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FOMC~QE3は示さず、当面様子見か 

6月21・22日に米連邦公開市場委員会が開催され、以下のような政策が決められた。


・FF金利の誘導目標を0-0.25%のレンジで据え置く
・6月末に6000億ドルの追加の国債買い入れを終了させる
・償還再投資を継続する



このことから7月以降はQE2.5、すなわちバランスシートを維持するために、MBSや長期債のうち償還されたものについてはその資金で再投資を行うことが決められた。


■声明文


景気認識については、景気の回復は緩やかであるが、予想している以上に緩やかであるとしており、前回の「緩やかなペースで進展している」という基調判断から下方修正している。この要因としては「一時的」なものであるとし、東日本大震災によるサプライチェーン障害や、商品価格高騰による購買力の低下や消費活動の減衰効果といったことが背景にあるとしている。家計消費や設備投資は引き続き拡大しているものの、非住居用の構造物投資(商業用不動産投資)は弱く、住宅市場は落ち込んでいるとの認識を示した。このことから、現状の経済認識については、一時的な要因による減速としていることから、ソフトパッチシナリオ(一時的な落ち込み)がメインであろうと思われる。労働市場については予想している以上に回復のペースが遅いとしている。議長会見でも"Painly slowly"(痛々しいくらい遅い)という言い回しを行っているほどである。


インフレについては上向きであり、その要因としてコモディティ高や輸入物価の上振れ、さらにはサプライチェーン障害の影響を取り上げている。サプライチェーン障害が物価に与えた影響については、先週に発表された米5月CPIをみても分かるとおり、日本の震災により新車及び中古車の供給が途絶え、価格が押し上げられているといったことを反映しているものとみられる。しかし、インフレについては長期的なインフレ期待が安定しており、エネルギー価格やその他の商品価格の上昇の影響が弱まるに連れデュアル・マンデートに一致するか、もしくはそれを下回る水準に収束するとしている。インフレについては商品価格がこれ以上上昇していかなければ、先行きはその影響が薄まるだろうとしているが、これは市場では商品が高くなるという期待については、市場において次第に価格を織り込んでしまい、商品の高止まりがインフレに与える影響が少なくなるだろうというロジックである。但し、インフレのアップサイドリスクについては注視していくことを明記している。


政策面については、上記のような決定がなされたが、


The Committee will regularly review the size and composition of its securities holdings and is prepared to adjust those holdings as appropriate.

委員会は定期的に証券保有のサイズと構成の見直しを行い、必要に応じてそれらの保有の調節を行うつもりである。



としていることから、必要が生じた段階では出口戦略を打ちだす用意があり、その戦略についてはSOMAの証券保有の規模及び構成を見直すこととしていることから、必要に応じて資産として保有している米国債のデュレーションを変化させる、もしくは規模を縮小させる用意があるといったインプリケーションを示しているように思われる(それは今すぐに、というわけではない)。


■経済見通し


経済見通しについては以下のようなものとなり、2011年の成長率は下方修正、インフレ率は上方修正、失業率は下方修正となった。


Fed Projection 20110623.

Fed Projection risk chart 20110623.


また2012-13年の成長率見通しは加速する見通しであるが、4月の段階からはモデレートなものとなっている。失業率も長期見通しは5.2-5.6%(NAIRUと考えられる)としながらも、前回予測よりも高止まりを予想している。一方で総合インフレ率については2013年にはデュアル・マンデートと一致する水準(1.7-2%)と一致するか、やや下回るものとしているが、2011-12年に掛けては上振れの可能性も示している。コアインフレ率についても2011-12年は上方修正されているが、2013年に渡るまでの期間についてそれ程大きな変動を予測しているものではなかった。


■議長会見


議長の会見において、注目すべき発言であったのは以下のようなものであろう。


・昨年の8月との違い


As of last August we were essentially missing significantly on both sides of our mandate, inflation was too low and falling and unemployment looked like it may be beginning to rise Fwen. In that case for monetary action was clear in my mind.

昨年の8月というのは我々は特にデュアルマンデートの両方のサイドにおいて極めてかけ離れており、インフレは低すぎるしかつ低下していく、そして失業率は再度増加し始めるのではないかと思われた。このような場合、金融政策の行動ははっきりとしていた。(しかし現状はそのデュアルマンデートに近づきつつある)



昨年の8月からすると、現状において、物価は明らかに上向きであることから、ディスインフレ及びデフレへの懸念は後退している。このことから現状では金融政策の行動はその8月時点に比べると「はっきりとはしていない」ということになり、QE3を現時点で行う用意がないことを示唆している。従って、QE3、すなわち追加の緩和政策を行うには、昨年の8月のようなデフレリスクが明確に浮上してこない限り実施するのは難しいといえる。


・明示的なインフレ目標について


So I don't think there is a barrier to setting a target, however, it is very important that, first, that we communicate to the public what we're doing, without sufficient explanation and background many might think we were somehow abandoning our employment target so we need to make sure it's well understood both by the public and by Congress that having a target would not mean that we were abandoning another leg of the dual mandate.

私は目標を設定することについて障壁はないと思うが、しかしながら、これはとても重要なことで、まず第一に、人々に対して我々が何をしているかについて対話をしていかなければならず、十分な説明や背景がないと、多くの人々は我々が雇用の目標を放棄してしまうのではないかと考えてしまうかもしれない。従って、我々は人々や議会に、インフレ目標がデュアルマンデートのもう一方(最大雇用の促進)を放棄するという意味ではないことを十分理解してもらう必要がある。



としている。今年に入り、明示的なインフレ目標の導入については今年に入って以降複数の連銀総裁が導入の検討を示唆しているが、議長自身の認識が示されたのはこれが恐らく初めてだろう。議長としては、インフレターゲットを導入することについては障壁がないことを認めているものの、直ちに行動することはなく、十分な対話を尽くさなくてはならないとしている。特に明示的なインフレターゲットを設定することが、最大雇用の促進というもうひとつの政策目標の放棄にならないようにしなければならない、としており、インフレターゲット政策を導入することで、物価を主とした政策運営になっていく可能性への警戒感も示しているように思われる


■政策面について~当面は「様子見」


政策については当面の間出口戦略へ傾斜することもなく、追加緩和の方向に傾斜するのでもなく、バランスシートを維持しながら、経済や物価の情勢を見極めるということになろうかと思われる。出口戦略へ傾斜できない理由とすれば、現状の景気が減速しているということもあるが、失業率が長期見通しの水準から大きく乖離しており、最大雇用の促進というマンデートからかけ離れている。一方でさらなる緩和政策に踏み出さないのは、コアインフレ率が既に1.5%に達していることから、インフレ傾向が上向きとなっており、追加緩和を支持する条件が整っていないからだろう。議長の言葉を借りれば現状は昨年の8月のように「デフレの脅威」があるわけではない。PIMCOのビル・グロス氏が以下のようなツイートを行って物議を醸しているが、それに対する議長の回答は現時点で"No Implication"のようにも思われる。


BillGross 20110623.


しかし、現在の物価上昇が一時的なもので収束し、住宅価格等資産デフレの影響によりインフレ期待が著しく低下するような状況となっていけば、将来的にQE3の可能性がゼロというわけでもないものとみられる。さらにギリシャ問題の趨勢によりハードランディングとなって金融市場が大混乱となってしまうようであれば緩和策への要請も強まるが、現時点ではサブシナリオのようにも思われる。


■参考


・Fedバランスシート(出所:Cleveland Fed)


FedBalanceSheet 20110623.



・POMOの推移(2011年11月以降・出所:NYFed)


POMO 20110623.



・FF金利先物のフォワードカーブ(出所:CME)


FFForword 2110623.




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タグ: Fed  FOMC  QE2  ZIRP  金融政策 
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2011/06/23 08:48

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