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バーナンキ議長議会証言~具体的な追加緩和策のツールに言及 

7月13日にFedバーナンキ議長は下院金融委員会で半期に一度となる金融政策報告の議会証言を行った。Testimonyはこちらを参照。


■景気認識


景気認識については要約すれば以下のようなものとなる。


米国経済は回復が続いているが、その拡大ペースは今年これまでのところ緩慢である。直近の、予想されていたよりも弱い経済パフォーマンスについてはいくつかの要因があるが一時的なものである。エネルギーや食料価格の上昇、東日本大震災によるサプライチェーン障害などであるが、コモディティ価格については安定してきており、自動車メーカーにおいては部品の不足が解消され、生産は増加するだろう。

FOMCでは次の四半期では景気は上向きになるとしており、2011年のGDPについては2.7-2.9%を予想、2012年については3.3-3.7%に加速すると予想している。FOMCの参加者は中期的に景気回復は強まっていくと予測している。2013年には成長率が3.5-4.2%になると予想している。個人消費の伸びはスローであり、住宅セクターの状況は弱まっている。また家計や小企業、そして連邦から地方に至るまで財政状況は厳しい。失業率は正常な水準にまで低下していくが、ゆっくりとしたものである。FOMCの参加者による失業率の予想は今年8.6-8.9%、2012年は7.8-8.2%、2013年は7.0-7.5%を予想している。最近の労働市場のデータは弱さが継続している、失業率は6月に9.2%に上昇。リセッション時には850万人の職が失われたが、現状は175万人しか増加していない。長期失業者(半年以上失業している)が失業者全体に占める割合は第二次世界大戦以降で最も高い。


総需要はスローダウンしている。家計支出の能力と意欲が今後数四半期の景気回復のペースの重要な決定要素である。実質可処分所得は2011年の最初の5カ月は所得税減税により押し上げられたが、ガソリン価格や他のコモディティ価格の上昇によって相殺されている。また住宅価格の下落が家計の資産を目減りさせ、消費者センチメントを圧迫している。一方で家計の債務は減ってきており、クレジットカードや自動車ローンの延滞率は著しく減少してきている。中期的には経済活動や雇用創出が上向きになり、価格プレッシャーが緩和され、実質家計所得や消費者信頼感、支出が強化されると予想されている。


住宅建設は低水準なままとなっている。モーゲージ金利は過去最低水準にあるが、モーゲージの信用獲得は制約されている。景気回復にとって輸出と企業投資に明るいスポットが当てられている。機器やソフトウェアの投資については第1四半期は堅調に伸び、最近のデータでもそのトレンドは続いていることが示唆されている。企業の利益は強化されており、資金調達は容易である。しかしながら、小企業にとって信用を獲得するのには制限がかかっている。


インフレについては今年これまでのところ上向きとなっている。2011年の最初の5カ月については、PEC(個人消費支出価格指数)は年率で4%を超えてきている。物価上昇の加速の主要因は石油や他のコモディティ価格、輸入品の価格が高くなっている結果である。また日本の震災の影響から新車の供給が部品不足から減少している。しかし、このようなインフレは一時的であり、FOMC参加者は次の数四半期で2%もしくはそれよりもやや低い水準に収束すると予測している。FOMC参加者は、PCE価格指数について2011年は2.3-2.5%を予測しており、2012年及び2013年には1.5-2.0%を予測している。インフレが緩やかになるとの予測の理由として、原油や他のコモディティ価格の安定化を含んでおり、現状ガソリンや食品価格が安定化してきている。さらに潜在的なスラックが労働市場や生産市場に残っており、賃金上昇や価格転嫁を難しくさせていることから、長期的なインフレ期待は安定している。



ここまでは前日に発表されたFOMC議事録で出されている景気認識とさほど変わりはない。2011年下期については燃料及び食料価格が落ち着くことで、家計所得や消費者信頼感が高まり、支出も強化されていくことで個人消費が上向きになるとしている。


■金融政策


一方で金融政策については踏み込んだ発言があった。これまでの金融政策の経過の説明を述べた後で、今後の金融政策について、さらなる緩和策と出口戦略について述べられている。


On the one hand, the possibility remains that the recent economic weakness may prove more persistent than expected and that deflationary risks might reemerge, implying a need for additional policy support. Even with the federal funds rate close to zero, we have a number of ways in which we could act to ease financial conditions further. One option would be to provide more explicit guidance about the period over which the federal funds rate and the balance sheet would remain at their current levels. Another approach would be to initiate more securities purchases or to increase the average maturity of our holdings. The Federal Reserve could also reduce the 25 basis point rate of interest it pays to banks on their reserves, thereby putting downward pressure on short-term rates more generally. Of course, our experience with these policies remains relatively limited, and employing them would entail potential risks and costs. However, prudent planning requires that we evaluate the efficacy of these and other potential alternatives for deploying additional stimulus if conditions warrant.

一方、最近の経済の弱さが予測している以上に長引き、またデフレへのリスクが再燃する可能性があれば、追加の政策的なサポートが必要となると示唆している。FF金利はゼロであるが、我々は金融の状況をさらに緩和させるための行動についていくつかの方法を有している。一つのオプションはFF金利やバランスシートについて現状の水準を維持する期間についての明示的なガイダンスを提供することである。他のアプローチとしては、さらに証券購入を始めることもしくは我々が保有している証券の平均残存期間を引き伸ばすことである。Fedは超過準備付利を引き下げることができ、それゆえ短期金利をより広範に引き下げることになる。もちろん、これらの政策を発動する可能性は相対的に限定されており、それらを採用することは潜在的なリスクとコストを伴うであろう。しかしながらプルーデントな計画は、もし必要であれば、我々がこれらの効果や追加刺激策にとって代替策を評価することを必要としている。




このような形で追加の緩和策について方法論を含めて踏み込んだ発言がなされた。追加緩和策のツールとしては、


(1)時間軸政策の強化
(2)追加の証券購入
(3)Fedが保有している証券のデュレーションの長期化
(4)超過準備付利の引き下げ



このようなものが提示されたといえる。時間軸政策の強化というのは、声明文の"for an extended period"(異例な期間)について、具体的に明示化していくことである。例えば「物価上昇率がX%になるまで」、もしくは(かつ)「失業率がX%になるまで」、「低金利とバランスシートの維持を行っていく」といった形になる可能性がある。つまり日銀が採用している現在の時間軸政策に近いイメージだろう。その場合、市場の期待形成に働きかける、すなわち、解除のハードルを高くすることにより、ゼロ金利もしくはバランスシート維持の長期化を市場に浸透させることで、一層の低金利を促すという効果が期待できる。この場合はバランスシートを拡大することなく緩和政策を強化できるので、比較的コンセンサスの形成が容易だろうと思われる。但し、時間軸政策の強化はマーケットの期待に働きかける政策であり、その反動のリスクは大きい。追加の証券購入については、6月でQE2としての6000億ドルの資産購入が終了したばかりであり、さらに数千億ドル規模の追加の資産購入について、早急にコンセンサスを得るのは難しいように思われる。デュレーションの長期化については、緩和政策の継続について市場の期待形成を図ることが出来るものの、出口戦略へのハードルを高めてしまうリスクもある。超過準備付利の引き下げについてはターム物金利のさらなる低下に働きかけることは出来る。しかし、超過準備付利といっても25bpしか利下げの余地はないので、効果としては限定的だろうと思われる。


一方で、出口戦略についても、"On the other hand, the economy could evolve in a way that would warrant a move toward less-accommodative policy"としており、経済状況如何によっては、緩和政策の解除に動くこともありうるとしている。出口戦略の方法論としては6月のFOMC議事録に書かれていることを踏襲した内容となっているので、7月13日のエントリ「FOMC議事録~QE3の議論も」を参照していただきたい。


結局のところ、現状でQE3についての可能性はデフレへのリスクが再燃するか、経済の弱さが予想以上であることが条件であり、現状のところデフレのリスクはそれ程高いとは言えず、追加緩和の可能性は決して大きいわけではないと思われる。出口戦略についても踏み込んだ発言をしていることから、現状では両睨みといったところを強調している。しかし、追加緩和の具体策について踏み込んでいることから、QE3への可能性が多少なりとも高まったことも否めない。現状デフレへのリスクはそれほど大きくはないといえるが、5月以降期待インフレ率が徐々に低下してきており、当局者も多少なりとも気には留めている可能性もある。以下は10年ブレークイーブンインフレ率の推移(出所:Bloomberg)。


BEI 20110714.



今後欧州債務問題やそれに伴い金融市場が混乱する、もしくは現状の景気の減速がソフトパッチではなく本格的なものであり、期待インフレ率が著しく低下するようであれば追加緩和という可能性は高くなっていくのではないかと思われる。


なお、14日もバーナンキ議長は上院銀行委員会で、議会証言を行う予定である。



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タグ: 金融政策  Fed  QE3  ZIRP 
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