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雇用統計ポイント~家計調査はポジティブも事業者調査はネガティブ  

9月2日に米雇用統計が発表された。以下は各指標である。


非農業部門雇用者数 ±0千人
民間部門雇用者数 +17千人
失業率(U-3) 9.1%
週間平均労働時間 34.2h
平均時間あたり賃金 23.09ドル
U-6失業率 16.2%



以下は各指標の推移である(出所:米労働省)


(1)NFPとUnemployment Rate(非農業部門雇用者数(単位:K)と失業率)



Unemployment Rate 20110902.



(2)Private Payroll(民間雇用者数(単位:K))


Private Payroll 20110902.




(3)Wage = Average Hourly Earnings * Average Weekly Hours(週次あたり平均賃金=時間あたり賃金*週間平均労働時間)


Wage 20110902.




(4)Number Unemployed for 27 Weeks & over(27週以降の失業者数=長期失業者(単位:K))


Number Unemployed for 27 Weeks and over 20110902.



(5)Civilian Labor Force(労働人口(単位:K))


civilian labor force 20110902.



(6)Participation Rate(労働参加率(単位:%))


Participation Rate 20110902.



以下ポイント


■ESTABLISHMENT SURVEY(事業者調査)


非農業部門雇用者数の増減は変わらずとなった。市場予想が75千人の増加と見込まれていたことからネガティブサプライズとなった。6月は20千人増、7月は85千人増と下方修正された。雇用についての基調は、リセッション以降、今年の第1四半期に掛けてモメンタムが高まっていたが、次第に低下してきている。7月は東日本大震災におけるサプライチェーン障害の影響が緩和されたことから、製造業での雇用が一時的に持ち直したものの、8月は雇用増がゼロとなった。またハリケーン・アイリーンの影響は加味されてはおらず、おそらくは10月発表の雇用統計でリバイスされていくものとみられるため、今後の新規失業保険申請件数などの動向には注意が必要である。


・製造業は3千人の雇用減となった。建設が5千人減、鉱業が5千人増、製造工業は3千人減となっている。輸送用機器は0.9千人の増加であるが、自動車工業は2.8千人の減少となった。おそらくは7月に一時的に採用を見送っていた向きの反動増があったものの、8月に金融市場の混乱や世界的な景気減速感が意識されたことで、先行きの見通しに対して不確実性が高まったことから採用を再度見送っているという感じとして捉えられるだろう。今後、過度な見通し不安が後退すれば、次第に雇用も持ちなおしていくものとみられるが、依然として不確実性は高く、需要に対しても警戒が残ることからなお流動的となっていくものと思われる。


・非製造業は20千人の増加となった。内訳は、卸売が1.6千人増加、小売が7.8千人減少、運輸・倉庫が2.4千人減少、情報が48千人減少、金融が3千人増加、専門職は28千人増加(うち一時的補助職は4.7千人増加)、教育・福祉サービスが34千人増加となった。情報業については、通信(Telecommunications)が47.3千人減少していることから、おそらくはベライゾン・コミュニケーションズのストライキによる影響が出されたものと見られる。事業者調査において、ストライキに参加した人を雇用者としてカウントしなかった影響が出てきている。従って、非農業部門雇用者数増減を大きく押し下げたのはこの影響とみることも出来る。当然ストライキは終了しているので、9月には反動増がみられるものと思われる。


・政府部門は17千人の減少となった。内訳では、連邦政府が2千人減(うちUSポスタルサービスは3.1千人増加)、州政府は5千人増加、地方政府は20千人減少となっている。地方政府のうち、非教員は6.3千人の減少となっている。地方政府レベルでは財政難から2009年7月以降、2年以上も雇用減が継続している。以下のグラフは地方政府の雇用者数の推移である(出所:米労働省)


Local government 20110902.


・時間あたり賃金は23.09ドルとなり、前月から0.1%減となった。また週間あたり平均労働時間も34.2時間に減少したことから、週間あたり賃金は前月から3.34ドル減少の789.68ドルとなった。賃金減となったのは6月以来となる。継続的な賃金上昇がみられないことは、賃金インフレの傾向はなく、従って労働市場のスラックが大きいことを裏付けている。前年同月比でも2%の伸びを切ってきており、伸びが鈍化してきている。以下のグラフは前年同月比の時間あたり賃金の推移(出所:米労働省)。


Average hourly Earnings 20110902_1.



■HOUSEHOLD SURVEY(家計調査)


失業率は9.1%(9.093%)となり、前月から若干失業率が上昇した(ヘッドラインは横ばい)


Household survey 20110902.



失業率については、(1)失業者が36千人増加したものの、(2)労働人口が366千人増加したことから、わずかに上昇した。そして労働参加率は2010年4月以来はじめて0.1ポイント増加した。これまで労働参加率については就業の機会が乏しく労働市場から退出する、もしくは高齢化により、非労働力となる人が多かったので、一貫して低下してきたが、今回1年以上ぶりに労働参加率が上昇したことは米国の雇用情勢において前進であるといえ、ポジティブな評価である。また就業者(Employed)も331千人増加しており、これもポジティブであるといえる。今後継続的に労働参加率が上昇していけば、景気回復の裾野が拡大することになろう。今後景気回復が続き、仮に毎月0.1ポイント労働参加率が増加する(労働人口は24万人増加)のであれば、毎月24万人以上の雇用増がなければ失業率は低下しない


・長期失業者(27週以上失業している人)は151千人減少の6034千人となり、失業者全体に占める割合は42.86%となり、前月の44.4%から低下した。長期失業者については徐々にではあるが減少してきている。しかし、バーナンキ議長のジャクソンホールでの講演で、


Our economy is suffering today from an extraordinarily high level of long-term unemployment, with nearly half of the unemployed having been out of work for more than six months. Under these unusual circumstances, policies that promote a stronger recovery in the near term may serve longer-term objectives as well. In the short term, putting people back to work reduces the hardships inflicted by difficult economic times and helps ensure that our economy is producing at its full potential rather than leaving productive resources fallow. In the longer term, minimizing the duration of unemployment supports a healthy economy by avoiding some of the erosion of skills and loss of attachment to the labor force that is often associated with long-term unemployment.

我々の経済は、現在異常に高い水準の長期失業者の問題に直面している。失業者の半分近くは6カ月以上失業した状態となっている。このような異例な状況下で、政策担当者は短期的に力強い回復を促進することで、長期的な目標も果たしてほしい。短期的には、これらの人々を労働力に復していくことは困難な経済時期によって与えられた苦難を減らすことであり、生産資源を放置するよりも、我々の経済のポテンシャルをフルにすることを確保する。長期的には、失業期間の最小化は経済にとって健全であり、労働者のスキルの喪失や、労働力から外れることを防ぐ。



と述べていることから、米国の雇用における大きな問題として意識されている。バーナンキ議長によれば、この問題を解決するには金融政策だけでは不足であり財政的な政策にも期待を寄せている。8日にオバマ大統領の議会演説が行われるが、そういった場で雇用対策として、現政権がこのような問題についてどのような解決策を打ち出せるかどうかがポイントとなっていくものとみられる。


■8月雇用統計の評価とFedの動向


8月の雇用統計については、タイトル通り事業者調査はネガティブなものであり、家計調査はポジティブなものであった。もう一度ポジティブな点とネガティブな点に分けて整理すると、


ポジティブファクター:労働参加率が上昇した、長期失業者が減少した、(家計調査における)就業者が増加した
ネガティブファクター:非農業部門雇用者数増減がゼロだった、賃金が低下した、週間の平均労働時間が減少した


ということである。8月の非農業部門雇用者数についてはハリケーン・アイリーンの影響を加味しておらず、10月に発表される雇用統計でリバイスされる可能性がある。一方でベライゾンのストライキの影響が消えることから9月の非農業部門雇用者数はその反動増の可能性もある。但し、製造業の雇用が減っていたことは雇用情勢が弱くなっていることを示すものであり、今後世界経済の動向や足元の需要動向を踏まえるとさらにネガティブに作用ことも想定できる。また家計調査では2010年4月以来はじめて労働参加率が上昇したことはポジティブであるが、今後その継続性が問われることとなる。


Fedの動向からすれば、この雇用統計は追加の緩和策を行う上ではフォローとなるものとみられる。様々な要因こそあれ、非農業部門雇用者数増減のヘッドラインの数字がゼロだったことはそれなりに重い意味を持つ。さらに賃金も低下している。2007年7月に、サブプライムローン問題で金融市場が動揺を見せる中で非農業部門雇用者数がマイナスに転じ、早期の政策発動(ディスカウント・ウィンドウの引き下げ→利下げ)に打って出ているように、現執行部にとってこの数字の意味は重いように思われる。従って9月のFOMCではハト派メンバーや執行部が何らかの緩和策を打ち出してくることは既定路線となりつつある。しかし、バーナンキ議長は、例えば長期失業者の問題について、ジャクソンホールで上記のように語っているように、金融政策では不十分であり財政面からのサポートも必要であるという認識を持っている。従って8日のオバマ大統領の議会演説などでどのような雇用対策を打ち出せるかがポイントとなってくるといえる。



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