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S&Pが米国ソブリン格付け見通しを「ネガティブ」に変更~米国の資金循環構造と米国債の信認 

4月18日にS&Pが米国のソブリン信用格付け見通しを"安定的"から"negative"に引き下げた。以下はS&Pのステートメントである(出所:S&P)。


-- We have affirmed our 'AAA/A-1+' sovereign credit ratings on the United States of America.
我々は米国のソブリン信用格付けについて'AAA/A-1+'を確認した。

-- The economy of the U.S. is flexible and highly diversified, the country's effective monetary policies have supported output growth while containing inflationary pressures, and a consistent global preference for the U.S. dollar over all other currencies gives the country unique external liquidity.

米国経済は柔軟かつ高度に多様化しているが、国の効果的な金融政策はインフレ圧力を抑えつつ成長を支えている。そしてグローバルにおいて一貫して他のすべての通貨の中でのドルの位置づけは外部にユニークな流動性を与えている。


-- Because the U.S. has, relative to its 'AAA' peers, what we consider to be very large budget deficits and rising government indebtedness and the path to addressing these is not clear to us, we have revised our outlook on the long-term rating to negative from stable.

AAA格と比べて、米国は、我々が考えるところでは巨大な財政赤字及び政府債務を有しており、これらの対処について明確でないため、我々は長期的な格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に下方修正した。


-- We believe there is a material risk that U.S. policymakers might not reach an agreement on how to address medium- and long-term budgetary challenges by 2013; if an agreement is not reached and meaningful implementation is not begun by then, this would in our view render the U.S. fiscal profile meaningfully weaker than that of peer 'AAA' sovereigns.

我々は、米国の政治家が2013年までの中期及び長期的な予算の課題にどのように対処するのかについて、合意に達していないように思われる。もし、合意に達せず、意味のある実行が開始されないならば、米国の財政プロファイルにおける我々の見解はAAA格のソブリンと比較して相対的に弱いものとなるであろう。




現在オバマ政権は2013年に向けて財政支出や債務の圧縮にコミットしているが、議会でコンセンサスが取れるのかどうか、及び具体的な対処方法については未知数であり、これについてS&Pは格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に修正した要因であるとしている。以下は米国の連邦公的債務残高(出所:StLouisFed)。


Federal Government Debt 20110419.



これを受けての市場の反応は、米国債は一旦嫌気売りが出されたものの、株式市場などリスク性のあるアセットが大きく売られたことから買い戻され、ドルはギリシャの債務再編の思惑からユーロに嫌気売りが出されたことで相対的に買われた、という感じだろう。また、米国債の信認という問題は潜在的なリスク要因で、ダウングレードを受ければ国際金融市場への影響は計り知れないが、現状は見通しをネガティブに引き下げたという段階であり、米国債の安定消化の構造を揺るがすものではないと思われる


対内的に国債が安定消化出来る要件とは、


・貯蓄率の上昇
・民間資金需要及び貸出が低い



ということである。以下は米国の貯蓄率と商業銀行の貸出・リース残高の推移(出所:StLouisFed)。


Personal Saving rate 20110419.


Total loans and leases_20110419.


米国は経常赤字国であり、債務国なので、国内資金の95%に賄われている日本のJGBほど国債の消化については磐石とはいえないものの、貯蓄率が高水準にあり(銀行の債務増加)、なおかつ民間の資金需要が低く、貸出が増加していかないのであれば、資産に占める国債の割合は自然と増加していくことになり、これが米国債の安定消化要因となっている。以下のグラフは米国商業銀行の総投資額と財務省出資証券保有の推移(出所:StLouisFed)。


GovSec all com banks.



従って、金融危機以降、米国においてもJapanizationというべき資金循環構造を構築してきており、その結果、銀行のポートに占める米国債が増加してきており、米国債の安定消化が図られてきた。しかし、Fedでは上記のような資金循環ではデフレを引き起こす可能性があるため、QEを行って主に銀行から市場を通じて米国債を買い入れ、ポートフォリオリバランス効果を狙ってきている。その結果として、Fedは中国を抜いて米国債の最大保有者に至っている。昨年11月以降、米国の銀行の米国債保有残高は増加していないが、一方でFedのバランスシートにおける米国債はこの間拡大している。以下はFedによる米国長期債買い入れの推移(出所:Fed)。


Long Term Treasury Purchases.



このような資金循環から、米国債は安定的に消化されている。しかし、トリプルA格からダウングレードという話になればまた別であり、米国債を保有している海外勢の姿勢に変化が生じてくる可能性は高く、米国の金利上昇要因となるし、資金循環以上に信認の問題に直結する可能性がある。



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タグ: 米国  マーケット  米国債  金利  債券  Fed 
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