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Global Market Weekly Focus 3.28-4.1 

先週のマーケットは不透明ながらもリスク選好型の相場展開だった。日本を除く各国の株式市場は概ね堅調に推移した。また外為市場においては週半ばまでユーロが金利先高感から買い進まれる展開となったが、ソブリンリスクが意識される展開となった。しかし、現状の世界経済及びマーケットのリスク要因である東日本大震災の影響やリビア情勢をはっきりと織り込んでいる段階ではないものと思われる。特に東日本大震災の影響は各国経済にとっても様々な影響を与えていくものと思われる。その要因としては、


(1)サプライチェーンの毀損の影響
(2)計画停電による中長期的な生産能力の低下
(3)GDP世界第3位である日本の消費の停滞



このようなことであろう。サプライチェーンの毀損の影響はすでに自動車業界で世界的に発生している。トヨタやGMの米国工場ではすでに部品の不足が発生しており、場合によっては操業停止に追い込まれることも十分考えられる。その際にレイオフなどで一時的な雇用調整も行われる可能性も考慮しなければならない。また、シリコンウエハーのようにもともと生産調整が行われてきた品目に関しては在庫不足気味であったが、さらに今回の震災によって日本シリコンウエハーメーカーが操業停止に追い込まれ、供給能力がダウンしてしまったことから一気に品不足の状態に陥っている。また、日本国内においても、例えば、三菱化学鹿島事業所が少なくとも2カ月以上の操業停止に追い込まれていることは、石化製品の供給不足を招く恐れがある。以下は鹿島地域における石化製品のサプライチェーン(出所:三菱化学鹿島事業所)。


Mitsubishi chemical Kashima supply chain 20110382



三菱化学では現状エチレンプラント2基が操業停止状態であるが、原料のナフサを調達したり、製品を出荷するバースにダメージを受けており、当面は化学製品の扇の要であるエチレンの供給不足に陥る可能性がある(供給能力は国内の1/4程度)。エチレンからポリエチレンを製造し、そこからビニールやフィルムなどの樹脂が製造されるので、かなり広い産業に影響が出る懸念がある(追記:在庫は豊富であるため供給体制には不安がないとの見方もある)。また北関東は自動車部品など、東北地方は電子部品などの有力サプライヤーが被害を受けているとの報告があり、サプライチェーンの毀損の影響は世界的にも広範囲に及ぶものとみられる。


計画停電による中長期的な生産能力の低下についてはこれまでもエントリで何度か取り上げており、中長期に渡って生産能力の低下が懸念されている。25日に東京電力が発表したところによれば、今夏の最大電力については1日あたり5500万キロワットを想定しており、供給量は4650万キロワットに留まることから、850万キロワットの電力供給不足が生じる(およそ15%程度)としている。このことから単純に昨年8月の大口電力使用量に当てはめれば全国で3.5%以上の電力不足となり、これに東北電力や九州電力(玄海原発の2・3号機の発電再開延期により夏場に電力不足が生じるとしている)などの電力不足が加わることから、生産をかなり押し下げるものとみられる。さらに世界第3位のGDPを有する日本の個人消費の落ち込みによる影響も懸念される。この国のGDPの6割弱は個人消費が寄与しており、特に一大消費地である首都圏では、東電福島第1原発事故による放射能漏れや計画停電の影響を受けることになる。日本の個人消費低迷の影響は国内企業には留まらない。WSJ "Japan: The Business Aftershocks"からであるが、例えばティファニーの収入のうち日本のセグメントは18%を占める。国内の宝飾品需要は相当押し下げられるものとみられ、同社の業績にも影響を及ぼすものとみられる。他にも高級ブランドやアパレル、飲食店、スーパー、食品、サービスなどで影響が出てくると思われる。現状はマクロ・トップダウンアプローチによる影響が意識されている(軽微であるとのニュアンスが多い)が、4月上旬から始まる米企業のQ1業績において日本の動向についてのアナウンスがあるものとみられ、ミクロ・ボトムアップアプローチによる影響の把握がなされるものと思われる。


このような状況の中で、今週は日本のマクロ指標が発表される。特に30日の2月鉱工業生産、31日の3月製造業PMI、1日の3月日銀短観が注目される。3月PMIは調査期間から震災後の製造業の景況感について最初に出される指標となるのではないかとみられており、製造業の景況感の落ち込み度合いについてどの程度なのかについて推し量る材料となるものとみられている。以下は日本製造業PMIの推移(出所:Markit)。


Markit JMMA PMI 20110328.



2月鉱工業生産においては、生産及び出荷は過去のデータとなるため、あまり参考にはならないとの見方が強く、予測指数についても4月のものを待つ必要がある。一方で在庫指数及び在庫率については注目しておく必要がある。今後、サプライチェーンの毀損や計画停電の影響により生産能力が大きく影響を受ける中で、在庫が供給能力のバッファになる可能性もある。今回の地震や原発事故による影響は供給サイドによるものであるため、生産能力にダメージが出ていることから、これまでの経済循環で多く見られた、


・需要不足→出荷の低下→在庫の積み上がり→生産の低下


という経路ではなく、


・電力などの供給不足→生産能力の低下→在庫の掃き出し→出荷の低下


という経路をたどるものと思われる。この場合企業の供給能力は在庫次第であろうと思われる。1月の在庫はエコポイントやエコカー減税など政策効果の反動から企業の在庫が積み上がり100.3となったが、2月はこれよりも増加しているかどうかが今後限られた供給能力のバッファとして意識されていくものと思われる。以下は鉱工業生産指数と在庫指数(出所:METI)。


IP 20110328.



日銀短観については3月11日がアンケート回収の基準日となっているが、実際には11日時点で回答の回収が進んでいるものとみられ、各種DIには震災の影響が織り込めていない可能性がある。そのため、大企業製造業DIについては足元で改善されているという予測がなされている。市場の予測としては、


・大企業製造業業況判断足元DI 7
・大企業非製造業業況判断足元DI 2
・2011年度設備投資 前年度比 +1.8%


となっている。


一方で海外においても注目のマクロ指標は多い。米国では1日の3月雇用統計、3月ISM製造業景気指数が注目されているほか、欧州では31日に3月消費者物価指数の発表がある。雇用統計について、市場予想は以下の通りとなっている。


・非農業部門雇用者数 +195K
・民間部門雇用者数 +222K
・失業率 8.9%
・時間あたり平均賃金 +0.2%(MoM)


このことから3月も米国の雇用は安定して増加していることが示されるものと思われる。雇用の堅調さが確認されれば、足元で一部浮上しているFedによるQE2の早期終了観測を強めるものとなる可能性がある。但し、失業率については、過去最低水準にある労働参加率が景気の回復により増加に転じる中で、労働人口増加幅以上の失業者減とならない限り容易には低下しないものと思われる。この点はどのタイミングで労働参加率が増加していくかが今年の米国の雇用を占う上でのポイントであり、それが上昇していく段階では失業率は低下しにくいので、失業率低下は一本調子とはいかない。ISM製造業景気指数については、景況指数は61.0と予想されており、前月から横ばいとなっている。また、リビア情勢とそれによる原油価格の高騰が意識されており、企業のインフレ期待を図る意味においても価格指数が注目を集めている。価格指数の予想は82.0となっており、2月と横ばいであるが、今後原油価格がさらに高騰していく段階では上昇基調をたどるものと思われる。その他の指標を含めて、今週の米国の経済指標は以下のように予測されている(出所:Bloomberg Survey)。


3/28 2月個人所得 +0.4%(MoM)
3/28 2月個人消費支出 +0.5%(MoM)
3/28 2月PCEデフレータ +1.6%(YoY) / コア +0.9%(YoY)
3/28 2月中古住宅成約指数 0.0%(MoM)
3/29 1月S&P/ケース・シラー住宅価格指数 -0.5%(MoM)
3/30 3月ADP民間雇用者数 +208K
3/31 新規失業保険申請件数 380K
3/31 3月シカゴPMI 69.0
3/31 2月製造業受注 +0.3%(MoM)
4/1 3月非農業部門雇用者数 +195K
4/1 3月民間部門雇用者数 +222K
4/1 3月失業率 8.9%
4/1 3月時間あたり平均賃金 +0.2%(MoM)
4/1 2月建設支出 0.0%(MoM)
4/1 3月ISM製造業受注 61.0



欧州においては3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)がポイントとなろう。2月の+2.4%に対して3月は+2.3%となり市場では小幅な鈍化が予測されている。しかし、ECBがターゲットとする2%を上回った状態が依然として継続する見込みであることから、4月7日に行われるECB理事会において利上げ観測を強める結果となるのかどうかに注目が集まっていくものと思われる。




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カテゴリ: 市場視点

タグ: マーケット  日本  震災後の日本経済・マーケットを考える  マクロ  米国  雇用統計  ECB 
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