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2011年のマーケットを考える(2)~マーケット環境  

「2011年のマーケットを考える(1)」の続きで、2011年の相場環境についてこのようにみている。


■債券・金利(米国債中心に)


2011年の投資環境は、基本的に先進国の高格付けソブリン債券については良好な地合が継続するものとみられる。資金循環上、債券が買われる2つの重大な要件とは、貯蓄率の上昇と民間資金需要の低下だと考えている。それは金融機関が国債のポートを増加させるための条件であり、債券市場の需給の基盤となる。日本では10年以上JGBが高止まりしているが、需給を支えているのは預貸ギャップの拡大である。また、企業にキャッシュが多く、投資機会があまり多くない状況においても、資金循環上の性格から国債に資金流入が起きる。


米国において、家計部門からすれば貯蓄率は5-6%台で推移している。景気が改善したことから趨勢的には低下するものと見られるが、信用バブルの極みであった2005年の1%割れといった状況からすれば程遠く、預金選好は相変わらず強いことが示されている。依然として失業率が高く、それゆえ消費者信頼感の回復は鈍く、不安定な状況が続く中で貯蓄率が著しく低下することは見込みにくい。また、企業部門においては、企業のネットキャッシュフローは2010年第2四半期に1兆5784億ドルにまで拡大しており、企業収益の回復から過去最高レベルにまで達している。しかし、景気回復が緩慢であり、先行きの需要が不透明な状況ではこれを再投資に回す動きは限定的である。従って、企業の固定資産投資の回復は緩慢な状況となっており、2008年のリセッション前に比べ、7-8割の水準に留まっている。今後こういったキャッシュフローはM&Aなどの投資資金に回っていく可能性もあるが、同時にキャッシュ留保の蓄積も進行していくので、流動性の観点から企業部門においても預金や債券投資を増加させていくものと思われる。


・米国貯蓄率の推移(YoY/出所:米商務省)


PSAVERT_20101230.png


・米国企業のネットキャッシュフローの推移(出所:米商務省)


CNCF 20101230


金融機関においては貸出が低下したままとなっている。この背景は、高いネットキャッシュフローを背景に企業による資金調達ニーズが低下していることや、特に家計部門において信用状況が依然としてタイトなままであり、貸出側もクレジットリスクを回避させる動きとなっていることが要因であろう。貯蓄率が増加していることを考慮するとアセットサイドの国債保有の機会は一層高まっている。このことから、米国においても企業部門及び金融機関が国債選好の動きとなっており、債券市場の需給は引き続き良好な状況が続く。また、対米証券投資において米国債の最大の買い手である中国がそのエクスポージャーを見直すことも想定されるが、上記のような状況から国内消化の傾向を強めていく可能性がある。


・商業銀行のローン残高の推移(YoY/ 出所:Fed)


LOANS 20101230


一方で、Fedのコミュニケーション戦略、特に時間軸政策は債券市場のボラティリティを高くさせている。QE2への方向性が決められたジャクソンホールにおけるバーナンキ議長講演から債券市場は大きく買われることとなったが、11月に資産買い入れを決定して以降、時間軸政策に対する姿勢が不明瞭であったことから逆に大きく売られることとなった。このためFedのコミュニケーション戦略には注意を払う必要がある。また、市場におけるインフレ期待はFedコミュニケーション戦略とディスインフレ及びデフレ懸念が対立することから、比較的振幅が強い状況となろう。


■株式


2011年の株式市場は、主要国の中央銀行が金融緩和姿勢を継続していくことから過剰流動性への期待によってリスク選好を強める展開と、先進国経済の一時的なdip懸念、ソブリン問題から発展する欧州の金融不安、新興国、特に中国の引き締め政策の強化による景気腰折れ懸念などからリスク選好を弱める展開が交互に繰り返される展開となろう。従って、2011年においても大きなトレンドが発生するような展開ではなく、ボックス相場の様相となるものと思われる。2010年はボラティリティが低下したが、2011年は逆に高まる可能性も考慮する必要が生じよう。ボラティリティが拡大する場合、特に注視すべきは欧州の金融不安及び当局の対応に対する信頼感の低下に起因する局面である。1987年のブラックマンデーは西ドイツのブンデスバンクが協調行動を取らず金融引き締めに舵を切ったことから投資家の不安心理が高まった。


・VIX指数の推移(出所:CBOE)


VIX 20101230


■外為


2011年のドル相場については、Fedの金融緩和政策の期待でリスク選好時に売られやすくなる。また、中国が人民元改革を促進させていくことから、ドルペッグの段階的な解消によるドル売り圧力も掛かりやすくなるだろう。一方で欧州域内においてスペインなどのリファイナンスが2011年も高水準に続くため、ドル需給がタイトになる時間帯も想定される。ユーロについてはソブリンリスクが継続、2010年序盤からポルトガルに対する救済の思惑が浮上していくことになろう。その後スペインにも波及する可能性を考慮すると積極的に買われる地合にはなりにくい。ユーロについてはショートポジションが膨大になることがあるため、リスク選好を強めるときにはリリーフラリーが起きることもあるが、基本的にダウントレンドが継続しているとみるべきである。


円については、中国の人民元改革による通貨バスケットへの組み入れ比率上昇などといった通貨政策や、対日投資を促進させていくことなど中国の外準政策への思惑が働きやすいこと、さらに2011年も高水準の経常黒字を維持していくことなどを踏まえ、相対的に強含みの展開となっていくだろう。但し、買われすぎの状態となれば大規模な円売り介入のリスクもある。スイスフランはソブリンリスクにより、ユーロ圏のアセットを巻き戻す圧力からキャピタルフライトとして買い戻されることが想定される。また、周辺国に対して金融政策や財政が安定的に推移していくことも買い要因となるだろう。


2010年のエントリはこれで終わります。読者の皆様におかれましては、今年もご愛顧ありがとうございました。2011年も皆様に取りまして多幸な一年でありますよう祈念致します。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: マーケット  金利  債券  外為  株式  ユーロ  ドル  2011年のマーケットを考える 
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この記事に対するコメント

定期的にブログを拝見させていただいていました。

非常に勉強になる記事が多く、助かりました。
ありがとうございました。

1年間お世話になりました。

saru999 #l0yaxqJ6 | URL
2010/12/31 20:22 * 編集 *

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