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Global Market Weekly Focus 2.28-3.4 

先週来のマーケットにおいて、最も関心が集まったのは中東情勢だった。リビアにおいてはカダフィ大佐の長男が「リビアは内戦状態となっている」と発言、首都トリポリを巡り政府側と反政府組織との間での衝突が激化している。リビアは世界第9位の石油埋蔵量を保有しており(世界の埋蔵量の約2%程度)、情勢如何では石油の生産に支障をきたす恐れがあるため、リビア情勢の思惑で原油が乱高下する展開となった。北海ブレント原油先物は110ドルを突破、NYMEX原油先物も一時103ドル台を付け、2008年以来の高値を更新している。以下はNYMEX原油先物のチャート。


cl20110228.gif


・石油埋蔵量の上位国(出所:EIA)


Crude Oil Reserve 20110228.


・天然ガスの埋蔵量の上位国(出所:EIA)


Reserve of Natural Gas 20110228.


混乱が生じているのはリビアだけではなく、バーレーンをはじめ中東各国に飛び火している。各国の情勢についてはここでは解説しないが、今後中東諸国で混乱がさらに拡大し、石油生産に支障が出るような場合には、世界最大の原油埋蔵量を保有しているサウジアラビアの供給姿勢が焦点となってきている(25日に増産を日量900万バレルに決定)ことから、極めて政治動向によってマーケットが動きやすくなってきている。サウジアラビアにしても政治的なリスクがないわけではなく、3月11日に掛けてデモを呼びかける動きがネット上に出されており、そういった思惑も働きやすい。また、原油の価格高騰により世界的に川上の価格が上昇してきており、コストプッシュインフレへのリスクが高まっている。このような中で今週はマーケットでも注目されるイベントが多い。


■ECB理事会


今週の金融政策の動向にあたっては、ECB理事会が軸となる。ECB高官の発言としては、次期ECB総裁の有力候補の一人である、イタリア中銀マリオ・ドラギ総裁が今後の政策について以下にように語っている(Bloomberg "Draghi Says ECB's Exit Strategy Timing Affected by Inflationary Pressures"より)。


“The appearance of inflationary tensions does require that we carefully assess the timing and methods for restoring normal monetary conditions and interest rates,” he said in a speech in Verona, Italy, today. “Monetary policy must prevent a deterioration of expectations, in order to keep the stimulus of international prices from passing through to domestic prices and wages in the longer term.”

インフレへの緊張状態は、我々が通常の金融政策や政策金利に戻す時期と方法について、注意深く判断することが求められている、とイタリア中銀マリオ・ドラギ総裁がベローナでの講演で発言した。金融政策は、長期間に渡り国際価格が国内の価格や賃金に転嫁することへの刺激をキープするために、(インフレへの)期待を悪化させることを阻止していかなければならない。



としており、インフレが今後高まっていくようであれば出口戦略に向けてアクションを起こしていく意図があるとした。ルクセンブルク中銀のメルシュ総裁は3月の会合でインフレに対して強い警告を発していくだろう、とし、ドイツ連銀のウェーバー総裁も欧州の政策金利は「将来引き上げるという方向しかで無い」と発言している。このことから、ECBのトーンとしてはタカ派的な様相となってきており、従って、3月1日に発表されるユーロ圏消費者物価(HICP)が仮にECBの政策目標である2%を大きく超えるようなヘッドラインが出された場合には早期利上げ論の思惑がマーケットで一気に噴出しやすくなる。市場予想では前年比2.4%の伸びが予想されており、上振れのリスクには注意したい。以下のグラフはユーロ圏HICPの推移(出所:EUROSTAT)。


EURO HICP 20110228.


トリシェ総裁においても会見でホーキッシュな見方を示すか、2月のように市場に期待に対して梯子を外すようなスタンスを取るのか、一連のECB高官の発言が一種の口先介入的な行動である可能性も含めて注目したい。


また、今回のECB理事会では、4月以降において、3カ月物固定金利無制限オペ(LTRO)が今後も継続していくのか、オペの規模に制限を付けることが決められるのかについても焦点があたるものとみられる。今後も無制限のオペが継続していくのであれば、未だに欧州の金融市場の状況は一部銀行にとってアゲンストな状態が続いていることが浮き彫りにされ、出口戦略論の後退も意識させられるが、制限付きのオペが実施されていく方向であれば、利上げまでの出口戦略にさらに一歩前進することになる。また、アイルランドの金融機関が預金資産を売却したことが要因と考えられているが、限界貸出ファシリティ(ロンバート貸出)の利用が一時的に急増し、これが現状のオペの姿勢に影響を与えるのではないかという見方が浮上した。しかし、ECBのシュタルク専務理事は「急増は特別な要因によるものだった」と回答しており(ロイター「ECB翌日物貸出の急増、金融政策には影響せず=ECB専務理事」参照)、オペの変更への論議に与える影響は軽微なものとみられる。


■バーナンキ議長議会証言などFedの動向


一方で米国の金融政策については当面緩和的なスタンスが取られるものとみられており、1日には米上院銀行住宅都市委員会において、2日には下院金融委員会におけるバーナンキ議長の議会証言で再確認される形になるものと思われる。2月9日の議会証言においてのインフレの認識は以下のようなものであった'(Fed "The Economic Outlook and Monetary and Fiscal Policy Before the Committee on the Budget, U.S. House of Representatives, Washington, D.C. February 9, 2011"参照)。


On the inflation front, we have recently seen increases in some highly visible prices, notably for gasoline. Indeed, prices of many industrial and agricultural commodities have risen lately, largely as a result of the very strong demand from fast-growing emerging market economies, coupled, in some cases, with constraints on supply. Nonetheless, overall inflation is still quite low and longer-term inflation expectations have remained stable. Over the 12 months ending in December, prices for all the goods and services consumed by households (as measured by the price index for personal consumption expenditures) increased by only 1.2 percent, down from 2.4 percent over the prior 12 months. To assess underlying trends in inflation, economists also follow several alternative measures of inflation; one such measure is so-called core inflation, which excludes the more volatile food and energy components and therefore can be a better predictor of where overall inflation is headed. Core inflation was only 0.7 percent in 2010, compared with around 2-1/2 percent in 2007, the year before the recession began. Wage growth has slowed as well, with average hourly earnings increasing only 1.7 percent last year. These downward trends in wage and price inflation are not surprising, given the substantial slack in the economy.

インフレ面では、いくつかの価格、とりわけガソリン価格の上昇が顕著になっているように見える。実に多くの工業品や農産物のコモディティ価格は上昇しているが、多くはエマージング経済の速い成長による強い需要の結果であり、同時にいくつかのケースでは供給懸念もある。しかしながら、全体的なインフレは極めて低く、長期間のインフレ期待は抑制されたままである。コアPCEデフレータについては、2009年12月には2.4%減であったが、昨年の12月では1.2%しか上昇しておらずいない。インフレの基調を判断するには、エコノミストはいくつかの代替的な指標をフォローしているが、そのうちの一つがコアインフレと呼ばれるもので、変動の大きい食品やエネルギーを覗いたものであり、全体的なインフレの予測にはより適している。リセッションが始まる前の2007年の2.5%程度に比べると、2010年のコアインフレ率は0.7%である。同時に賃金の伸びも緩慢であり、昨年は時間あたり平均賃金も1.7%しか伸びなかった。このような賃金や物価の下方トレンドは驚くべきことではなく、経済に大きなスラック(緩み)が存在している。




としており、ECBのように総合的なインフレ率をみるのではなく、コアインフレ率を重視し、それは未だに低い状態であるということを今回の議会証言でも再強調するものとみられる。そしてデュアル・マンデート達成のために、緩和的な政策が正当化されるとの見方を繰り返し示し、その結果資産価格が上昇したり、クレジットの環境が緩和されたりするなどのトランスミッションメカニズムについても説明していくものと思われる。しかし、ライアン下院予算委員長などはQE2がインフレの温床を作り出しているとみており、現状の原油価格の高騰などからその政策へのさらなる批判が強まるものとみられ、議長がそのような批判的な質疑に対してどのように回答していくのかが注目される。


また、2日にはFedの米国の経済見通しの判断材料となるベージュブック(地区連銀経済報告)が公表される。前回1月12日の報告では12地区全てで経済の緩やかな拡大が示されていた。特に小売セクターと製造業の動向が堅調となっていた。しかし、クリスマス商戦が終わった後の1月の小売売上は市場予想に達しなかった(前月比+0.3%)ことから、個人消費の動きにやや一服感がみられるデータも出ており、ベージュブックにおいてどのような判断となるのかが注目されよう。また、原材料価格が高騰しているが、これらが川上から川中、さらには川下、最終消費財までの経路でどの程度価格転嫁が行われているのかも注目される。1月では「投入コストが増大しているものの、価格競争に晒されていることから最終製品への価格転嫁は難しい」としていたが、企業側のマージン確保も難しくなってきており、一部最終製品の値上げの動きが起こり始めているような報告がなされる可能性もある。従って、価格転嫁の進展によってインフレ期待やインフレ基調に対するニュアンスが変わるようであれば、タカ派の委員が反対票を投ずるなど、政策決定面でも微妙な変化が起こるかもしれない点には注意が必要であろう。


■雇用統計を中心とした米国マクロ動向


今週は月初であるため、米国で重要な指標の発表が相次ぐ。以下はBloomberg Surveyによる指標予測。


2/28 1月個人所得 +0.4%(MoM)
2/28 1月個人消費支出 +0.4%(MoM)
2/28 1月コアPCEデフレータ 0.8%(YoY)
2/28 2月シカゴPMI 67.5
2/28 1月中古住宅販売成約指数 -2.3%(MoM)
3/1 2月ISM製造業景気指数 60.8
3/2 2月ADP民間雇用者数 +185K
3/3 2月ISM非製造業景気指数 59.4
3/4 2月非農業部門雇用者数 +190K
3/4 2月失業率 9.1%
3/4 2月時間あたり平均賃金 +0.2%(MoM)
3/4 1月製造業受注 +2.0%(MoM)


特に2月の雇用統計に関心が集まるものとみられる。Nonfarm Payrollについては、1月は大雪の影響から建設や輸送で雇用大きく減少していたが、2月は天候が安定してきたことからその反動増が見込まれている。また、1月は製造工業で+49Kと雇用が大幅に増加していたが、そのモメンタムが引き続きキープできているかというところも焦点となろう。一方で先日発表された10-12月GDP改訂値では、政府調達が速報値の-0.6%から-1.5%に下方修正されており、政府部門、特に州・地方政府での雇用に対する懸念も強まっている。この点でどの程度マイナスとなっているのか確認しておきたい。さらに、現段階において、現状の雇用増加のペースでは、労働参加率の上昇に伴い失業率も上昇していることが望ましい。以下のグラフは失業率(Unemployment Rate)と労働参加率(Participation Rate)の推移(出所:米労働省)。


US Unemployment rate 20110228.


1月の労働参加率の低下は、天候要因のために雇用機会が見込めないと判断した人が急増した可能性があり、その反動が見込まれることや、景気の緩やかな回復基調により労働参加意欲が強まると期待されていることから、市場では失業率は1月の9.0%から9.1%に上昇すると見込まれている。


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