07« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»09

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

Global Market Weekly Focus 4.25-29 

先週のマーケットにおいては、ユーロ圏のソブリンリスクの動向に焦点が当たり、ギリシャの債務再編についての思惑が浮上していく中でユーロがやや荒い動きとなった。週末にはスペイン国債の入札が順調だったことを受けて買い戻しの動きとなり、1.45ドル台での引けとなっている。また、株式市場では、一部日本のサプライチェーン障害が警戒されたものの、インテルやアップルなど製造業の業績は堅調に推移していたことからそれを評価する買いが入る展開となった。債券市場ではS&Pが米国ソブリン格付けの見通しを「ネガティブ」としたものの、それ程大きく材料視されることなく推移していく展開となった。


今週は米FOMC、日銀金融政策決定会合、米1-3月GDPが特に注目を集めるものとみられている。


■FOMC


前回のFOMCでは中東情勢(MENA)の混乱による供給障害懸念から、原油価格が上昇している状況を踏まえて、これまでとは異なり、インフレに対する見方に変化が生じていた。デフレ懸念や、ディスインフレを警戒するといったものではなく、


The Committee expects these effects to be transitory, but it will pay close attention to the evolution of inflation and inflation expectations.

委員会はこれらの影響を一時的と予測しているが、インフレやインフレ期待の進展には緊密に注視していくつもりである。



という言及となっており、今後はインフレの進展に注視していくスタンスを明示した。そして現状においては、インフレに関しての認識はFed内部でも相違が見られており、執行部の意見集約は難航していくことが予想されている。特に解釈に相違が見られるのは、インフレ及び政策の方向である。インフレの解釈におけるタカ派の見解としては、リッチモンド連銀のラッカー総裁が以下のように述べている(Jeff Lacker "Economic Outlook, April 2011"より) 。


Businesses thus far have absorbed input price increases, presumably believing that competitors would not follow suit, which suggests that they believe that overall inflation will remain low. The responsibility of the Federal Open Market Committee (FOMC) is to validate these expectations by conducting monetary policy in such a way that inflation does not accelerate. That's not always an easy task at this point in a recovery. In the last cycle, the economy began to grow more rapidly at the end of 2003. Although energy prices showed growth spurts, unemployment had not yet begun to fall and the core inflation measure that excludes energy and food prices was still just 1-1/2 percent. As a result, many forecasters expected inflation to diminish, and the FOMC kept the funds rate at a very low level well into 2004. Instead of falling, overall inflation soon rose to 3 percent, where it stayed, on average, through the end of the expansion in 2007. Core inflation averaged 2-1/4 percent over that horizon. With hindsight, I think it is fair to say that policymakers overestimated the extent to which high unemployment would keep inflation from accelerating, and as a result, waited too long to withdraw monetary stimulus. Four years of 3 percent inflation may not have been the worst of all possible outcomes, but I do not consider it a success. I hope we do better this time. In particular, I believe we need to heed the lesson of the last recovery that inflation is capable of rising even if the level of economic activity has not returned to its pre-recession trend.

従って、ビジネスにおいては投入価格を吸収しており、おそらく競合他社が追随するものと信じているが、それは総合的なインフレが低いままであるということを信じていることを示唆するものである。FOMCの責任はインフレが加速しないような方法で金融政策を指揮していくことにより、それらのインフレ期待を有効にすることだ。最後のビジネスサイクルにおいて、2003年の終盤から経済は加速していった。原油価格は大きく上昇したが、失業率は低下し始めず、エネルギーや食料を除いたコアインフレの指標は1.5%程度だった。その結果、多くのフォーキャスターはインフレ率が減少すると予想しており、2004年に入ってもFF金利は非常に低いままであった。(しかし)失業率が低下していく代わりに、総合インフレ率はすぐに3%まで上昇し、平均で2007年に経済の拡大が終了するまでこの3%が平均となっていた。この間、コアインフレ率は2.25%の平均となっていた。今になって思えば、政策担当者の、ある程度高い失業率がインフレの加速を抑えるといった過信は、その結果として金融政策の緩和的状態の打ち切りが遅れてしまったと言っても過言ではない。3%のインフレ率の4年間は、結果として最悪ではなかったが、成功したと考えることはできない。現状はこれよりも良い行動を希望している。特に、私は、経済活動の水準がリセッション前のトレンドに戻らないとしても、インフレ率が上昇しうる前回の回復の教訓に耳を傾ける必要があると信じている。



このように述べており、2003-4年のエピソードを取り上げ、コアインフレ率は低いが、エネルギーや食料の価格が上昇し、それからややラグを置いてインフレ率が上昇していった教訓を抑えるべきであり、ビハインド・ザ・カーブへの警告を行っている。一方で、ハト派の見解として、イエレン副議長は以下のように述べている(Vice Chair Janet L. Yellen "Commodity Prices, the Economic Outlook, and Monetary Policy"より)。


I want to emphasize that this focus on core and other inflation measures that may exclude recent increases in the cost of gasoline and other household essentials is not intended to downplay the importance of these items in the cost of living or to lower the bar on the definition of price stability. The Federal Reserve aims to stabilize inflation across the entire basket of goods and services that households purchase, including energy and food. Rather, we pay attention to core inflation and similar measures because, in light of the volatility of food and energy prices, core inflation has been a better forecaster of overall inflation in the medium term than overall inflation itself has been over the past 25 years.

私が強調したいのは、ガソリンや他の家計の必需品のコストを除いたコア及び他のインフレ指標にフォーカスを当てることは、これらの生活のコストに掛かる品目を軽視すること、もしくは物価安定の定義のバーを下げるものではない。Fedは全体の、エネルギーや食料を含む、家計が購入する物やサービス全体のバスケットとしてのインフレ率を安定していくことが目的である。さらに我々がコアインフレや似たような指標に注意をはらうのは、食料やエネルギー価格の変動に照らし合わせて、コアインフレ率は、過去25年間にわたって、総合インフレ率そのものよりも、中期的なインフレ率の予測に適しているからである。


In my view, the marked decline in these trend measures of inflation since the intensification of the crisis largely reflects very low rates of resource utilization. Strong productivity gains have also played a role in holding down inflation because, together with low wage inflation, they have markedly restrained the rise in firms' production costs. With resource slack likely to diminish only gradually over the next few years, it seems reasonable to anticipate that underlying inflation will remain subdued for some time, provided that longer-term inflation expectations remain well contained.

私の見方では、危機が厳しくなって以降、これらのインフレ指標の傾向が減少しているのは、広範囲にわたってとても資源活用の水準の低さを反映している。強力な生産性もインフレ率を押し下げており、低い賃金インフレも組み合わさり、企業の生産コストの上昇を著しく抑制している。資源活用のスラック(緩み)は数年に渡って徐々に減少しているが、長期間のインフレ予測も十分に安定されていることで、潜在的なインフレ率がしばらくの間抑制し続けるという予測を理由付けるものである。


(中略)


In summary, the surge in commodity prices over the past year appears to be largely attributable to a combination of rising global demand and disruptions in global supply. These developments seem unlikely to have persistent effects on consumer inflation or to derail the economic recovery and hence do not, in my view, warrant any substantial shift in the stance of monetary policy. However, my colleagues and I are paying close attention to the evolution of inflation and inflation expectations, and we are prepared to act as needed to help ensure that inflation, over time, is at levels consistent with our statutory mandate.

まとめると、ここ数年のコモディティ価格の上昇はグローバルな需要とグローバルなサプライ障害が組み合わさって寄与しているように見える。これらの進展は、私の見方では、私の見方では、永続的に消費者物価に与える影響や、景気回復を頓挫させるものである可能性は低く、それゆえ金融政策のスタンスを実質的に転換するものではないと保証する。しかしながら、Fedメンバーや私はインフレやインフレ期待について緊密な注意を払っており、インフレがマンデートに一致するレベルへと促進させることが必要であれば、行動する準備はできている。



このようなことから、現状のコモディティ価格の上昇によるインフレ的な傾向は一時的であり、従来通り賃金は抑制され、資源活用のスラック(緩み)により、長期的なインフレ期待は安定しており、潜在的なインフレ率も抑制されるという主張を繰り返している。現状では、MENA情勢の緊迫化から商品市場が高騰している。以下はCRB商品指数の推移(出所:Bloomberg)。


CRB 20110425.


一方で2月のコアPCEデフレータは前年比+0.9%となっており、Fedが物価安定のマンデートに一致するレベル(1%台後半-2%)からは低い。以下PCEデフレータの推移(出所:StLouisFed)


PCE deflator 20110425.



今後コモディティ価格が上昇して、価格転嫁の進展が進み、長期間のインフレ期待が上昇するような状況になれば政策的な転換もありうるが、現状はまだ差し迫った状況ではなく、また失業率が依然として高止まりしていることを踏まえると、バーナンキ議長、イエレン副議長、NY連銀ダドリー総裁といった執行部(ハト派)の主張が通りやすい状況であるようにも思われる。従って、既定路線として、現状行っている6月末までの6000億ドルの追加の長期債保有及び償還再投資は引き続き行われるものとみられ、7月以降は経済やインフレの進展を緊密に監視しながら償還再投資によるバランスシートの維持(QE2')を行っていくものとみられる


経済見通しについては、ベージュブックなどから、(1)経済活動の拡大の継続、(2)労働市場の改善、(3)消費支出が依然として上向き、(4)商業用不動産は改善方向に修正余地・住宅は依然として下向き、といったことが示されるものと思われるが、MENAの緊迫化によるエネルギーをはじめとしたコモディティ価格の上昇というアップサイド要因と、東日本大震災によるサプライチェーン障害の影響といったダウンサイド要因を盛りこんでくる可能性は考慮すべきだろう。


また、今回のFOMCでは経済見通しが示される(時期は議事録公表時)。以下は1月に示された見通し(出所:Fed)。


tendency 20110425.
Range 20110425.


このうち、2011年のインフレ率については、現状のコモディティ価格の上昇の影響などを踏まえ上方修正するものとみられ、失業率は8%台にまで低下してきていることから下方修正、GDPに関しては2011年序盤にやや消費支出が抑えられたこと及び、2011年中盤以降に消費者信頼感の低下などからやや消費に陰りが出てくる可能性、さらにグローバルサプライチェーン障害による輸出の寄与が減少する可能性などから、下方修正される可能性がある。


なお、FOMC終了後、バーナンキ議長が記者会見を行う。発言等から今後の政策動向についてのヒントが出されるかどうか注目したい。


■日銀金融政策決定会合


4月4・5日に行われた日銀金融政策決定会合においては、「『被災地金融機関を支援するための資金供給オペレーション』の骨子素案」が示され、被災地金融機関を資金繰り面から支援するためのスキームが決められる。また、今後復興支援のための貸出制度(成長基盤強化策の拡大)が導入される可能性もあるものと思われる。包括緩和における基金の拡大に関しては見送られる公算が高い。その理由は以下の通りである。


国債買い入れの増額:(1)与野党の一部から復興の財源として国債直接引き受けの論議が出てきている以上、さらなる国債買い入れは財政マネタイゼーションへの思惑を市場に与えてしまいかねないリスクが存在する、(2)長期金利は現状安定推移しており、低下余地はあまり大きくない。(3)但し、供給障害以上に消費等の落ち込みにより需要が低下し、経済の下振れ要因として意識された場合は買い入れの余地がある。

社債・CP買い入れ(リスク性資産の買い入れ)増額:(1)現状のクレジットスプレッドは安定しており、基金の買い入れ枠の増額が直ぐに必要とされる状況ではない。(2)但し、今後東京電力がどのように処理され、信用市場に影響が及ぼされる場合は買い入れの余地がある。


また、展望リポートが発表されるが、以下のようなシナリオとなるのではないかと思われる。


2011年度のGDPは震災の影響における供給障害により生産が落ち込み、節電や消費マインドの大幅な後退はしばらくの間継続するものとみられることから、下方修正される可能性が強い。2012年は復興需要の本格化により、上方修正される可能性もあるが、消費動向は定まりきれない


国内企業物価指数は国際商品市場が高止まりしており、さらには国内の供給不足の影響からも大幅に上方修正されるものとみられる。


コアCPIについては、国際商品価格の高止まりの影響からガソリン価格などが足元で上昇していること、サプライチェーン障害の影響が消費者物価にも反映され、消費者にもインフレ期待が高まる可能性、さらには高校授業料無料化によるCPI押し下げ要因が剥落するといった上振れ要因、CPI基準改定や消費マインドの低下から需要サイドの押し下げ要因の両面を考慮すると、2011年は小幅プラスに浮上する可能性がある。


現況のサプライチェーン障害に関しては、西村審議委員が、「供給面の制約が直ちに解消するとは考えにくく、わが国経済は、当面、生産面を中心に下押し圧力が強い状況が続くとみざるをえません。もっとも、秋口以降を展望すれば、電力の需給逼迫が改善に向かうとともに、サプライチェーンの再構築も進む結果、供給面の制約が和らいでくることが予想されます。」と発言している(BOJ「最近の金融経済情勢と金融政策運営── 神奈川県金融経済懇談会における挨拶 ──」より)ことや、白川総裁もWSJで7月か8月には電力不足が再び悪化する可能性がある、として、サプライチェーンの問題は少なくとも8月まで続く、との見方を示した(WSJ「【インタビュー】今年前半はマイナス成長の見通し=白川日銀総裁」)ことにより、内部のコンセンサスとしては秋口までは続いていくとの見通しとなっている。このことから生産障害による影響により、2011年Q1及びQ2はマイナス成長といった見方をしている。おそらくは復興需要による経済の浮揚の時期は秋口以降との見方を示し、その後は景気回復へのパスをみているようである。しかし、消費マインドの低下の継続性はダウンサイドリスクでもあり、その点について展望リポートでどのような見解が出されるか注目される。


■米国マクロ指標


今週は、米国で1-3月GDP速報値など注目される指標が相次ぐ。特に1-3月のGDPについては個人消費の減速が予測されており、2011年のエコノミストのフォーキャストであった3.5-4%からは下方修正される可能性がある。以下は今週発表される米国のマクロ指標である(出所:Bloomberg Survey)。


4/25 3月新築住宅販売件数 280K
4/26 2月S&P/ケース・シラー住宅価格指数 -3.3%(YoY)
4/26 4月コンファレンスボード消費者信頼感指数 64.5
4/27 3月耐久財受注 +2.0M(MoM) / 除く輸送 +1.8%(MoM) / コア +3.4%(MoM)
4/28 1-3月GDP速報値 1.9%(QoQ)
4/28 1-3月個人消費支出 +2.1%(QoQ)
4/28 1-3月コアPCE価格指数 +1.3%(QoQ)
4/28 新規失業保険申請件数 395K
4/28 3月中古住宅仮契約指数 +1.7%(MoM)
4/29 3月個人所得 +0.4%(MoM)
4/29 3月個人消費支出 +0.5%(MoM)
4/29 3月コアPCEデフレータ +0.9%(YoY)
4/29 4月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値 70.0


このようなものとなっている。新規失業保険申請件数については2週連続で400Kを超えており、前週申請分も高止まりしている場合には5月初旬に発表される4月の雇用統計に対してネガティブな見方も台頭する可能性もあるため、注意しておきたい。



人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ



関連記事
スポンサーサイト

カテゴリ: 市場視点

タグ: マーケット  金融政策  Fed  FOMC  QE2  BOJ  金利  マクロ 
tb: 0   cm: 0

« "Ring of Fire" 2010  |  S&Pが米国ソブリン格付け見通しを「ネガティブ」に変更~米国の資金循環構造と米国債の信認 »

この記事に対するコメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://marketwatcher.blog61.fc2.com/tb.php/426-66770771
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。