05« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»07

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

ジャクソンホール・バーナンキ議長講演プレビュー~QE3は難しいか 

26日にバーナンキ議長の講演がワイオミング州ジャクソンホールで行われる。昨年の講演では、FOMCで償還資金を米国債に再投資する政策を実施しており、次の緩和策について焦点が集まった。ここでは追加の証券(長期債)購入、声明文のコミュニケーションの修正、超過準備の引き下げ、インフレターゲットについて言及があり、11月のFOMCでQE2として追加の証券購入の実施が決められた。この時は主に住宅価格の低下に伴いインフレ率が低下、デフレ懸念が強まっていた。また景気についても減速感が示唆されており、"unusual uncertainty"(異常なまでの不確実性)が存在しているという認識を示した。


今回の講演においても市場では何らかの政策のインプリケーションが行われるのではないかと見ている向きが多い。当時と現状を比較しても、株価はピークから下落しており、また景気も減速傾向にある。結果として昨年は一時的な減速に過ぎなかったが、今年はリセッションへの懸念が台頭し始めるなどしている。また金融市場の変動も昨年よりも大きく、緊張の度合いも増している。8月のFOMCでは景気を下支えすることを目的として低金利政策を2013年半ばまで継続することを「保証」しており、昨年の量的な緩和ではなく、質的な緩和を行っている。金利市場はこのFOMCの意図を汲み取り、イールドカーブがフラット化してきているが、株式市場などのリスク市場ではこのような時間軸政策ではなく資産購入といった量的な政策を求める声が根強い。


しかし、QE3についてはハードルが高い。QE2によって確かにインフレ期待が上昇し、デフレ懸念からは脱却し、資産上昇という効果は挙げられた。しかし、同時にトランスミッション・メカニズムとして、金融資産と化したコモディティ市場にも一部投資資金が流入し(ポートフォリオリバランス効果)、MENAの混乱を契機に原油価格が高騰し、あるいは世界的な供給懸念から農産品が高騰し、ガソリン代や食品価格の高騰を招いた。その結果、消費者信頼感は悪化し、消費者の購買力を失わせ、2011年Q2の個人消費が0.1%の伸びに留まってしまった。さらに現状、米国の7月CPIはコアで前年同月比1.8%の伸びとなっており、Fedのデュアル・マンデートにおける物価安定に即した水準であるともいえ、このような状況から現時点でさらにインフレ期待を高める政策を取ることは説明責任が非常に大きく、ハードルも高い。また、FOMCメンバーのコンセンサスも難しい。FOMCで投票権を有するダラス連銀フィッシャー総裁は、以下のように述べている(Connecting the Dots: Texas Employment Growth; a Dissenting Vote; and the Ugly Truthより)。


For those of you unfamiliar with the expression “Bernanke put,” or more generally, a “central bank put,” this term refers to the concept that a central bank will allow the stock market to rise significantly without tightening monetary policy, but will ease monetary policy whenever there is a stock market “correction.” Given the extent of the drop in the stock market leading up to and following Standard & Poor’s downgrade of U.S. debt, combined with the FOMC’s commitment to hold short-term rates near zero until mid-year 2013, some cynical observers might interpret such a policy action as a “Bernanke put.” My long-standing belief is that the Federal Reserve should never enact such asymmetric policies to protect stock market traders and investors.


(抄訳)「バーナンキプット」、もしくは一般的に「中央銀行プット」についてご存じない方のために説明すると、この言葉は、中央銀行が、株式市場が力強く上昇しても金融引き締めをすることなく、株式市場下落した場合に金融を緩和すること、という文脈を指す。株式市場の下落の程度、さらにS&Pの米国債引き下げも手伝って、FF金利を2013年の半ばまでゼロ近辺に据え置くというFOMCのコミットメントを組み合わせ、いく人かの冷笑的なオブザーバーはこのような政策行動を「バーナンキプット」と解釈しているようだ。私の長年の信念では、Fedは、株式市場のトレーダーや投資家を保護するために、そのような非対称的な政策を制定するべきではない。



すなわち、株式市場が下落すれば中央銀行は何らかの政策対応を行うのではないかとの期待感があるが、しかしフィッシャー総裁からすればそのような市場追随型の政策を行うべきではないとの見解を表明しており、そういった一部市場の期待に対して牽制を行っている。このことから、QE3などの政策が市場対策と受け止められるようであれば、反対意見の多さからも決定のプロセスは容易ではない。


しかし、バーナンキ議長は従来から景気重視の政策路線であり、今後もそういった政策手法を取っていくものと思われる。従って、今回のジャクソンホールの講演についても何らかの政策のインプリケーションは行われると見たほうが自然であろう。バーナンキ議長が政策のインプリケーションを行うにあたり、最も可能性の高いのが、Fed資産の構成変更、具体的にはデュレーションの長期化であり、続いて超過準備の金利の引き下げ、そしてQE3の順であろう。デュレーションの長期化というのは償還した資金でより長い債券を購入し、現状5-7年程度のデュレーションをさらに引き伸ばすことである。長期金利については、Fedの買入により直接的に操作するというのは難しい。しかし、デュレーションを長期化させることをコミットすることで、市場における長期的な金利予測をいくらかは低下させ、長期ゾーンのイールドの低下を促進させるという狙いがあるものと思われる。いわば時間軸政策の強化である


しかし、バーナンキ議長が緩和的な政策のインプリケーションを行ったとしても、今回の金融市場の緊張の大元は欧州にある。従って、欧州の金融状況が緩和されない限り、緊張は高いままであろうと思われる。



なお、上記の文章はメルマガ"金融市場Watch Weblog Plus 2011/8/22-26"の内容の一部を抜粋し、修正・補筆を加えたものです。



--------------------------------------------------------------
メルマガ「金融市場Watch Weblog Plus」のお知らせ

毎週月曜日に、各種マーケットについて、先週のフォロー及び今週の見通しと焦点について私なりの考え方をまとめてメルマガにてお伝えいたします。詳細はこちらを御覧ください。


人気ブログランキングへ ←皆さんの応援よろしくお願いします! 

 

 人気ブログランキングへ



関連記事
スポンサーサイト

カテゴリ: 市場視点

tb: 0   cm: 0

« バーナンキ議長ジャクソンホール講演~金利アプローチを模索か  |  米国潜在成長率の下方屈折~米国金利低下の一因? »

この記事に対するコメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://marketwatcher.blog61.fc2.com/tb.php/482-6c9babfb
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。