定点観測~日本の物価指標
2月25日に1月の全国消費者物価ならびに2月の東京都区部消費者物価が出された。全国CPIについては総合指数が99.4(2005年基準)で前年比±0%、生鮮食品除くコアは99.0となり前年比で-0.2%となった。コアコアCPIは96.9となり、前年比で-0.6%となった。以下がCPIの推移(出所:総務省)
コア指数については、石油製品などの上昇が大きく、CPIの押し上げにつながっているものの、生鮮食品除く食料や家庭用耐久財、教養娯楽用耐久財(テレビ)などが押し下げの寄与となっている。このことから、エネルギーを除けば、消費の段階において一次産品価格高騰の影響は受けていないことがわかる。
一方で、同日発表された日銀による製造業部門別投入価格は110.7となり前年比38.5%、産出価格は102.5となり前年比12.8%となっている。
・CGPI(総合、原材料、中間財、最終財)の推移(出所:BOJ)
・製造業部門別投入価格・産出価格の推移(出所:BOJ)
このような企業物価をみると、コモディティ高に伴う原材料費の高騰によって投入コストは押し上げられているものの、需給ギャップが依然として残っていることから最終消費財には転嫁できない構図がさらに強まっている。以下のグラフはCGPI-CPIスプレッドの推移(YoYベース、出所:総務省、日銀)
先日原油が100ドルを超え、コストプッシュの色合いが濃くなっているが、川下ほど価格抑制の圧力が強まっていることから、企業にとってはマージン確保が一層難しくなっていく傾向が見て取れる。消費者物価からはまだその傾向はみえていないが、仮に企業物価指数の素原材料が2007年のレベル、すなわち140を超える段階では、企業側も原料価格が高騰により価格転嫁せざるをえない状況が予想される。このため、CPIこそプラスに浮上するが、消費者の消費意欲を押し下げ需要を後退させる懸念も生じていくものと思われる。現状は135.9であり、川上の価格には警戒を持ってみておいたほうがよいかと思われる。
日銀としてもこの点はアップサイドリスクと捉えながらも、「中長期的な物価安定の理解」に基づく「消費者物価指数の前年比で2%以下のプラスの領域にあり、委員の大勢は1%程度を中心」としたレベルにまで物価が上昇していかない限り現状の緩和政策の見直しは行わないものとみられる。
英訳版を書いてみました。下手くそな英文ですみません。 Japan Macro View "Deflation and Como-flation" (Price Index)
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コア指数については、石油製品などの上昇が大きく、CPIの押し上げにつながっているものの、生鮮食品除く食料や家庭用耐久財、教養娯楽用耐久財(テレビ)などが押し下げの寄与となっている。このことから、エネルギーを除けば、消費の段階において一次産品価格高騰の影響は受けていないことがわかる。
一方で、同日発表された日銀による製造業部門別投入価格は110.7となり前年比38.5%、産出価格は102.5となり前年比12.8%となっている。
・CGPI(総合、原材料、中間財、最終財)の推移(出所:BOJ)
・製造業部門別投入価格・産出価格の推移(出所:BOJ)
このような企業物価をみると、コモディティ高に伴う原材料費の高騰によって投入コストは押し上げられているものの、需給ギャップが依然として残っていることから最終消費財には転嫁できない構図がさらに強まっている。以下のグラフはCGPI-CPIスプレッドの推移(YoYベース、出所:総務省、日銀)
先日原油が100ドルを超え、コストプッシュの色合いが濃くなっているが、川下ほど価格抑制の圧力が強まっていることから、企業にとってはマージン確保が一層難しくなっていく傾向が見て取れる。消費者物価からはまだその傾向はみえていないが、仮に企業物価指数の素原材料が2007年のレベル、すなわち140を超える段階では、企業側も原料価格が高騰により価格転嫁せざるをえない状況が予想される。このため、CPIこそプラスに浮上するが、消費者の消費意欲を押し下げ需要を後退させる懸念も生じていくものと思われる。現状は135.9であり、川上の価格には警戒を持ってみておいたほうがよいかと思われる。
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カテゴリ: 市場視点
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