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Global Market Weekly Focus 3.14-18 

まず、週末の東日本大震災において犠牲になった方へのご冥福をお祈りするとともに、被害に合われた方に対してお見舞い申し上げます。余震活動も活発であり、十分警戒してくださいますようお願い申し上げます。


今回の大震災に関しては様々な影響が出てくることが想定される。この地震による経済的な影響は、大まかにいえば、以下のとおりである。


・当面の間宮城県、岩手県、福島県を中心とした地域で経済活動がストップしてしまうこと
・停電による関東地方への生産活動へのダメージ



細かく分ければいくつもの影響が出てくるが、大まかに考えられるのはこの2点である。茨城県の県内総生産は157.75 105.55億ドル(2007年データ、1ドル=81.80円)、福島県は111.68 74.73億ドル、宮城県は110.57 73.98億ドル、岩手県は61.47 41.13億ドルであり、合計で441.47 295.39億ドル、日本のGDPの6.7%程度である。295億ドルというレベルは、愛知県と神奈川県の間に位置し、外国でいえば、デンマークよりもやや小さく、イランより大きいという規模である。従って、これら各県の生産活動が今後数カ月タームで停止してしまうということは、日本のGDPをそれ相応に押し下げる。以下のグラフは県内総生産と各国のGDP(億ドル/ 出所:内閣府・IMFWEO)


APREFGDP 20110314_1.
APREFGDP 20110314_2.



また、停電による生産活動の影響も大きく出る。福島第1原発及び第2原発の停止によって、4100万ワットの需要に対して3100万ワットの供給しかできない。首都圏ではこのため1000万ワット相当に当たる生産が止まる。当然主要企業の関東内の生産拠点の操業停止が見込まれることから、それ相応の経済活動の停止が見込まれる。さらに西日本の企業にとっても東日本から部品を調達していることが多く、稼働率は上昇しない。このことから余剰生産能力の拡大が生じていくことから、生産は大きく押し下げられることが考えられる。さらに雇用面でも余剰人員感が強まっていくことなどから雇用調整が行われる可能性もある。失業率の上昇により、個人消費セクターにおけるさらなる需要低下も懸念すべきだろう。しかし、2011年Q1-Q3あたりまではマイナス成長も覚悟しなければならないが、被害総額は現時点で20兆円程度が見込まれており、それ相応の復興需要により、いずれは景気回復へのパスが形成されていくこととなる。


金融面では本日から取引が行われる。マネーマーケットにおいては日銀による大規模な流動性供給が行われ、金融システム、インターバンクそのものへの大きなダメージは想定しにくい。そして大事なことは全国、特に被災地で窓口を開く金融機関の各支店に十分な日銀券が届けられるか、といったところだろう。被災地の銀行窓口に日銀券を潤沢に用意させ、預金者の引き出し等に十分応じる能力を備えさせ、取り付け騒ぎを起こさせないことも金融政策における非常に重要な責務であろうと思われる。本日行われる日銀金融政策決定会合においては流動性供給による金融市場安定のための措置を講ずることで決められていくことになろう。株式市場や債券市場ではファンドや被災地をはじめとした金融機関・事業会社・個人投資家による手元流動性確保のためにメイクキャッシュの動きが行われることが想定され、しばらくは換金売りが出やすい。株式市場では地震の規模やその影響、さらに原発事故や計画停電の影響を織り込む動きが想定される。外国為替市場では本邦生損保によるリパトリの圧力による円買いニーズがあるものと見られるが、阪神大震災当時と異なるのは生保のヘッジ付き外債の比率が高くなってきており、円高圧力は当時ほど大きくないとの見方もある。しかし、円の史上最高値に接近する状況となれば、当局も介入を辞さない構えをみせるだろう。しかし、本邦生損保のリパトリの動きに対して介入を行うというのは財政による私企業救済ということの是非が問われるところであり、ハードルもやや高い。つまり、ソルベンシーを十分満たしている金融機関に対して為替介入という間接的な形での財政支援が望ましいのかどうか、というところが論点である。


以上のことから、本震災は日本経済にも甚大な影響が見込まれるものの、日本人の高いポテンシャルとモチベーションによってこの国難を乗り切っていけるものと確信している。


今週のマーケットではこのような日本の状況を踏まえつつ、15日のFOMCを中心とした各国金融政策動向に焦点が当たる。


■FOMC


3月15日にFOMCが開催される。現行のゼロ金利政策及び資産買い入れは継続して行われるものとみられる。日本の地震が米国にどの程度波及するかということに関してはそれほど警戒をもってみるという段階でもなく、現状の金融政策に与える影響はそれほど大きくはないと思われる。現状、Fedにとっては、商品市場の高騰により一次産品高とインフレについてどのように考えるか、といったことが焦点であろう。従来は経済の大きなスラック(緩み)により、一次産品の上昇が最終商品に転嫁する動きは限定的であり、この商品市場高騰もテンポラリー(一時的)なものとして捉えられてきている。しかし、ベージュブックで示されたことは、


Manufacturing and retail contacts across Districts reported rising input costs. Manufacturers in many Districts conveyed that they were passing through higher input costs to customers or planned to do so in the near future.

多くの地区に渡って製造業や小売の会合では投入コストが上昇しているとの報告があった。多くの地区の製造工業では高い投入コストを消費者へ価格転嫁しているか、近いうちにそうしようと考えている。



Retailers in some Districts mentioned they had implemented price increases or were anticipating such action in the next few months.

いくつかの地区の小売業者は値上げを実施、または近いうちにそのような値上げを行うと予想しているとした。



このようなことから、これまでのFedメンバーの見方で大勢を占めていた、

Others, however, noted that the pass-through from increases in commodity prices to broad measures of consumer price inflation in the United States had generally been fairly small.

しかしながら他の参加者は、米国においてコモディティ価格から消費者物価への価格転嫁は総じてかなり小さいのではないかとした。



という認識に変化が生じてくるものと思われる。従って、これまでコモディティ高から最終製品への価格転嫁はしづらいだろうといったビューが見直されることも想定されることから、タカ派メンバーを中心にインフレへの警戒を示してくるものと思われる。また、バーナンキ議長が2日の議会証言において、サブシナリオとしてのインフレリスクについて、


That said, sustained rises in the prices of oil or other commodities would represent a threat both to economic growth and to overall price stability, particularly if they were to cause inflation expectations to become less well anchored.

それらがインフレ期待のアンカーを弱めるのであれば、原油や他のコモディティの持続的な上昇は経済成長や物価安定にとって脅威となる。我々は緊密にこれらの進展を監視し、価格の上昇に即し、経済回復にとって最大限のサポートが必要ならば、それに対応する準備が取られている。



としており、長期インフレ期待の高まるならば物価安定と経済成長への脅威といった認識が行われた。消費者の長期インフレ期待を表す指標としてミシガン大学消費者信頼感指数の5年インフレ期待指数について、これまで横ばいだったのがここにきて上昇基調に転じてきている。以下のグラフはミシガン大学消費者信頼感のインフレ期待指数(出所:ロイター)


U Mich Inflation Expectations 20110314.


まだレンジの範囲内であるが、金融危機直前の物価上昇時以来の水準に迫ってきているため、この傾向には注意深くして推移を見守ると思われる。アトランタ連銀ロックハート総裁も会見で、


I'm well aware confidence is being tested by inflation commentary that points to commodities, imports, and the energy ingredient in many products and services. However, longer-term expectations in the same University of Michigan survey have remained quite stable. This stability suggests there remains confidence that the inflationary impacts of recent movements in commodity prices will be temporary. My staff and I know we must remain vigilant in looking for any uptick in broad-based inflation that could unanchor longer-term expectations.

私は、コモディティ価格、輸入品、及び多くの製品やサービスにおけるエネルギーの影響が示すインフレに対する信頼感に十分に注意している。長期間のインフレ期待はミシガン大学の調査などから極めて安定している。この安定は直近のコモディティ価格の変動によるインフレへのインパクトは一時的であると示唆している。スタッフも、私もすべての広範にわたった、長期間の期待のアンカーが外れたインフレの上昇には警戒を持って観察し続けている。



としており、長期インフレ期待の高まりの醸成については警戒を示している。このため、Fedにおいては、現段階では長期的なインフレ期待はまだレンジ内にあることから、インフレへの警戒感を示すものではないが、短期的なインフレに対する期待は上昇しているとの認識を示し、インフレ基調の上方修正に迫られるものと思われる。また長期インフレ期待の醸成をモニタリングしていくことも考慮すべきだろう(声明文レベルでは記載されないと思われる)。こうしたインフレ期待や商品市況の高騰が最終製品に価格転嫁している動きなどを踏まえ、今後のQE政策のあり方についても活発な議論が行われるものと思われる。6月末にQE2は終了するが、今後3つの選択肢がある。


・資産購入をさらに追加的に行う(QE3)
・QE終了後、バランスシートの維持を行う(QE2')
・QE終了かつPOMO終了で漸次的にバランスシートの縮小を図る



この3つの選択肢がある。QE2'とは、QEを終了しても、MBSや米国債資産の償還に当たりバランスシートの縮小を防止するために、償還資金で再投資は行うといったものである。今後原油価格の上昇により需要が後退し、景気にネガティブに作用することになれば、QE3による景気の下支えを行う可能性について排除しない見解もあったり、逆にQEを予定通り6月で終了させるべきでと主張している向きもあり、メンバー内でも今後の政策について対立の構図が見え隠れする。特に後者については、バーナンキ議長も指摘しているように、必要であれば引き締め政策としてのPOMO終了・漸次的なバランスシート縮小も考慮に入れていることから、今後のインフレを警戒する向きにとってはこの選択肢を主張することも十分にありえる。いずれにせよ、今回のFOMCについては一次産品高とインフレへの認識にどのような変化があり、反対票動向を含めて政策アクションに変化があるのかが注目される


■米国マクロ指標


今週は米国で注目されるマクロ指標の発表がある。先週の経済指標では小売売上において順調な個人消費動向が示されたものの、ミシガン大学消費者信頼感指数はガソリン価格上昇により急低下しており、今後の消費動向については不透明感を強くしている。以下はBloomberg Surveyによる各指標の市場予測である。


3/15 3月NY連銀製造業景気指数 16.1
3/15 2月輸入物価 +0.9%(MoM)
3/15 3月NAHB住宅市場指数 17
3/16 2月PPI +0.7%(MoM) コア +0.2%(MoM)
3/16 2月住宅着工件数 570K
3/16 2月住宅着工許可件数 570K
3/17 2月CPI +0.4%(MoM) コア +0.1%(MoM) / +1.0%(YoY)
3/17 2月鉱工業生産指数 +0.6%(MoM)
3/17 2月コンファレンスボード景気先行指数 +1.0%(MoM)
3/17 3月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 29.7


特に物価指標への関心が集まるものと思われる。輸入物価及びPPIの上昇が、価格転嫁によってどの程度CPIが押し上げられているのか、といったところだろう。CPIが上振れすればFedのQE政策の一層の後退を織り込む可能性も考慮しなければならないだろうし、下振れればQE政策をサポートするものとなるが、価格転嫁が難しいことが示されることで、企業のマージン確保の厳しさが浮き彫りになる可能性もある。


その他では、今週は金融政策会合が各国で予定されており、ノルウェーやスイスの政策の動向に関心が集まる。ECBが4月の利上げを示唆している中、ユーロに属さない欧州周辺各国中銀のスタンスもポイントとなるものとみられる。


【お詫び】県内総生産について一部数値に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。


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