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定点観測~米5月製造業業況  

6月1日に5月の米ISM製造業景気指数が発表された。以下はISM製造業景気指数の推移(出所:ISM)


ISM Mfg 20110602.



内訳(出所:ISM)


ISM Mfg Detail 20110602.



5月のISM製造業景気指数(PMI)は53.5となり、市場予想の57.7を大きく下回るものとなった。業況は好不況の分かれ目である50は上回っているものの、前月の60.4から比較すれば急低下となっており、足元での製造業の業況は失速していることが示唆されている。ISMでは14業種が伸びているとしており、非金属原材料、石油・石炭製品、機械、輸送機械、コンピュータ・電子製品、繊維、電気機器、家電・コンポーネント、金属、その他製造業、紙製品、化学製品、化学、プラスチック・ゴム製品、アパレル、ゴム製品、金属製品としている。一方で印刷業、家具製造、食品、飲料・タバコの4業種で縮小しているとしている。以下は購買担当者の回答である。


"Chemical prices are under increasing cost pressure, driven by feedstock and transportation costs." (Chemical Products)
化学製品の価格はコスト圧力が増大しているが、原料や輸送費用によってのものだ。(化学製品)


"Continued growth through beginning of second quarter, with strong backlog and outlook for at least the next three months." (Electrical Equipment, Appliances & Components)
第2四半期の始まり以降伸びは続いており、注文残高や次の3カ月の見通しは強い。(電気機器、アプリケーション・コンポーネンツ)

"Business levels remain strong - better than last year by 20+ percent, but not back to 2008 or early 2009 levels." (Fabricated Metal Products)
業況の水準に強さが残っており、前年比較では20%強くらい良い。しかし2008年や2009年の初頭のレベルには戻っていない。(金属製品)

"Demand remains strong; however, inflation is evident everywhere in virtually every material purchased." (Paper Products)
需要は強さが残っているが、インフレはほぼすべての原材料の価格で明らかになってきている。(紙製品)

"Bad weather is impacting retail business." (Printing & Related Support Activities)
悪天候が小売業にインパクトを与えている。(印刷業)

"Business is still strong, but we are more aware of a possible softening than previously." (Machinery)
業況は未だに強いが、おそらく現在よりも鈍化する可能性を認識している。(機械)



このような回答となっており、業況の強さは残っているとしながらも、先行き楽観的にみる購買担当者は減少している。ここでは東日本大震災によるサプライチェーン障害の影響は述べられていないが、恐らくその影響はかなり受けているものと思われる。またコスト上昇の影響や最終需要の減速なども製造業の業況に影響しているものと考えられる


新規受注は4月の61.7から51.0に減少している。これはサプライチェーン障害の影響もあるが、米国内および海外などの需要減なども響いてきているものとみられる。在庫指数は48.7となっており、前回の53.6から4.9ポイントの低下となっている。このことからISM製造業の先行指数である在庫/受注レシオは前月より上昇してきており、在庫以上に受注にブレーキが掛かってきていることから、受注と在庫のバランスが悪化してきている。今後はサプライチェーン障害の影響から在庫削減が進んでいくものと思われ、米国の4-6GDPにおける在庫変動もマイナスとなる可能性が示唆されている。また、サプライチェーン障害が起因して生産にも急ブレーキがかかってきている。以下のグラフはISM製造業先行指数(在庫/新規受注レシオ)と生産指数(出所:ISM)。


ISM leading indicator 20110602.



また、輸出も62.0から55.0に急低下していることを踏まえ、以下のようなことから、製造業の業況が急失速したと思われる(製造業の業況は2月にピークを打って4月まではモデレートな調整であったが5月に入って急減速している)。


・供給面:東日本大震災の影響によるサプライチェーン障害
・需要面:米国国内ではエネルギー価格などの上昇及び住宅価格の下落の影響から最終需要が減速している、また新興国経済は引き締め等の効果により循環的な減速局面に入っている



ということが出来るだろう。つまり、サプライチェーン障害だけであれば、現状日本では前倒し的に復元の動きとなっており、6月以降緩和されていく可能性があるが、米国内の消費マインドの減速や新興国経済の減速といった需要面のファクターについてはやや期間が長引くことも想定される。特に新興国においては、各国で金融引き締め等の効果が出てきていることに加え、中国では電力供給不足が深刻となっており(石炭価格上昇と長江渇水が要因)、この動向如何では中国の成長への懸念が高まることも想定される。価格指数は5月の85.5から76.5に低下し、コスト上昇圧力からは緩和されてきている。これは5月に入り原油相場などコモディティ市場が調整に入ったことが起因しているものと思われる。しかし、依然として高い水準であることには変わりはなく、投入コストの高止まり及び、消費マインドの低下により価格転嫁が効きづらくなることから、業況判断を押し下げている材料として意識されている


雇用指数は58.2となっており、4月の64.5からは低下してした。以下のグラフは雇用指数と製造工業雇用者数の推移(出所:ISM・米労働省)。


ISM Mfg Employment 20110602.


製造業の雇用は4ポイントほど低下しており、雇用拡大にもピークアウトがみられている。他の指数よりは減速の仕方が急ではないが、現状の業況に対して遅行性があるため、今後大きく減速を示すものになる可能性があることには留意が必要である。同じく1日に発表されたADP民間雇用者数は38K増加にとどまり、民間雇用に急ブレーキが掛かっている。中小企業では雇用が増加しているものの、先行性がある500人以上の企業で雇用削減となっている。また製造業の雇用が10K減少していることを踏まえると、東日本大震災によるサプライチェーン障害の影響から大規模製造業中心に生産調整を行っていることが示唆されている。これは4月以降の週間の新規失業保険申請件数でも示された通りの展開である。このことから、3日に発表される雇用統計に対する懸念も強まってきている。既にいくつかの調査機関がADP民間雇用者数を受けて非農業部門雇用者数の予測を下方リバイスしており、週初の予想であった185K増加には大きく届かない公算が高まっている。



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