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ECBの出口戦略?~ユーロ圏の金利動向 

最近のマーケットではユーロ高が進行しているが、ユーロ圏の金利動向をみると既に利上げを織り込んでいる感がある。以下のグラフはEURUSDの推移。


eurusd 20110202


ECBによる利上げ観測が浮上したのは、1月のECB理事会後のトリシェ総裁の会見においての発言であったように思われる。12月のユーロ圏消費者物価(HICP)が前年比2.2%となったことを受けて以下のような発言を行なっている(ECB "Introductory statement to the press conference (with Q&A)"より)。


As regards your first question let me only say that as regards our monetary policy, it is absolutely crystal clear that we will always do what is necessary to deliver price stability and to be credible in the delivery of price stability. I have nothing to add to that. The position of the Governing Council is evident, as is the fact that we consider our present interest rates still to be appropriate.

金融政策に関しての最初の質問であるが、物価安定及び物価安定への信頼感にとって必要であれば我々は行動に出る用意があることははっきりしている。それ以上のことは何も無い。理事会の立ち位置は明白であり、事実現在の金利は適当である。



このように物価安定にとって必要であれば行動する用意があると述べている。インフレについての見方は、


We all warned that, taking into account the present level of the price of energy and commodities, we see CPI being above two percent and rising in the short term, before going down to be in line with price stability, i.e. below, but close to, 2% towards the end of the year.

エネルギーやコモディティ価格を考慮すれば、CPIは短期的に2%を超えて上昇するが、年の終わりには物価安定と考えられているラインを下回るだろう。すなわち2%を下回るか、それに近づくだろう。



としており、短期的にはインフレ率はコモディティ価格の上昇などにより2%を超えることはあるが、中長期的には2%のラインで安定して推移するものとみているようだ。その後、WSJでコアインフレ率が1.1%であるのに対して「コアインフレ率は必ずしも優れた先行指標ではない」(WSJ「【インタビュー】緊縮財政の堅持と物価上昇警戒が重要=ECB総裁」)としていることから、エネルギーや食品価格を含めたコア指数を重視していることから、現状の物価動向についてはかなり警戒していることがわかる。1月31日に発表されたユーロ圏消費者物価指数(HICP)は2.4%となり、ECBが目標としている物価水準である2%から上方に乖離している。以下はHICPの推移(出所:ECB)。


Euroarea HICP 20110202.


また、金融市場においては超過流動性(Excess Liquidity)が大きく減少しており、欧州の銀行間市場において資金がタイトになっていることから、ユーロの金利が上昇しやすい環境にもある。以下は超過流動性の推移(出所:ECB)。


Excess Liquidity 20110202.


・EONIA SWAPのカーブ(出所:EURIBOR)


EONIA SWAP CURVE 20110202.


・ドル・円・ユーロのLIBOR3Mの推移(出所:BBA)


LIBOR3M 20110202.


このようなことから、市場でもECBによる早期の利上げ観測が強くなってきている。


しかし、このままECBがスムーズに出口戦略に舵を切ることが出来るのかどうかは微妙な情勢だろう。出口戦略を打つにあたり重視されるのはユーロ圏の銀行のECB依存の問題である。昨年の12月に無制限・固定金利方式のLTRO(長期リファイナンスオペ)を今年の第1四半期末まで延長することを決めているが、1月末時点のLTROオペによる流動性供給額は3291億ユーロとなっており、相変わらずPIIGSなどの銀行にとってラストリゾートとしてのECB依存は強い。以下の表はECBによるオペ残(出所:ECB)。


EURO Operation 20110202.


また、現状ECBではSMP(証券市場安定化プログラム)において国債買い入れを実施しているが、これがスムーズにEFSFに移行できるかどうかもポイントとなる。しかし、ECBとEFSFでは国債買い入れと言ってもその役割が異なるように思われる。ECBは金融市場安定のために信用緩和(Credit Easing)的な措置、すなわちPIIGS諸国の国債の対独スプレッドの縮小を目的として国債を買い入れているが、EFSFが国債を買い入れる場合には財政支援という文脈があるために、その役割を曖昧にしたままEFSFに一元化してもよいのか、という部分については議論がなされるべきであろう。


また、当然のことながら域内格差の問題は大きい。ユーロ圏諸国の物価は国際商品市況高の影響で全般に上向きであるが、アイルランドなど一部の国はデフレ的な状態から脱していない。以下はユーロ圏各国のHICPの推移(出所:EUROSTAT)。


EUROAREA HICP_2 20110202.


上記の問題が大きく存在している以上、簡単に利上げという結論となるかは微妙な情勢であり、現状のところはECB当局者のタカ派的な発言は口先介入的な意味合いで、ユーロ圏金利上昇及びユーロ高を誘導しているようにも思われる。



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タグ: 金融政策  ECB  ユーロ  金利 
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