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Global Market Weekly Focus 3.7-11 

先週のマーケットは中東情勢とそれに伴う供給不安への懸念から原油が一段高となる展開となっており、NYMEX原油先物は104.42ドルで引けており、2008年9月以来の高値を更新している。リビア情勢において、カダフィ大佐と反政府勢力との衝突が激しさを増している。直近ではカダフィ政権側が反政府勢力が掌握するサウィアを攻撃し、激しい戦闘状態となっている。リビアにある石油関連施設は反政府側が掌握しているものと見られるが、カダフィ大佐側がこの支配権を巡り一部攻撃しているのではないかとも伝えられている。カダフィ政権側と非政府側との間で石油関連施設の支配権を巡る攻防となれば、世界第9位の埋蔵量を保有する同国の石油供給能力が落ちていく懸念が広がっており、今後も同国の情勢と原油価格がマーケット全体の動向を左右していく展開が強まると思われるマーケットでもこの問題の長期化による供給懸念を織り込みに図っている傾向があり、原油先物のフォワードカーブでは1年後までの年限でコンタンゴとなっている。以下のグラフはNYMEX原油先物のフォワードカーブ(出所:NYMEX-CME)。


CL ForwordCurve 20110307.


先週末の原油先物のフォワードカーブの形状は今後1年までの期間でコンタンゴとなっており、その後2013年以降のやや長いレンジでは102ドル近辺で価格が収斂するとの見方である。今後原油のフォワードカーブの形状を考える上で、中東の混乱がさらに拡大し、


・カーブにおける最も高いゾーン(6-12カ月後)の押し上げがどこまで進行するか
・コンタンゴを形成する期間



ということである。コンタンゴを形成する期間の拡大・縮小には様々な要因があるが、中東などの情勢による供給不安が長期化すればコンタンゴの状態が長期化する可能性があり、一方で早期解決が見込まれれば供給懸念後退により通常のバックワーデーションの形状(金利相当分だけ期先ほど価格が下がる)が起こる余地がある。従って、原油相場の価格だけではなく、こうしたフォワードカーブによる市場の供給懸念の織り込み方も同時にウォッチしていくべきであろう。いずれにしてもこの原油価格高騰の長期化となれば、市場参加者ならずとも消費者や企業における長期のインフレ期待の押し上げにもつながりやすくなる。この点は先日の議会証言でバーナンキ議長が明言したことでもあるが、3日のアトランタ連銀のロックハート総裁も以下のように述べている(Atlanta Fed "Understanding Today’s Employment Challenge")。


I'm well aware confidence is being tested by inflation commentary that points to commodities, imports, and the energy ingredient in many products and services. However, longer-term expectations in the same University of Michigan survey have remained quite stable. This stability suggests there remains confidence that the inflationary impacts of recent movements in commodity prices will be temporary. My staff and I know we must remain vigilant in looking for any uptick in broad-based inflation that could unanchor longer-term expectations.

私は、コモディティ価格、輸入品、及び多くの製品やサービスにおけるエネルギーの影響が示すインフレより試されている信頼感に十分に注意している。長期間のインフレ期待はミシガン大学の調査などから極めて安定している。この安定は直近のコモディティ価格の変動のインフレへのインパクトは一時的であると示唆している。スタッフも、私もすべての広範にわたった、長期間の期待のアンカーが外れたインフレの上昇には警戒を持って観察し続けている。



コモディティ価格の高騰と最終製品への価格転嫁が生じてくる事態となり、長期インフレ期待の安定のアンカーが外れる可能性については強いトーンで警戒を表明している。従って、原油価格の高止まりについては一大生産拠点である中東情勢がどのように展開していくかということがキーとなる。中東情勢が長期化するのか、それとも短期的な出来事で終わるのかは定かではないが、仮に長期化すればそれはコモディティ価格の高騰を通じて、あらゆる期間のインフレ期待の形成に働きかけることは、Fedをはじめとして世界的な金融当局者の関心事となっていくのだろう。


今週のマーケットにおいては、全人代と中国経済指標、米国マクロ指標などが注目されている。


■全人代と中国経済指標


現在中国では全人代が開催され、今年のマクロ政策などを決定している。注目されるのは今年のマクロ政策目標であり、温家宝首相の施政方針演説ではインフレが社会の安定を脅かすとし、2011年のインフレ率を約4%に抑えるとした。また2011-15年の第12次5カ年計画では年率7%成長、2011年の成長率は8%とした(ロイター「中国首相、インフレ抑制が2011年の最優先事項と表明」参照)。現状中国ではインフレの状態が一部都市で深刻となっており、深センから越境して物価が安定している香港に買い物客が集まるという事態が起こっている(東洋経済3月5日号参照)。このようなことから今年の中国のマクロ政策の主題がインフレ抑制であることなどを踏まえると、RMB改革にも踏み切らざるをえないものとみられる。輸出よりも財政政策を伴った内需振興を優先するとの見通しであることからもRMB改革に伴うリスクについて配慮していることも伺える。金融政策についてはもうしばらくの間預金準備率のさらなる引き上げと利上げが行われるものと見られるが、その時の政策判断のツールというべきCPIが11日に発表される。CPIについては前月の+4.7%から+4.9%に加速するとみられている。以下は中国のCPI、PPI、預金金利の推移(出所:国家統計局、PBOC)


China CPI 20110215.


またPPIについては、1月の+6.9%から2月は+6.6%に鈍化したとの予測もある。1-2月にかけては春節による需要の急激な高まりによってインフレ率が押し上げられやすい。このため、3月の数字がより実勢を表しているものといえ、減速する可能性があるが、全体としてインフレの傾向が強いのは事実であり、また昨今の原油価格の急騰もインフレ要因として強く作用していることから、当局としてもそれなりの対応を取らざるをえないものとみられ、3月に掛けて追加利上げが行われる可能性も捨てきれない。


■米国マクロ指標


先週のマクロ指標ではISM製造業景気指数により、製造業の業況が拡大していることが示された一方で、価格に対する懸念も表明されている。また雇用統計では失業率が9%を割り込み、非農業部門雇用者数も安定的に増加していることが示され、緩やかながらも米国の雇用環境が改善していることが示唆されている。今週は以下のような指標の発表がある(予測はBloomberg Surveyより)。


3/7 1月消費者信用残高 3.4$Blns
3/9 1月卸売在庫 +0.9%(MoM)
3/10 1月貿易収支 -41.5$Blns
3/10 新規失業保険申請件数 375K
3/11 2月小売売上 +1.0%(MoM) 自動車・ガソリン除く 0.4%(MoM)
3/11 3月ミシガン大学消費者信頼感指数 76.5
3/11 1月企業在庫 +0.8%(MoM)


特に今週は小売売上が注目される。米国の個人消費は好調だが、一方で足元でガソリン代が高騰していることから、消費者の懐具合が圧迫されており、ガソリン以外の物品購入を控えている動きが出ているのかに注目される。また、3月のミシガン大学消費者信頼感指数も注目で、ガソリン価格の高騰から消費者マインドの悪化が見込まれている。以下はガソリン代と消費者信頼感指数の推移(出所:StLouisFed)。


UMich 20110307.


ガソリン代の価格と消費者マインドにはやや強い逆相関(R=-0.6269/期間は2000年以降)があるため、ガソリン代の高騰は消費者マインドを萎縮する可能性が指摘できる。このためガソリン代がさらに上昇している今回、どのように消費者マインドが変化しているのか注目されるのだろう。また短期的なインフレ期待を表す1年インフレ指数、長期的なインフレ期待を表す5年インフレ指数の変化にも注目していくべきだろうと思われる。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: マーケット  中東情勢  原油  コモディティ  マクロ  中国  人民元 
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