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震災後の日本経済・マーケットを考える~貿易収支の動向 

震災後の日本経済については、昨日のエントリで示したように、様々な影響シナリオがある。不確実な要素は強いものの、貿易についても相当程度の影響が出るものと思われる。シナリオとしては貿易赤字への転落も想定される。その理由としては、(1)国内の生産設備への直接的な被害や電力不足から生産能力が低下する、(2)輸入は復興需要を中心に底堅く推移する、ということである。以下のグラフは国内の輸出入と貿易収支の推移(出所:財務省)。


Trade Balance 20110324.



■生産能力の低下


生産能力の低下については時間軸を定めることも必要であり、中期的に以下のようなシナリオが考えうる。

(1)短中期的:サプライチェーンへのダメージ、東北・関東地区の生産設備への直接的なダメージ
(2)中期的:電力供給不足



このようなことが考えられる。無論電力不足については3月においても同様であり、足元では(1)+(2)の状態で走っている。現状は生産設備が低下し、さらにインフラも停止していることから東北地方や関東地方の一部を中心に生産停止、出荷停止の状態となっている。しかし、鉄道網はしばらくの間時間がかかるものの、東北自動車道など高速道路網の復旧や被害が少なかったところから在庫を取り崩す形で出荷が回復する。しかし、被害が甚大であった生産拠点については、長期間出荷さえもままならない状態にもなっており、出荷量の回復はそれほど大きくは望めない。また、中期的な時間軸として、2011年Q2-Q3にも計画停電(もしくは総量規制・使用制限)が実施されれば電力不足も生産能力の低下を引き起こす。この点は昨日のエントリでも述べたように大口電力消費量がどの程度減少するかによって、生産及び出荷の動向に影響を与える(波及経路は電力供給不足→半ば強制的な生産の低下→在庫取り崩し→出荷の停滞)ということである。そしてどの時間軸であっても生産及び出荷が低下すれば輸出も当然減少する。生産及び出荷と輸出の関係について、1990年2月以降の時系列で相関係数(R)を取ると、


・生産指数と輸出の相関は0.536
・出荷指数と輸出の相関は0.907



・出荷指数と輸出の相関(出所:METI、MOF)


Shipment_Export 20110324.



ということになる。出荷と輸出の相関は極めて高い。従って、今後予想される輸出動向については出荷がどのようになるかがポイントとなる。単月の出荷指数と輸出額について1990年2月以降の時系列を用いて回帰分析を行ったところ、概ね以下のようになった。


105:6兆2000億円程度
100:5兆6000億円程度
95:5兆円程度
90:4兆7000億円程度
85:4兆円程度
80:3兆7000億円程度


但し、リーマンショック時には上記散布図において線形近似から大きく離れた。これはグローバル需要のシュリンクの速度が急激であり、出荷指数に対して輸出額が追いつかなかった可能性がある(出荷指数がやや先行)。
また、R2=0.8230であるため、それなりに誤差が生じる。また輸出額は季節要因にも左右されるので注意したい(特に対中輸出にその影響が見られる)。



従って、出荷指数がどのように推移していくかを予測することが輸出の動向についてもヒントを与える。夏場以降については東電管轄の大口電力消費量がどの程度減少していくかによって生産が決まり、在庫の状況に応じて出荷が決まる。


■輸入は底堅い


一方で輸入はどうか。それについて考える際には、国内の主要輸入品がどのようなシナリオから増減していくか考えていかなければならないと思われる。以下は国内の輸入品の構成である(出所:MOF「貿易収支統計」)。


Import 20110324.



そして以下は主要輸入品目について、現段階で考えられるシナリオである。なお、輸入サイドの時間軸は、(1)港湾設備復旧、(2)インフラ復旧・復興である。


Senario 20110325.



特徴としては、原油や食料品などの一次産品及び、国内製造工場の生産能力の低下から川上の素材などで輸入が増加するものと思われる。半面、製鉄所や精錬所などの生産能力の低下予測から鉄鉱石や非鉄金属鉱などは減少する可能性がある。また、製造業の川中(電子部品など)や個人消費に依拠する品目については減少が見込まれる。このことから、輸入ウエイトがもともと大きく、今後さらに拡大されると見込まれる原油、食料品、石油製品、石炭など一次産品価格が輸入価格に大きな影響を与えていくものと思われる。2008年8月から2009年1月まで貿易赤字になっているが、この時は世界的な経済のリセッションによる需要減とその直前の時期のコモディティ価格の高騰の余波の影響を受けている。今回も原油が100ドルを超えてきているレベルであることから、想定以上の輸入額となる可能性もある。このため輸入額そのものはコモディティ価格の影響を受けやすい。


このようなことから、現状においては出荷指数が大きく落ち込み、輸入も港湾設備への被害がある分を考慮すれば輸入・輸出ともに減少、その後港湾設備等のインフラが回復するに従って輸入が回復する・それでも生産・出荷はそれ程回復しないため、今後輸入超過の状態となるものと思われる。電力供給不足が長引けば、予想以上に輸入超過が長引く可能性もある。


お断り:現状示している考え方は、入手できる情報に基づいた現段階での見方です。特に原発事故の影響は依然として未知数であり、上記のような見解が大きく変わる可能性もあります。個人消費の動向については現段階で極めて不確実性が高いです。


【お詫び】出荷指数と輸出総額において、桁が間違っておりました。訂正してお詫び致します。


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カテゴリ: 市場視点

タグ: 震災後の日本経済・マーケットを考える    マクロ  日本 
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