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定点観測~米7月製造業業況 

8月1日に7月の米ISM製造業景気指数が発表された。以下はISM製造業指数の推移(出所:ISM)


ISM Mfg 20110801.



内訳

ISM Detail 20110802.



7月のISM製造業景気指数(PMI)は50.8となり、前月の55.3から大きく低下、市場予想の54.3を下回る結果となった。指数は2月以降低下してきており、米景気のピークはその時点だったものと思われ、それ以降は減速傾向を示している。また、好不況の分かれ目である50は上回っているものの、2009年7月の48.9以来の低さとなっている。ISMでは、紙製品、家具・関連製品、コンピュータ・電子製品、輸送用機器、木材製品、石油・石炭製品、印刷・印刷をサポートする産業、一時金属、金属製品、非金属鉱業のセクターで伸びているとしているものの、アパレル、革製品、プラスチック・ゴム製品、繊維、電気機器、家庭用電気機器、食品、飲料・タバコ、機械、化学製品といったセクターで業況が収縮しているとしている。以下は購買担当者の意見である。


"Inflation pressures have finally slowed down." (Chemical Products)
「インフレ圧力は最終的にスローダウンした」(化学製品)

"With products sold internationally, the business conditions we are currently experiencing are declining from abnormally [high] record-breaking levels. Business conditions are currently flattening to more normal volumes, while trending slightly downward." (Machinery)
「製品は世界で売れているが、業況について現状は高いレベルから落ちてきている。業況は現在横ばいであるが、一方トレンドは少し下落している」

"Market conditions - Europe weak, U.S. soft, Asia strong." (Computer & Electronic Products)
「マーケットの状況は欧州で弱く、米国で軟調で、アジアでは強い」


"Demand from automotive manufacturers continues to improve." (Fabricated Metal Products)
「自動車製造業者の需要は改善し続けている」

"Export sales very strong, while domestic sales are sluggish." (Paper Products)
「輸出はとても強い一方で、国内の販売は緩慢である」

"The looming debt ceiling has government agencies backing away from spending. Forecasting a slowdown in demand in the short term." (Transportation Equipment)
「連邦債務上限の接近は政府の支出を抑制してしまう。短期的な需要はスローダウンするという見通しである」

"Generally seeing a slowdown, which is typical this time of year. Hopeful that this is seasonal only." (Plastics & Rubber Products)
「総合的にスローダウンしているように思えるが、1年のこの時期では典型的なことだ。救いはこれが季節的なものであるということだ」

"Most industrial customers seem to be sustaining their business. Export orders continue to remain strong. Price pressures persist, especially with commodity materials." (Chemical Products)
「多くの産業の顧客はビジネスを維持しているようだ。輸出のオーダは強さが継続している。価格のプレッシャーは持続しており、特にコモディティ商品はそうだ」



このような回答となっており、2カ月前と比較すると業況がスローダウンしてきていることを認める見解が多くなってきている。連邦債務上限をめぐる問題に絡み、財政支出のカット懸念が業況に悪影響を与えていることも浮き彫りになっている。またインフレについても、高いコスト圧力が継続しているものの、緩和されてきているとの声もある。


新規受注は6月の51.6から49.2に低下した。50を割り込むのは2009年6月以来のことである。受注についても減少傾向がはっきりとしているが、50を割り込んだことから、現状の受注環境は厳しさが増してきていることが浮き彫りになっている。このことから、4-6月米GDPでも最終需要が1.1%の伸びでしかないことが示しているように、足元の米経済において需要は急速にブレーキが掛かってしまっている状況が裏付けられている。また、新規受注は景気の先行指標的な位置づけであり、それが50を割ってきていることから、7-9月以降の回復シナリオにも暗雲が漂ってきていることは否めない。また東日本大震災に起因するサプライチェーン障害については、前月の在庫指数が上昇したことから、回復が認められたものの、7月に再度低下していることから、復元ペースもそれほど速くないことも明らかになっている。このためISM指数の先行指標となる在庫/新規受注レシオは前月からやや良化している。以下のグラフはISM製造業先行指数(在庫/新規受注レシオ)と生産指数(出所:ISM)。


ISM Leading Indicator 20110802.


また、今回のISM指数で特徴的なのは、期待インフレの急低下である。価格指数については前月の68.0から59.0に低下してきている。この低下幅は2010年5-6月以来である。この間原燃料価格が低下してきていることから、購買担当者においても先行き価格の低下を見込んできている。投入コストの緩和は企業の利益マージンにとっては好ましいものといえる。しかし一方で価格に対する見通し、すなわち期待インフレが急低下してしまうと、先安観を見込んで買い控えが出てきてしまい、最終的に需要の低下につながる。現状59.0という水準からすれば、インフレ圧力の緩和となっているので、企業収益にはポジティブであるが、今後も急低下の基調が続くようであると後者のシナリオも出かねない。


雇用指数は6月の59.9から53.5に低下した。雇用指数は2月に64.5をつけたあと、低下基調が続いている。製造業(Manufacturing)の雇用増減についても2011年1月の5万3千人増をピークにしてそのモメンタムが低下してきており、5月には2千人の雇用減となっている。このことからISMの雇用指数と雇用統計における製造業雇用増減には連動性がある。7月は6月の59.9から急低下をみせていることから、足元の製造業の雇用環境は次第に停滞感がみられてきている。サプライチェーンの復旧で自動車メーカーなどは雇用を増やしている可能性もあるが、足元で米国や新興国で需要減の傾向が強まってきており、自動車以外の業種では雇用を削減する動きも出てきている。このため週末の雇用統計においても製造業の雇用についてはそれ程大きな期待は掛けられにくくなっている。以下のグラフは雇用指数と製造工業雇用者数の推移(出所:ISM・米労働省)。


ISM Employment 20110802.



最後に、1日前後に世界各国でPMIが発表されている。一般的な傾向として、先進国においても新興国においてもモメンタムの低下が顕著となってきている。以下は主要国の製造業PMI一覧(出所:Markit)。


PMI 20110802.


欧州や米国では景気の好不況の分かれ目であるところの50程度であるが、新興国は50を割り込んできている所が多い。新興国のほう低下傾向が強いのは、恐らく金融引き締めに対する効果により、需要が低下してきている可能性があるのではないかと思われる。一方で日本のPMIは東日本大震災後V字で回復してきており、世界のPMIでも上位にきている。リカバリが急速に進んでいることが示唆されているが、この先世界経済が減速感を強めていく中で日本においても業況の先行きについては楽観視は出来ないだろうと思われる。


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