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FOMC~QE2'(QE2.5)へ 

4月26-27日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、


・政策金利(FF金利)を0-0.25%に据え置く
・償還資金の再投資を行う
・6000億ドルの追加の債券購入を決め、今四半期末に終わらせる



上記事項について全会一致で決められた。


■声明文について


バランスシートを拡張させる追加の債券購入については今四半期末で終了する(will complete purchases of $600 billion of longer-term Treasury securities by the end of the current quarter)ことを明示したことで、6000億ドルを上回る追加の資産購入、いわゆるQE3の可能性については遠のいた印象が強い。但し、バランスシートを維持させるための償還再投資(=POMO)については7月以降も引き続き行われるものとみられる。


景気認識については、


the economic recovery is proceeding at a moderate pace
経済回復は緩やかなペースで進展している



としており、3月の"the economic recovery is on a firmer footing"(経済回復は強固な基盤の上にある)といった強気のトーンからは幾分トーンダウンしているようにもみえるが、この点についてはベージュブックで示されているように「緩やかな改善が続いている」という認識を踏襲したものとみられる。また、前回のFOMCではインフレの進展について注視していく姿勢をみせ、実質的にディスインフレからの脱却といった認識を持っているが、今回はさらに、


Inflation has picked up in recent months
物価はここ数カ月で上向きとなっている



というフレーズが追加され、長期的なインフレ期待は抑えられているとしながらも、インフレは着実に上向いていることを強調した格好となっている。この点においてもディスインフレ的な認識からは脱却しているのだろうし、もはやデフレ懸念といった認識は持っていないのだろう。


■議長会見


今回、Fedでは初の試みとなる議長会見が行われた。冒頭でFedによる経済見通しが公表され(通常は議事録公開時に公表)、以下のようになった。


Fed Project20110428.



2011年の成長率は1月に示された3.4-3.9%から下方修正され、3.1-3.3%となった。2011年の失業率は8.4-8.7%に上方修正(1月は8.8-9.0)、PCEデフレータは2.1-2.8%(1月は1.3-1.7)、コアPCEデフレータは1.3-1.6(1月は1.0-1.3)と上方修正された。PCEデフレータについては国際商品市況の高止まりなどを反映して大幅な上方修正となり、今後インフレに対する警戒感も浮上していくことになるし、またコアPCEデフレータの中央最大値が1.6%となっており、Fedのインフレ目標である長期見通し(1.7-2.0%)に予想以上に早く到達する可能性が浮上してきたことから、今後出口戦略の議論が高まる可能性もありうる。


そして質疑応答が行われた。


景気見通しについて:28日に発表されるQ1GDP速報値について、議長自身は、"The factors pushing it down "appear to be transitory"(Q1のGDP成長率は2%を切ってくるが)、GDPを押し下げる要因は一時的なようだ。と認識しており、1-3月はやや減速するものの、持続的な経済成長が継続するという見方を示した。


・緩和的な政策の解除について:いつ現状の緩和的な政策を見直すのか、"extended period"について、議長自身の定義とはどういったものか?と聞かれ、議長は"I don't know exactly"(正確にはわからない)として質問をかわす場面があったが、経済やインフレ、インフレ期待においてはスラック(緩み)が存在している状況とした。また"extended period"については、"a couple of meetings probably"とし、利上げを行う前に、2回程度の会合を挟むとした。また、7月にQE2が終了してもFedのバランスシートのサイズを維持するために償還再投資を行うだろうとしており、QE2'(QE2.5)を実施するという政策的なインプリケーションを行った


・ドル安について:現状のFedの政策はドル安誘導であり、米国人の生活水準を切り下げているのではないかとの質問については、強くかつ安定したドルは米国人の大きな関心事であり、グローバル経済の関心事であるとした。


・原油高について:"There's not much the Federal Reserve can do about gas prices"(Fedは、経済を痛めることなしに、エネルギー高について何もすることはできない)とし、"The Fed can't create more oil. We don't control the growth rates of emerging-market economies"(Fedは原油を作り出すことはできないし、エマージング市場経済の成長率をコントロールすることは不可能)としながらも、落ち着くだろうとする認識を示した。


・雇用について:雇用創出ペースは「かなり遅い」とし、持続的な雇用創出の必要性を示した。


・QE2の効果について:Fedが債券を買い付けることにより、その資金が株式やクレジット市場に向かい、株価が上昇し、クレジットスプレッドがタイトニングするといったポートフォリオリバランス効果を示した。金融市場が緩和され、ラグを置いて景気にも反映されるという従来通りの見方である。


・日本の震災の影響について(朝日新聞の記者が質問):"The effect on the U.S., however, will be "moderate" and "temporary."(米国に対する影響は「モデレート」であり「一時的」)であるとしており、それ程深刻には捉えてはいないようだ。


今回初となった議長会見であるが、無難な内容だったのではないかといえる。QE2についての効果については議会証言などで述べられているようなトランスミッションメカニズムを示し、インフレ動向については、経済及び資源活用のスラック(緩み)があることから長期のインフレ期待は安定し、インフレについても抑えられるとしており、従来通りハト派的な見解を行っているような印象である(記者も議長も会見慣れしていないからなのか、ECBトリシェ総裁会見のような緊迫感や駆け引きはなく、面白みに欠けるものではあった。特に記者の質問はアドリブではなく、事前に用意した質問原稿の棒読みという印象が強かった)。


■今後の政策動向について~QE2'と出口戦略


今後の政策動向については、議長自身がQE2'(QE2.5)を行う意向であると示したことから、6月に6000億ドルの追加の債券購入が完了したあとも、バランスシートを維持させる(BSの縮小は引き締めであるため)ために、当面の間、債券やMBSについての償還分を再投資に回すことになるものとみられる。また、声明文でも追加の債券購入は今四半期末で終了させることを明示していることから、さらなる追加購入(QE3)の可能性は一段と低くなっている。そこでポイントとなりそうなのが、7月以降の償還再投資において、債券を買い取る際の年限の扱いではないかと思われる。ちなみにQE1及び昨年の8月からの償還再投資、そして11月のQE2では買い入れのデュレーションを5-7年としており、割と長い年限の債券を購入してきた。


そして、ポストQE2の論議の方向性として、今後の出口戦略を踏まえるにあたり、バランスシートの縮小も焦点となるものとみられる。現状のFedのバランスシートを縮小させていくには、(1)債券の売り切り、(2)リバースレポ(現先売り)、(3)償還後再投資を行わない、という3つの選択肢がある。債券の売り切りについてはスピーディーなバランスシート正常化を図ることが出来るが、米国債最大の保有者であることからマーケットに与えるインパクトが大きく、大規模な売り切りは不可能である。また、リバースレポは所謂売りオペであるため、市中金利を大きく上昇させるリスクがある。償還後再投資を行わないという選択肢を取るのであれば、徐々にではあるが市場にインパクトを与えることなくバランスシートを縮小させることが出来るQE2'では償還再投資を行うが、その後の出口戦略を睨むにあたり、バランスシートを早期に縮小させたいのであれば、この期間の買い取る債券の年限は短いものとなる可能性がある。逆に、緩和のスタンスを出来るだけ長く継続したい意図があれば、バランスシートの縮小ペースを急がないということなので、そのような場合の買い入れ年限は現状と同じということも考えられよう。そういったポートフォリオの構成についても今後論議になってくるものと思われる。



・参考


Fedバランスシートの推移(出所:Cleveland Fed)


FedBalanceSheet 20110428.



FF金利先物のフォワードカーブ(出所:CME)

FFForword 20110428_.





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カテゴリ: 市場視点

タグ: 金融政策  Fed  FOMC  金利  QE2  ZIRP 
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