きくない。


■欧州~PIIGS問題から緊縮財政が経済成長を抑制する見込み


欧州経済は減速傾向を強めていくことになる。引き続き財政問題から緊縮財政への要請が強まる中、民間需要の自律的な回復で伸びを加速させていくだけの力はなく、年間で1.5%程度の低成長を余儀なくされるものとみられる。但し、ユーロ安がドイツなどの輸出を伸ばし、経済を牽引していく可能性があるが、ユーロ圏全般ではPIIGSを中心とした重債務国の経済が下押しされることからその効果を大きく薄めることになるものとみられる。インフレ率は今年よりも抑制される可能性が強く、スペインなど資産価格が大きく押し下げられている国では恒常的にデフレに陥る可能性も残っている。失業率も10%程度から緩やかに改善されていくものと思われるが、緊縮財政の影響により公的セクターでの雇用機会に期待できないため、高止まりしていくものとみられる。


ECBは金融緩和を継続していくものと見られるが、出口戦略への望みも捨てていない。しかし、欧州金融不安が継続する段階ではPIIGS域内の銀行のECBへの依存性は依然として強く、市場でファンディング出来ない状況が続いていく。このことからECBはLTROで潤沢な資金供給オペを余儀なくされる。このことから出口戦略へのプロセスは非常に緩やかなものとなるだろう。利上げは2011年も行われる公算が低く、金融システムの脆弱さが拙速な金融引き締め論議を抑制していくものと思われる。また、マーケットにおけるPIIGSの財政懸念の高まりから国債の買い入れについてもより積極的に動かざるをえない局面も想定される。


■日本~内需の下振れ懸念とデフレ継続


日本経済は政府による各種景気刺激策の効果が切れていく中で内需の落ち込みが強調されていくことになる。GDPは通年で1.0-1.5%程度と低成長になるものとみられる。輸出はアジア経済の拡大から伸びていくものと思われ、生産活動も年前半は「意図せざる在庫増」により生産調整及び在庫調整を強いられるが、早くても4-6月、遅くとも年央あたりから再度拡大基調になっていくものとみられる。しかし、国内の個人消費が各種景気刺激策の反動により下振れが意識されていくことから、そのモメンタムは抑制されていくリスクがある。また、円高も下振れリスク要因として意識されていく可能性も残されている。但し、個人消費については企業業績の拡大基調が続き、給与が伸びていくことも想定されることから年後半は緩やかながら持ち直していくものとみられる。


日本経済にとって最大の問題はデフレであるが、緩慢ながらも需給ギャップが改善していくことから2011年はその圧力は次第に緩和されていくものと思われる。しかし、物価上昇率は依然として前年比マイナスの状態が続き、日銀が望む2011年プラスへの浮上はなかなか厳しい情勢である。円安が進めば輸入物価上昇によりデフレ圧力は緩和されるが、投入コストの上昇が起きても消費者の根強いデフレマインドから最終価格への転嫁は限定的であろう。そのような状況の中、日銀は包括緩和に傾斜しているが、資産買取基金の枠を拡大していくことが政策のメインテーマとなっていくことになろう。しかし、資金需要が乏しい中、銀行貸出が増加せず、信用創造の機会が喪失していることから金融緩和の効果はあまり大きくは期待できない


■新興国~2011年も世界経済を牽引


(中国)


中国経済は2010年7-9月期まで減速傾向を示したあと再加速の動きとなっており、2011年も引き続き個人消費などの内需が高まり、それによって生産も高水準に推移していくものと思われる。しかし、インフレが加速しており、インフレ率が政策金利を上回りマイナス金利となっている状況が継続していくことから投機熱も高まっている。従って金融引き締めの動きを加速するものと思われる。しかし、人民元はドルとペッグしている以上、米国の金融緩和の影響を受けやすく独自の金融引き締めの効果は限定的である(「国際金融のトリレンマ」)。そのため人民元改革を一層進め管理フロート移行の動きを促進させ、その上で政策金利を大きく切り上げていくことになるだろう。インフレ目標は年4%程度に切り上げられ、投機熱を抑制させるため必要に応じて銀行貸出を抑制させる措置を取っていくものと思われる。中国経済のリスクファクターはインフレであり、当局が抑制できるかどうかが、同国のサスティナビリティのある経済成長にとって重要な鍵となっていくだろう。


(インド)


インド経済も引き続き高成長の状態が続いていく。2010年の当初よりインフレが加速しており引き締めを強めてきたが年後半にはインフレも次第に鈍化してきたことや、生産のモメンタムも減速してきたことから金融引き締めを一旦見合わせるものとみられる。年前半はやや経済成長のモメンタムが弱まっていく可能性があるが、内需が持続的に伸びていることから投資活動は活発に行われ、経済を牽引していくものと思われる。


2011年のマーケットを考える(2)では相場環境について考えていくことにする。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: マクロ  金融政策  2011年のマーケットを考える 
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