日本マクロ定点観測~雇用・物価・消費
1月28日に日本の各マクロ指標が公表された。
・12月完全失業率 4.9%
・12月有効求人倍率 0.57
・12月コアCPI -0.4%(YoY)
・1月都区部コアCPI -0.2%(YoY)
・12月消費支出 -3.3%(YoY)
・12月小売業販売額 -2.0%(YoY)
■雇用
・完全失業率と雇用者増減(前年同月比)の推移(出所:総務省労働力調査)

・労働参加率(Participation Rate)と就業率(Employment-Population Ratio)(NSA/出所:総務省労働力調査)

12月の完全失業率は4.9%となり、市場予想の5.1%を下回った。完全失業率が5%を割り込むのは2010年2月以来10カ月ぶりとなる。完全失業者(SA)は前年同月に比べ19万人減少の298万人となった。労働参加率(労働人口/(労働人口+非労働人口):NSA)は59.1%となり、2010年2月以来の低さとなっている。失業者も減少しているが、労働人口も減少していることから、失業者が減っているという部分ではポジティブに捉えられることが出来るものの、労働人口も減り、労働参加率も低下していることから職探しを諦め、非労働人口が増加しているという部分においてはネガティブに捉えられることも出来る。日本は人口減少社会であるため趨勢的に労働人口の低下はやむを得ないが、労働参加率が低下していることについては、依然として国内の労働市場に厳しさが残ることを示唆している。対前年同月比の就業者増減において建設業が19万人減、製造業が32万人減となっている半面で、卸売業・小売業が30万人増、運輸業・郵便業が23万人、医療・福祉が14万人増加となっている。
有効求人倍率は0.57倍となり、前月と変わらずとなっている。新規求人倍率は1.01倍となり、前月から0.06ポイント上昇となっている。
■物価
・CPIの推移(出所:総務省消費者物価指数)

・CGPI・製造業投入価格指数、産出価格指数の推移(出所:BOJ)

・CGPI-CPIスプレッド(出所:総務省・BOJ)

CPIは前年比変わらず、生鮮食品除くコアは-0.4%となっており、やや物価下落圧力が緩和しているように思われる。2010年の通年のコアCPIは前年比-1.0%低下となり、デフレ圧力が依然として強いことを印象づけた。CPIについては2011年7月分から基準改定が行われることとなっており、その影響で0.5ポイント程度押し下げる見込みであることから、日銀にとっても2011年コアCPIの見通しをいずれ下方修正することとなる。
一方で、製造業投入価格指数は前年比+3.6%、産出価格指数は前年比+1.3%、企業物価指数は前年比1.2%となっていることから、川上及び川中では価格上昇圧力が強まっている。しかし、最終製品の価格が下落していることから、企業側による川下製品への価格転嫁はかなり難しくなっている。前年同期比において、CGPI伸び率からCPI伸び率を引いたCGPI-CPIスプレッドは傾向として拡大基調にあることから、コストプッシュ及びデマンドプルダウンという構図となっている。コアCPIの回復が緩慢であることから、デマンドプルの色彩が強いが、今後国際商品価格等の上昇などによって川上・川中の価格に波及し、コストプッシュの色彩を強めると企業サイドのマージン確保が難しくなってしまう懸念も生じてくる。
■個人消費
・実質消費支出の推移(出所:総務省家計調査)

・小売業販売額の推移(出所:METI)

12月の実質消費支出(二人以上の世帯)は前年比-3.3%となり、市場予想の同-0.7%を大きく下回った。また、実収入も前年比-1.4%、可処分所得も前年比-1.4%となっている(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)。小売業販売額も前年同月比-2.0%となり、市場予想の+0.6%を大きく下回った。
消費支出の減少に寄与したものは自動車等関係費、交際費、諸雑費(たばこ)、洋服などであった。半面で設備修繕・維持、家庭用耐久財などは増加に寄与した。このことから、エコカー減税の駆け込み需要の反動、たばこ税引き上げによる需要の反動がまだ残っていることが示唆されているほか、テレビの100世帯あたりの購入数量が前年同月比-20.7%となっていることからエコポイント制度変更の影響も大きく受けている。衣料品などは冬物商戦が不振だったようだ。経済産業省の商業販売統計でも自動車小売業の売上が減少しており、国内自動車販売の立ち直りの兆しはまだ見えていない。このことから、2月に発表される10-12月国内GDP速報値(1次QE)においては民間最終消費支出が急減し、GDPそのものも下振れする懸念もある。また、自動車販売の立ち直りが遅れると1-3月期の個人消費にも弱さが残る可能性があるため、国内個人消費については年初以降も弱含みに推移していくのではないかと思われる。
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・12月完全失業率 4.9%
・12月有効求人倍率 0.57
・12月コアCPI -0.4%(YoY)
・1月都区部コアCPI -0.2%(YoY)
・12月消費支出 -3.3%(YoY)
・12月小売業販売額 -2.0%(YoY)
■雇用
・完全失業率と雇用者増減(前年同月比)の推移(出所:総務省労働力調査)

・労働参加率(Participation Rate)と就業率(Employment-Population Ratio)(NSA/出所:総務省労働力調査)

12月の完全失業率は4.9%となり、市場予想の5.1%を下回った。完全失業率が5%を割り込むのは2010年2月以来10カ月ぶりとなる。完全失業者(SA)は前年同月に比べ19万人減少の298万人となった。労働参加率(労働人口/(労働人口+非労働人口):NSA)は59.1%となり、2010年2月以来の低さとなっている。失業者も減少しているが、労働人口も減少していることから、失業者が減っているという部分ではポジティブに捉えられることが出来るものの、労働人口も減り、労働参加率も低下していることから職探しを諦め、非労働人口が増加しているという部分においてはネガティブに捉えられることも出来る。日本は人口減少社会であるため趨勢的に労働人口の低下はやむを得ないが、労働参加率が低下していることについては、依然として国内の労働市場に厳しさが残ることを示唆している。対前年同月比の就業者増減において建設業が19万人減、製造業が32万人減となっている半面で、卸売業・小売業が30万人増、運輸業・郵便業が23万人、医療・福祉が14万人増加となっている。
有効求人倍率は0.57倍となり、前月と変わらずとなっている。新規求人倍率は1.01倍となり、前月から0.06ポイント上昇となっている。
■物価
・CPIの推移(出所:総務省消費者物価指数)

・CGPI・製造業投入価格指数、産出価格指数の推移(出所:BOJ)

・CGPI-CPIスプレッド(出所:総務省・BOJ)

CPIは前年比変わらず、生鮮食品除くコアは-0.4%となっており、やや物価下落圧力が緩和しているように思われる。2010年の通年のコアCPIは前年比-1.0%低下となり、デフレ圧力が依然として強いことを印象づけた。CPIについては2011年7月分から基準改定が行われることとなっており、その影響で0.5ポイント程度押し下げる見込みであることから、日銀にとっても2011年コアCPIの見通しをいずれ下方修正することとなる。
一方で、製造業投入価格指数は前年比+3.6%、産出価格指数は前年比+1.3%、企業物価指数は前年比1.2%となっていることから、川上及び川中では価格上昇圧力が強まっている。しかし、最終製品の価格が下落していることから、企業側による川下製品への価格転嫁はかなり難しくなっている。前年同期比において、CGPI伸び率からCPI伸び率を引いたCGPI-CPIスプレッドは傾向として拡大基調にあることから、コストプッシュ及びデマンドプルダウンという構図となっている。コアCPIの回復が緩慢であることから、デマンドプルの色彩が強いが、今後国際商品価格等の上昇などによって川上・川中の価格に波及し、コストプッシュの色彩を強めると企業サイドのマージン確保が難しくなってしまう懸念も生じてくる。
■個人消費
・実質消費支出の推移(出所:総務省家計調査)

・小売業販売額の推移(出所:METI)

12月の実質消費支出(二人以上の世帯)は前年比-3.3%となり、市場予想の同-0.7%を大きく下回った。また、実収入も前年比-1.4%、可処分所得も前年比-1.4%となっている(二人以上の世帯のうち勤労者世帯)。小売業販売額も前年同月比-2.0%となり、市場予想の+0.6%を大きく下回った。
消費支出の減少に寄与したものは自動車等関係費、交際費、諸雑費(たばこ)、洋服などであった。半面で設備修繕・維持、家庭用耐久財などは増加に寄与した。このことから、エコカー減税の駆け込み需要の反動、たばこ税引き上げによる需要の反動がまだ残っていることが示唆されているほか、テレビの100世帯あたりの購入数量が前年同月比-20.7%となっていることからエコポイント制度変更の影響も大きく受けている。衣料品などは冬物商戦が不振だったようだ。経済産業省の商業販売統計でも自動車小売業の売上が減少しており、国内自動車販売の立ち直りの兆しはまだ見えていない。このことから、2月に発表される10-12月国内GDP速報値(1次QE)においては民間最終消費支出が急減し、GDPそのものも下振れする懸念もある。また、自動車販売の立ち直りが遅れると1-3月期の個人消費にも弱さが残る可能性があるため、国内個人消費については年初以降も弱含みに推移していくのではないかと思われる。
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カテゴリ: 市場視点
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