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ECB理事会~利上げを決定 

先週のマーケットについて、ECB理事会が一つの重要なイベントとして意識されていた。4月7日のECB理事会においては、


Marginal lending facility 2.00 %
Main refinancing operations (fixed rate) 1.25 %
Deposit facility 0.50 %




となっており、それぞれの金利を25bpずつ引き上げた。上限金利と下限金利の間のコリドーは150bpとなっており、上限と政策金利との間も75bpのままである。上限と政策金利とのコリドーは通常1%なので、貸出ファシリティと政策金利との差についても今後どのように扱っていくかがポイントとなっていくのだろう。コリドー縮小であれば市中金利を政策金利に近づけやすくなるため、より引き締め効果が得られやすくなるが、一方でPIIGS中心とした銀行に対しては無制限オペを行っており(未だECB依存が強い)、ファンディングコストも増大していくという面で不安が残る。逆に下限の預金ファシリティの金利を据え置いた形でコリドーを拡大していくのであればPIIGSの銀行中心にファンディング圧力は少なくて済むが、引き締め効果も弱くなる。従って、今回はコリドーを据え置いたものの、今後はこの扱いについても十分注視していくべきであろうと思われる。


トリシェ総裁による記者会見冒頭でのステートメントは以下のようなものとなった(全文はECB "Introductory statement to the press conference"参照)。


Based on its regular economic and monetary analyses, the Governing Council decided to increase the key ECB interest rates by 25 basis points, after maintaining them unchanged for almost two years at historically low levels. The adjustment of the current very accommodative monetary policy stance is warranted in the light of upside risks to price stability that we have identified in our economic analysis. While our monetary analysis indicates that the underlying pace of monetary expansion is still moderate, monetary liquidity remains ample and may facilitate the accommodation of price pressures. All in all, it is essential that the recent price developments do not give rise to broad-based inflationary pressures over the medium term. Our decision will contribute to keeping inflation expectations in the euro area firmly anchored in line with our aim of maintaining inflation rates below, but close to, 2% over the medium term. Such anchoring is a prerequisite for monetary policy to contribute to economic growth in the euro area. At the same time, interest rates across the entire maturity spectrum remain low. Thus, the stance of monetary policy remains accommodative and thereby continues to lend considerable support to economic activity and job creation. Recent economic data confirm that the underlying momentum of economic activity continues to be positive, with uncertainty remaining elevated. We will continue to monitor very closely all developments with respect to upside risks to price stability.

通常の経済及び金融の分析に基づき、理事会はECBの政策金利について、過去最低のレベルの金利を2年間維持してきた後、25bp引き上げることを決めた。現状のとても緩和的な金融政策からの調節は、我々の経済分析において認められる物価の安定へのアップサイドリスクに照らし合わせれば、正当な理由であるといえる。我々の金融分析では、潜在的な金融の拡大のペースは緩慢であり、金融の流動性は十分であり、物価圧力の調節を容易にすることが出来る。すべてにおいて、極めて重要なことは、最近の物価の進展は中期的に渡り広範囲にインフレのプレッシャーを高めるものではないということだ。我々の決定は、ユーロエリアにおけるインフレ期待について、我々が目標としている、すなわち中期的に2%に近づくようなインフレ率よりも下に沿って、しっかりと固定させたままにすることに寄与するだろう。そのようなアンカーは、ユーロ圏の経済成長に寄与するために、金融政策にとって必要なものである。同時に全体の金利体系は低いままである。そのようなことから、金融政策のスタンスは緩和的なままであり、それゆえ経済活動や雇用創出を大きくサポートし続ける。最近の経済指標は堅調であり、経済活動の潜在的なモメンタムがポジティブであり続いているが、同時に不確実性も上昇している。我々は物価の安定のアップサイドリスクに対しての全ての進展について非常に緊密に監視し続けるだろう。




今回注目されていた、トリシェ総裁のキーコードは"monitor very closely"であった。このコードについては、利上げ決定直後に使われることが多い。追加利上げを行う際には、翌月の理事会で"strong vigilance"が出され、翌々月に行われることが多いとされている。以下は前回利上げサイクル時のトリシェ総裁のキーコードと政策金利の推移(出所:FT)。


ECB-language-and-refi-rate-evolution-RBS.jpg



また、"monitor closely"ではなかったことから、ハト派的な印象でもない。従って、5月には行われないものの、最短で6月に追加利上げを示唆しているのではないか、という見方が強まっている。


物価の見方については、以下の通りである。


With regard to price developments, euro area annual HICP inflation was 2.6% in March 2011, according to Eurostat’s flash estimate, after 2.4 % in February. The increase in inflation rates in early 2011 largely reflects higher commodity prices. Pressure stemming from the sharp increases in energy and food prices is also discernible in the earlier stages of the production process. It is of paramount importance that the rise in HICP inflation does not lead to second-round effects in price and wage-setting behaviour and thereby give rise to broad-based inflationary pressures over the medium term. Inflation expectations must remain firmly anchored in line with the Governing Council’s aim of maintaining inflation rates below, but close to, 2% over the medium term.

物価動向については、2011年3月のユーロ圏消費者物価(HICP)はユーロスタットの速報値では、2月の2.4%から、2.6%になっている。2011年の初頭のインフレ率の増大は、高いコモディティ価格を反映したものとなっている。エネルギーや食料価格の鋭角的な上昇から染み出ているインフレ圧力は、同時に生産プロセスの初期段階でも認められる。非常に重要なことは、HICPインフレ率というのは物価や賃金の設定行動といった二次的な効果を引き出してはおらず、それゆえ中期に渡って広範囲なインフレ圧力を生じさせている。インフレ期待はインフレ率以下で維持されている理事会の目標に沿って固定されていくはずであろう。


Risks to the medium-term outlook for price developments remain on the upside. They relate, in particular, to higher than assumed increases in energy prices, not least owing to ongoing political tensions in North Africa and the Middle East. More generally, strong economic growth in emerging markets, supported by ample liquidity at the global level, may further fuel commodity price rises. Moreover, increases in indirect taxes and administered prices may be greater than currently assumed, owing to the need for fiscal consolidation in the coming years. Finally, risks also relate to stronger than expected domestic price pressures in the context of the ongoing recovery in activity.

中期的な物価の進展の見通しにおけるリスクは、アップサイドなままである。特に、想定以上のエネルギー価格の高騰は、少なくとも進行中の北アフリカ・中東の政治的な緊張と関連している。より一般的には、エマージングマーケットの強い経済成長は、グローバルレベルでの十分な流動性にサポートされているが、さらなるコモディティ価格上昇を煽ることになるだろう。さらに、今後数年間における財政再建の必要性から、間接税や管理価格(政府によって管理された価格)の上昇は現状の想定よりも大きくなっている。最後に経済活動が回復しているにつれ、域内の価格上昇圧力が予測されていた以上に強い、といったリスクも存在している。




物価に対する見方については、アップサイドリスクを警戒している。物価押し上げの要因としては、


・中東情勢の緊迫化による原油の供給不安
・世界的に潤沢な流動性が指摘されている中での経済成長
・財政再建から間接税や管理価格(administered prices)が上昇している
・ユーロ圏の経済回復により物価が押し上げられていく



この4つの見方を示している。そしてその結果として、最終製品の物価や、賃金の上昇懸念をもたらす可能性があることから、現状極めて物価に対して警戒感を持っていることが分かる。現状ECBが先進国の利上げサイクルの先頭に立ち、BOEなども追随していく可能性もあるが、今年中の出口戦略の動向に意見が分かれているFedや東日本大震災の影響で緩和的な金融政策を当面継続せざるを得ないBOJとの間とのスタンスの温度差は今後ますます拡大していくものとみられる


但し、ECBでは(1)欧州圏の一部の金融市場の緊張が実体経済に波及する可能性、(2)地政学的な緊張がもたらすエネルギー価格の高騰、(3)グローバルレベルにおける保護主義的な圧力やグローバルインバランスの無秩序な修正の可能性、(4)東日本大震災と福島第1原発のユーロ圏への経済的な影響を経済のダウンサイドリスクとして捉えており、タカ派的なスタンスは維持されるが、同時にダウンサイドリスクの蓋然性が高まる場合には、政策判断を難しくさせていく可能性もある。



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カテゴリ: 市場視点

タグ: 金融政策  ECB  ユーロ  金利 
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