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震災後の日本経済・マーケットを考える~夏場の電力供給不足がもたらす影響 

東日本大震災が発生してから12日が経過しているが、現状どの程度の被害が出ているのかはまだ定かではない。しかし、現状で伝わってきている情報から経済への影響を考えると以下のようなものに大別できると思われる。


・直接的な被害(ライフライン、インフラ、住居、その他非居住用構造物など)
・サプライチェーンへの影響
・電力供給不足がもたらす影響
・被災地企業の信用力低下(東京電力を含む)



このようなところだろう。特に長期化しそうな問題として電力供給不足があげられる。特に東京電力管内では、安定的な電力供給源であった福島第1原発が事故を起こした。そして警戒されているのは夏場の電力需要であり、6000万キロワット程度が予測されているが、現状復旧体制を急いでいるが、4500万キロワット程度の供給しか図れない見込みである。夏場においても供給不足に対して現状政府及び東電は計画停電の実施を予定しているが、使用制限(電気事業法27条)により産業界でも電力使用が一律に規制される可能性も浮上している。いずれにせよ、夏場には相当な電力不足が発生し、供給が図れない事態が想定されるのであろう。このことは中期的に「供給不足による生産低下」を招くことになる。現状、エコノミストの見通しではサプライチェーンにダメージが出たとして3月の生産は大幅なマイナス、その後その回復により5月にはその反動から大幅なプラスが予測されている(FT Alphaville "Japan: supply chain update"より)。この文中ではサプライチェーンの回復により生産は4月にフラット、5月に反動増を見込んでいるが、もっとも懸念すべきは6月以降の電力供給であろう。一般に大口電力使用量と生産・出荷との関係は深い。1990年2月以降の相関係数(R)では、以下の通りとなっている。


・大口電力使用量と鉱工業生産財出荷指数 0.931
・大口電力使用量と鉱工業生産指数 0.675



大口電力使用量と出荷指数の関係(出所:内閣府「景気動向指数」)


shipment 20110323.



大口電力使用量と生産指数の関係(出所:内閣府「景気動向指数」)


IP 20110323.



出荷指数と大口電力使用量との間にある相関の強さというのは、おそらくは出荷活動が経済全体の需要に依拠している部分が大きく、全体的な需要減が出荷活動を鈍らせているので、電力需要も減少するという事だろうと思われる。一方で生産と電力使用量にも強い相関関係がある。これまでのケースは経済変動要因による需要不足からの電力使用量減及び出荷減であり、今回のケースは電力の供給不足であることを考慮すると、出荷と電力使用量との間の相関をそのまま鵜呑みにすることは難しい(むしろ生産減少→出荷減少の波及効果を考慮)。一方で生産については生産設備を稼働するための電力、すなわち生産活動リソースとしての電力という観点からすれば、経済の需要不足(一定の生産は見込める)よりも電力の供給不足(電力が止まった場合生産は完全にストップする)の方が生産に与えるダメージは大きいのもと思われる。


例えば、東電の2010年8月の大口電力使用量は7352メガワットであり、全国が2377224668メガワットである(電気事業連合会「電力需要実績確報8月分」)から、全体の30.9%29.8%を占めている。仮に2011年8月の東電管轄の大口電力使用量が10%ダウンする(10%程度で済むかどうかは現時点で定かではない)ことになれば全体の大口電気使用量は昨年実績から単純に前年比で全国で3%程度の減となる。さらに関東地方の生産能力低下によるサプライチェーン懸念も再度浮上することになる。そして最も懸念すべきこととして、国内需要が停電の影響により消費等で落ち込むのであれば、さらに生産は下振れることも考慮しなければならないだろう。従って、今後夏場の電力供給がどのようになっていくのかについては生産活動及び消費活動全体に大きな影響を与えていく可能性があり、GDPを大きく押し下げることにもなりかねないので、電力供給については政策面を含めて注視していく必要があろうかと思われる。



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