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日銀会合~金融システムと信用市場の安定化に向けて 

3月14日に日銀金融政策決定会合が行われ、包括緩和のうち、資産買入基金の増額を決めた。以下はステートメント「金融緩和の強化について」。


1.東北地方太平洋沖地震の発生後、日本銀行は、金融市場および金融機関の業務遂行への影響を把握するとともに、金融機能の維持および資金決済の円滑を確保するために、万全の措置を講じてきている。また、適切な金融市場調節の実施を通じて弾力的な資金供給を行っている。


2.わが国の景気は、改善テンポの鈍化した状態から脱しつつある。消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、下落幅が縮小を続けている。先行きの中心的な見通しとしては、わが国経済は、緩やかな回復経路に復していくという判断を維持した。消費者物価の前年比は、当面、小幅のプラスに転じていくと考えられる(注1)。もっとも、今回の地震によって、わが国は、地理的にも広範囲な被害を受けており、当面、生産活動の低下が見込まれるほか、企業や家計のマインドの悪化も懸念される。


3.以上のような情勢認識のもと、日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、以下の措置を実施し、金融緩和を一段と強化することを決定した。


(1)当面の金融市場調節方針
次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとする(全員一致(注2))。こうした調節方針のもとで、金融市場における需要を十分満たす潤沢な資金供給を行い、金融市場の安定確保に万全を期していく。
無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す。


(2)資産買入等の基金
企業マインドの悪化や金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりが実体経済に悪影響を与えることを未然に防止する観点から、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を5兆円程度増額し、40 兆円程度とする(注3)。

増額分の買入対象資産ごとの内訳は、以下のとおりとし、2012 年6月末を目途に増額を完了する。ただし、指数連動型上場投資信託、不動産投資信託については、日銀法上の認可取得を条件とする。

長期国債 :0.5 兆円程度
国庫短期証券:1.0 兆円程度
CP等 :1.5 兆円程度
社債等 :1.5 兆円程度
指数連動型上場投資信託:0.45 兆円程度(認可取得を条件とする)
不動産投資信託:0.05 兆円程度(同上)


4.日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、包括的な金融緩和政策を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3つの措置を通じて、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく。日本銀行は、引き続き、先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていく方針である。

以 上


(注1)本年8月の基準改定に伴い、消費者物価指数の前年比は、下方改定される可能性が高い。
(注2)賛成:白川委員、山口委員、西村委員、須田委員、野田委員、中村委員、亀崎委員、宮尾委員、森本委員。
反対:なし。
(注3)須田委員は、資産買入等の基金の買入増額対象資産をすべてリスク性資産とするべきとの理由から、反対した。




朝方から日銀は断続的に共通担保オペ及び現先買いオペを行った。9時過ぎに共担オペ7兆円、9時30分に国債買現先オペ3兆円、10時30分に共担オペ5兆円、そして異例となる午後に3兆円の共担オペを実施し、合計で18兆円という過去最大規模の流動性供給を行った。当座預金残高は32兆円になる見込みとなった。すべてのオペに対して札割れとなったが、日銀としては金融システムを堅持するために万全を期すという姿勢を市場に示すものであったのだろう。この段階ではマネーマーケットを中心とした金融システムを止めてはならないし、あるいは金融機関への取り付け騒ぎなども起こしてはならない。そのために大規模な供給姿勢を打ち出して、市場のコンフィデンスを高めることを目指したものとみられる。


そして会合の結果、包括緩和における資産買入基金の増額を発表した。基金のうち、共担オペ除く10兆円の買入基金の内訳は以下の通りである。括弧内は今回の増額分。


・長期国債 2兆(+0.5兆)円
・国庫短期証券 3兆(+1兆)円
・CP 2兆(+1.5兆)円
・社債 2兆(+1.5兆)円

・ETF 9000億(0.45兆)円
・REIT 1000億(+0.05兆)円



増額の資産配分から見て取れるのは、今回の買入は社債・CPの割合が高く、企業金融支援という意味合いで万全を期すという感じだったのではないかと思われる。地震や原発事故、さらには電力不足の影響が信用市場に波及し、クレジットスプレッドがワイド化することを防止するための配慮というものであろう。前回の緩和、すなわち買入基金の創設はリスク性資産へのアプローチによって資産効果を促し、デフレ脱却を目指すという意味合いがあったが、今回はクレジット中心に金融市場への配慮がメインであり、Credit Easingの要素がかなり強い決定ではなかったかと思われる。震災の影響により、すでに一部事業会社や地方自治体、サムライ債の起債の延期が相次いでおり、CP等の発行も中止などの観測があったようだ。また、CDSの指標であるiTraxx Japanは一時121bpまでワイド化し、社債のスプレッドもワイド化したものがみられていた。従って、震災の影響が信用市場に及び、企業金融がクランチしてしまうことは避けなければならない事態であり、信用市場に厚めの資金を流し、日銀がラストリスクテイカーを果たすことで信用市場の秩序維持と企業金融の円滑化を狙う意図があったものとみられる。白川総裁の会見でも「不安心理の高まりとリスク回避姿勢の高まりが実体経済に影響を与えることを未然に防ぐため、リスク資産を中心に増額することが適当だと判断した」と述べており、社債やCPのスプレッドに「潜在的な上昇圧力が高まっている」と懸念を表明していることからも信用市場の安定に期するという強力なメッセージを発している。


今後は震災の被害が徐々に具体化していく段階において、景気や各種市場の動向に配慮しながら柔軟な政策スタンスを取っていくものと思われる。なお、須田委員に関しては国債の買入分をリスク性資産に充当すべきであるとして反対した。このあたりは議事要旨を待ってみる必要があるが、信用緩和のメッセージをさらにはっきり示すために一段と踏み込んだ政策、すなわち全額をリスク性資産にすべき、という主張をされていたのかもしれない。


英訳版を書いてみました。(For English Version) BOJ Meeting, "Strengthening of Credit Easing"



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