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Global Market Weekly Focus 5.16-20 

先週のマーケットはリスクアセットにおいて調整色が強い展開となっていた。4月までの相場で投機色を強めていた銀などが証拠金引き上げを受けて急落、原油なども非常にボラタイルな展開となった。また、ギリシャ問題の蒸し返しを契機にユーロも下落し、今月初旬のECB理事会の直前には1.50ドル台を目指す展開となっていたものが一気に急落する展開となり、1.41ドル台まで下落した。IMM投機筋(Non-Commercial)ポジションをみても、5月1週の9万9516枚のネットロングの状態から僅か1週間で3万8000枚程度のロングポジションの巻き戻しが入っている。以下はユーロドルの週足とIMM通貨先物投機筋のポジション推移(出所:CFTC)。


EURUSD 20110516.



今後もうしばらくはヘッジファンド等の決算に伴う換金売りのニーズが出されやすい展開が続くため、しばらくは調整色が残るマーケットとなるものとみられる。


また、マクロ的には中国が先日発表された物価指標を受け、インフレを抑制するために預金準備率を50bp引き上げ、大手銀行は21%と過去最高となっている。一段と資金吸収を行い貸出に抑制を掛ける方向で政策が取られている。米国においては個人消費に関する指標はガソリン代高騰の影響からやや伸び悩みをみせているものの、消費者信頼感は悪化しておらず、消費者マインドは堅調さをキープしている。一方で物価指標ではPPIがコアで2%を超え、CPIもコアで1.3%となってきており、徐々にではあるがインフレは上向きとなっている。以下はPPI-CPIスプレッド(出所:米商務省)


US CPI-PPI Spread 20110516.



このPPI-CPIスプレッドは川上の物価と最終物価との差であるが、現状高止まりしており、企業の価格転嫁はあまり進んでいないことが示されている。このことから企業の価格に対するマインドには注意が必要といえるだろう。しかし、足元の市況では原油(WTI)が100ドルを割れてきており、コストプッシュ圧力はやや軽減されつつある。


今週は19・20日に日銀金融政策決定会合が行われ、また海外では16日のバーナンキ議長講演と18日のFOMC議事録あたりが注目されていくものと思われる。


■日銀金融政策決定会合


4月28日の日銀金融政策決定会合では、政策金利である無担保コールO/Nレートを0-0.1%に据え置くことを全員一致で決めているが、西村副総裁から資産買入等の基金を5兆円程度増額し、45兆円程度とする議案が提出され、反対多数で否決された。また、展望リポートが示され、金融政策運営においては、(1)金融・決済機能を維持するため、被災地への現金の供給や日銀ネットをはじめとした主要決済システムの安定稼働確保に万全を期してきた、(2)震災直後の予備的な資金需要の高まりに対応して、金融市場の安定確保のため、市場における需要を十分満たす潤沢な資金供給を行ってきた、(3)企業マインドの悪化や金融市場におけるリスク回避姿勢の高まりが経済に悪影響を与えることを未然に防止するため、リスク性資産を中心に資産買入等の基金を5兆円程度増額し、金融緩和を一段と強化した、としている。これが震災後に行ってきた市場安定化のための施策であったが、今後についても「日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰するために、『包括的な金融緩和政策』を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援という3つの措置を通じて、中央銀行として最大限の貢献を粘り強く続けていく」としていることから、必要に応じて緩和政策の強化も選択肢として入れている。そして西村副総裁が異例となる副総裁提案を行い、基金を5兆円程度増額するように求めてきた。これに対して白川総裁は、記者会見で、


(問)西村委員から基金増額の提案があったということですが、総裁は、今回示された実質成長率の見通しなどを踏まえて、追加緩和の必要性についてどのようにお考えかご説明下さい。

(答)西村委員の意見については、詳しくは、今度公表される議事要旨で説明したいと思います。ご質問の趣旨は、本日の議論で残り8 名が、今回の展望レポートで示された成長率見通しやリスク判断を前提に、追加緩和の必要があると判断しなかった理由は何なのかということだと思います。改めて、震災発生以降、日本銀行が採ってきた対応を整理すると、経済活動の基盤となる決済・金融機能の維持に万全を期しているほか、市場の需要を十分満たす潤沢な資金供給を行い、金融市場の安定確保に努めています。こうした大きな震災の後の危機というべき状況においては、これは非常に大事なことです。また、震災直後の3 月14 日には、リスク性資産を中心とする資産買入等の基金の増額を決定し、金融緩和を一段と強化しました。これは、既にその時点において、実体経済が1 月の中間評価より下振れる可能性、あるいは不確実性が高まっていることを十分意識し、そうした可能性に早めに対応する観点から講じた措置です。金額も、今申し上げた趣旨から、いわゆるtoo little (少なすぎ)となることを避けるために、リスク性資産を中心に5 兆円という思い切った増額を行いました。現在は、そうした考え方のもとで増額した資産買入れを着実に進めながら、その効果波及を見守っていく段階にあると考えています。こうした措置に加えて、先程申し上げた通り、被災地金融機関に対する資金供給オペレーションも本日決定し、5 月中に実行したいと考えています。



このように述べており、西村副総裁の提案理由については5月25日発表の議事要旨を待つ必要があるが、現段階では3月に基金増額という形での追加緩和が実施され、現状その影響を見極める段階であるとしている。このことから今回の会合においても西村副総裁からの基金増額の提案がなされる可能性があるが、現段階では追加緩和に踏み込むというコンセンサスは出来ていないものと思われる。この点についてはさらなる意見集約が求められていくものと思われる。


経済情勢の点検においては、サプライチェーン障害の復旧が急ピッチに進んでおり、その復元はいくらか早まる可能性も出てきているが、一方で自動車産業などでは秋以降と見込んでおり、震災直後からすれば早期回復も視野に入ってきたが、それでもなお慎重に見ていくべきだろうといった判断がなされるものと思われる。また、夏場の電力不足については当初東電管内で、25%程度の電力使用制限が掛かるものとみられていたが、15%程度の節電要請に留まることはポジティブであるが、中部電力浜岡原発を停止する要請により、自動車生産を主軸にしている中電管内の電力供給能力について不安定でもあるため、この点では不確定要素が強いままとなっている。このことから生産活動についてはやや前向きな方向に進んでいるとはいえるが、フル生産体制にはまだ時間がかかるものとなろう。従って、日銀展望リポートでも示された秋口から回復基調をたどっていくというメインシナリオを変えるものではないと思われる。


金融市場においては、マネーマーケットでは潤沢な資金供給を背景に金利は安定して推移している。債券市場でも長期債は投資家の旺盛な需要から買い進まれており、金利は低位安定となっている。またリスクアセットについては株式市場も調整色が出ているものの落ち着いた動きとなっている。一方でクレジット市場については、社債スプレッドは震災直後からすればかなり安定して推移しているものの、東電の賠償スキームにおいて例えば銀行による債権放棄要請などが行われるような場合には信用市場が不安定になるリスクも孕んでいる。(もっとも、優先劣後からすれば通常であれば株主責任が先立つはずであり、仮に上場されたままで債権放棄を行う場合には債権者側から事業再生ADRの申請などといったルールがあるが、今回の政府要請はそういったルールから著しく逸脱している)。外国為替市場では円高が進行しており、5月5日に1ドルが80円割れとなったものの、一過性の動きであり、震災直後のように円資金不足が起こっているわけでもなく、その後はレンジ内の推移で安定している。今後ギリシャ問題等で外為マーケットが波乱となるようであれば追加緩和の要請も強まっていくが、現状はそこまで深刻にはなっていない


このような点からもマーケット対策としての追加緩和の要請は一部で出されるとしても、議論の大勢とはならないものとみられる


■FOMC議事録


前回のFOMCでは政策については全会一致で決められている。そして声明文で、


will complete purchases of $600 billion of longer-term Treasury securities by the end of the current quarter

6000億ドルの長期債購入は今四半期末で完了させる



としており、さらなるバランスシート拡張のための追加購入(QE3)を否定した格好となっている。そしてその後のバーナンキ議長の会見では、7月にQE2が終了した後、Fedのバランスシートのサイズを維持するために償還再投資を行うだろうとしており、QE2.5を実施するという政策的なインプリケーションを行っている。議事録においては、QE2が終了する6月以降の政策についても論議がなされているものと思われ、バーナンキ議長をはじめとしたハト派寄りの執行部は、保有している資産の償還によってバランスシートが縮小し、消極的な引き締め状態にしないためにバランスシートを一定に保つための償還再投資(QE2.5)に移行すべきであるとの主張がなされるものとみられる。そしてその後のインフレ等の状況を勘案しながら再投資を打ち切るといったロードマップが描かれていく可能性もある。一方では、以下のような主張もある。まずミネアポリス連銀コチャラコタ総裁は以下のように語っている(Minneapolis Fed "Some Contingent Planning for Monetary Policy"より)。


I arrive at my conclusion: if PCE core inflation rises to 1.5 percent over the course of 2011, the FOMC should raise the fed funds rate by around 50 basis points. Of course, a core inflation rate of 1.5 percent is still markedly below the Fed's price stability objective of 2 percent. Accordingly, an increase of 50 basis points in the fed funds rate would still leave the Fed in a highly accommodative stance. First, the fed funds rate would be extremely low?between 50 and 75 basis points. As well, the Fed's holdings of long-term assets would continue to provide significant accommodation.

私の結論からすれば、こうである。もしPCEコア価格指数が2011年に1.5%を超えて上昇するのであれば、FOMCはFF金利を50bp上昇させるべきである。もちろん1.5%のコアインフレ率はFedの物価の安定である2%の目標からすれば低いままである。従って、FF金利の50bpの利上げを行っても、強い緩和的なスタンスを維持させるものとなろう。まず、FF金利は50-75bpという非常に低い金利である。さらに、Fedが保有する長期資産保有は強い金融緩和を提供し続ける。

(中略)


Thus, under my baseline forecast, it would be desirable for the FOMC to raise the fed funds target interest rate by a modest amount toward the end of 2011. Of course, the FOMC could also reduce accommodation by shrinking the Fed's holdings of long-term government securities. Such a reduction could take place in one of two ways. First, the FOMC is currently investing any principal payments from its securities holdings into long-term Treasuries. The Committee could decide to stop all or part of these reinvestments. Alternatively, the Committee could reduce accommodation by choosing to sell some long-term assets.

従って、私のベースラインの予測では、FOMCは2011年の終わりにかけてFF金利を緩やかに引き上げていくのが望ましい。もちろん、FOMCはFedが保有している長期国債を減らすことによって緩和政策を弱めることができる。そのようなリダクションは次のいずれかの方法で行われる。第1に、FOMCは現在証券保有からの償還資金で長期債に投資をしている。委員会は買い入れをすべて停止させることを決めることが出来る。もうひとつは、代わりに委員会は長期債を売却することを選択して緩和的政策を弱めることも出来る。



としており、バランスシートを圧縮させるよりも年内に利上げを行うべきとしている。バランスシート圧縮についてはハト派の主張通り再投資の打ち切りといったニュアンスで、債券市場に配慮すべきとしている。さらに、フィラデルフィア連銀プロッサー総裁は以下のように述べている(Philadelphia Fed "A Perspective on the Economic Outlook"より)。


Any exit plan will use several policy tools, including raising interest rates, shrinking the balance sheet, and altering the composition and maturity of the assets we hold. Some exit strategies would start with raising interest rates; some would begin by shrinking the balance sheet; others would do both.

出口戦略はいくつかの政策ツールを使うことであり、それは利上げ、バランスシートの圧縮、資産構成の見直し、そして満期を迎えた証券については再投資を行わないこと、を含んでいる。いくらかの出口戦略は利上げを伴って始められる、もしくはいくらかはバランスシートの圧縮の開始であり、もしくはその両方である。

(中略)

As to when to begin exiting from accommodative policy, I will continue to look at the data on output and employment growth and on inflation and inflation expectations. Signs that inflation or inflation expectations are beginning to rise, or that growth rates are accelerating significantly would suggest that it is time to begin taking our foot off the accelerator and start heading for the exit ramp.

いつ緩和的な政策からの出口を開始するかということについては、私は生産や雇用の伸び、インフレやインフレ期待を見続けるつもりである。インフレやインフレ期待は上昇し始めており、もしくは伸び率が強く加速していることは、アクセルから足を外して、終了のランプの開始に向かい始めている。



としており、出口戦略は失業率が十分低下する前から実行するべきであると主張している。現状はインフレやインフレ期待が上昇し始めており、警戒をしているといった格好だろう。また、中銀の信認(Credibility)の観点から明示的なインフレ目標を定めることが望ましいとしている。このことから、今後の政策に関しては、


・7月以降も償還再投資を行い、Fedのバランスシートを6月末の状態に保つ(QE2.5)


それに対して、

・年内の利上げの開始
・年内にもバランスシート圧縮の開始(まずは償還再投資のストップ)



といった形で様々な意見が繰り広げられたものとみられる。QE2.5の終了時期についての議論も含めて、今後の政策の方向性についての論議には大きく注目されていくものと思われる。また、バーナンキ議長の講演においても今後の金融政策の動向について何らかのインプリケーションがあるのかが注目される。


■米国マクロ指標


今週の米国マクロ指標は以下の通りである(予測はBloomberg Surveyより)


5/16 5月NY連銀製造業景気指数 19.7
5/16 3月対米証券投資 +17.5BlnUSD
5/16 4月NAHB住宅市場指数 17
5/17 4月住宅着工件数 568K
5/17 同許可件数 587K
5/17 4月鉱工業生産 +0.4%(MoM)
5/17 同設備稼働率 77.6%
5/19 新規失業保険申請件数 420K
5/19 4月中古住宅販売件数 5.20M
5/19 4月コンファレンスボード景気先行指数 +0.1%(MoM)
5/19 5月フィラデルフィア連銀製造業景気指数 20.0


今週は鉱工業生産及び住宅指標が中心となる。4月に住宅市場はやや改善してきているが、この傾向が今後も持続的なものとなっていくことが出来るのかに焦点が当たっている。


その他では震災を受けての日本の1-3月GDP速報、イングランド銀行の5月のMPC議事録などが市場では注目されていくものと思われる。



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