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ECB理事会~流動性供給を強化 

10月6日にECB理事会が開催され、以下の政策が決められた。


・12カ月のLTRO(長期リファイナンスオペ/固定金利・フルアロットメント方式)の導入
・400億ユーロの新しいカバード・ボンド購入プログラム(CBPP2)の導入



政策金利であるリファイナンス金利は1.5%に据え置かれ、金利コリドーも現状維持となった。以下はトリシェ総裁会見の冒頭部分である(全文は"Jean-Claude Trichet, President of the ECB, Vitor Constancio, Vice-President of the ECB, Berlin, 6 October 2011"参照)。


Based on its regular economic and monetary analyses, the Governing Council decided to keep the key ECB interest rates unchanged. Inflation has remained elevated and incoming information has confirmed our view that inflation is likely to stay above 2% over the months ahead but to decline thereafter. At the same time, the underlying pace of monetary expansion continues to be moderate. Ongoing tensions in financial markets and unfavourable effects on financing conditions are likely to dampen the pace of economic growth in the euro area in the second half of this year. The economic outlook remains subject to particularly high uncertainty and intensified downside risks. At the same time, short-term interest rates remain low. It remains essential for monetary policy to maintain price stability over the medium term, thereby ensuring a firm anchoring of inflation expectations in the euro area in line with our aim of maintaining inflation rates below, but close to, 2% over the medium term. Such anchoring is a prerequisite for monetary policy to make its contribution towards supporting economic growth and job creation in the euro area. A very thorough analysis of all incoming data and developments over the period ahead is warranted.

通常の経済及び金融分析に基づき、理事会はECBの政策金利を据え置くことを決めた。インフレは高止まりしており、入手できる情報では、インフレは今後数カ月にわたり2%を上回るが、その後低下するだろうという我々の見解を確認した。同時に、金融の拡大の基本的なペースは緩やかである。金融市場は緊張が継続し、金融状況の好ましくない効果は今年の第2四半期におけるユーロ圏の成長のペースを軟化させた可能性がある。経済見通しは特に不確実であり、ダウンサイドリスクが激化している。同時に、短期金利は低いままである。中期的な物価安定を維持するための金融政策は重要であり続け、それゆえユーロ圏ではインフレ期待が維持すべき目的であるインフレ率を下回っているが、中期的には2%に近づくところでしっかりと固定されている。そのような(インフレ期待)の固定は金融政策にとって、ユーロ圏における経済成長や雇用創出のサポートを貢献するための前提条件である。先行き、入手できるデータや進展の徹底的な分析が正当化される。



そして、期間12カ月のLTROを2回行うことを決め、10月12日と12月13日に実施されることが決まった。また必要に応じて、固定金利でのMROオペを今後6カ月間行うこととした。また来年1月から6月まで、3カ月のLTROを行なっていくことも決められた。そしてカバードボンド購入プログラムの導入(CBPP2)であるが、概要は以下の通りとなっている。


The purchases will be for an intended amount of EUR 40 billion.
購入は400億ユーロを目標とする。

The purchases will have the capacity to be conducted in the primary and secondary markets and will be carried out by means of direct purchases.
購入はプライマリー及びセカンダリーマーケット実施することが出来、直接購入の手段によって行われる。

The purchases will start in November 2011 and are expected to be fully implemented by the end of October 2012.
購入は2011年11月から始まり、2012年10月末に完全に終了することを予測している。


Further details on the modalities of CBPP2 will be announced after the Governing Council meeting of 3 November 2011.
CBPP2のあり方についてさらなる詳細は2011年11月3日のECB理事会の後に告知される。



但し、政策金利については、いわゆる標準的な政策(standard measures)はコンセンサスを必要とすること、そして現時点で利下げというコンセンサスが出来ていないことから見送られた。コリドーについても同じことであろうと思われる。ここでECBの政策についてまとめると、以下のようになる。


(1)金融機関の流動性に主眼をおいた政策(non-standard measures):カバードボンド購入、長期間の流動性供給オペ
(2)金融市場の安定に主眼をおいた政策:SMP(証券市場プログラム)
(3)通常の金融政策:金利・金利体系の調節(standard measures)



(1)については、銀行が発行するカバード・ボンド(資産の裏付けがある債券)を購入することや、無論長期のターム物オペは銀行の流動性供給を目的としたものである。金融市場の緊張が激しさを増していく中で、信用不安から資金を十分に市場から取ることができない銀行に対し、ECBがレンダーオブラストリゾート(LLR/最後の貸し手)の役割を果たす目的で行われている。(2)については、(1)の延長ではあるが、周縁国の国債の金利が高騰すると、それらのエクスポージャを多く抱える銀行にとって資産の劣化への懸念が増す。このことから、セカンダリーで周縁国の国債を買い入れることで、信用緩和的な効果を目的としている。一方、金利の調節を含む(3)の通常の金融政策は、あくまでも物価安定のマンデートの文脈で行われること、そしてコンセンサスを必要とする。今回、利下げについても協議されたが、ユーロ圏消費者物価(HICP)が3%という水準において緩和的な政策に舵を切ることについては、コンセンサスが得られなかったということであろう。トリシェ総裁も述べているように、物価が低下していくというコンセンサスが得られなければ、利下げは行われないものと思われる。従って、今後年末にかけてHICPが2%に近づく方向で低下していくかが利下げにとってのハードルとなろう。以下はHICPの推移である(出所:Eurostat)。


EU HICP 20111007.



経済・物価見通しについては、以下のようになっている。


Let me now explain our assessment in greater detail, starting with the economic analysis. Real GDP growth in the euro area, after slowing in the second quarter of 2011 to 0.2% quarter on quarter, is now expected to be very moderate in the second half of this year. In particular, a number of factors seem to be dampening the underlying growth momentum in the euro area, including a moderation in the pace of global demand, falling consumer and business confidence, and unfavourable effects on financing conditions resulting from ongoing tensions in a number of euro area sovereign debt markets. At the same time, we continue to expect euro area economic activity to benefit from continued positive growth in the emerging market economies as well as from the low short-term interest rates and the various measures taken to support the functioning of the financial sector.

我々の評価のより細かい詳細について説明しよう。まずは経済分析から。ユーロ圏における実質GDP成長率は2011年第2四半期は0.2%に減速し、今年の後半もとても緩やかなものであると予想している。特に、ユーロ圏において、成長のモメンタムを低下させているとみられるいくつかの要因があり、グローバルな需要のペースの低下、消費者及び企業の信頼感の低下、ユーロ圏のいくつかの国債市場の緊張の継続の結果金融の状況における好ましくない影響を含んでいる。同時に、我々はユーロ圏の経済活動はエマージング・マーケット経済のポジティブな成長と同時に、金利は低く、金融セクターにおける資金調達のサポートのためにいくつかの施策が打たれていることの恩恵を受ける。


In the Governing Council’s assessment, the risks to the economic outlook for the euro area remain on the downside in an environment of particularly high uncertainty. Downside risks notably relate to the ongoing tensions in some segments of the financial markets in the euro area and at the global level, as well as to the potential for these pressures to further spill over into the euro area real economy. They also relate to the still high energy prices, protectionist pressures and the possibility of a disorderly correction of global imbalances.

理事会の評価において、ユーロ圏の経済見通しのリスクは、特に高い不確実性の環境において、ダウンサイドに傾いたままである。ダウンサイドリスクは特に金融市場の幾つかのセグメントにおいて緊張が続いていることだけでなく、潜在的にユーロ圏においてそれらのプレッシャーが実体経済にスピルオーバーすることに関連している。未だに高いエネルギー価格や保護主義圧力、そしてグローバルインバランスの無秩序な修正の可能性も関連している。


With regard to price developments, euro area annual HICP inflation was 3.0% in September 2011, according to Eurostat’s flash estimate, after 2.5% in August. Inflation rates have been at elevated levels since the end of last year, mainly driven by higher energy and other commodity prices. Looking ahead, inflation rates are likely to stay clearly above 2% over the coming months but to decline thereafter. This pattern reflects the expectation of relatively stable wage growth developments in the context of moderate economic growth.

物価の動向においては、ユーロ圏のHICPインフレ率は2011年9月に3%となった。インフレ率は昨年の終わりから高止まりした水準であり、主に高いエネルギーやコモディティ価格によって引き起こされている。先行きについては、インフレ率は今後数カ月にわたり2%を明確に上回って推移し、その後低下する。このパターンでは、緩慢な経済成という文脈において相対的に安定した賃金の伸びの進展の予測を反映している。


The Governing Council continues to view the risks to the medium-term outlook for price developments as broadly balanced. On the upside, the main risks relate to the possibility of increases in indirect taxes and administered prices, owing to the need for fiscal consolidation in the coming years. The main downside risks relate to the impact of weaker than expected growth in the euro area and globally.

理事会は中期的な物価進展の見通しのリスクは広範囲でバランスがとれていると見続けている。アップサイドでは、今後数年で財政改革の必要性に起因した、間接税や投入価格の引き上げの可能性に関連している。主なダウンサイドリスクはユーロ圏やグローバルにおける成長が予測されたものよりも弱いというインパクトに関連している。



このようなものとなっており、経済においてはダウンサイドリスクに傾き、インフレ見通しは前月と同じく、バランスがとれているとの見方を踏襲している。しかし、インフレ見通しにおいては、前回までコモディティ価格の上昇の影響をアップサイド要因として認識していたが、今回はそれについて言及しなかった。このことを踏まえると、商品高によるインフレリスクは軽減されたということを示唆しているようにも思われる。また、9月のHICPの上振れの要因としてはユーロ安が背景にあるとみられているが、今後もこの傾向が続いていけばアップサイド要因にもなりかねない。以下はECBトリシェ総裁発言のうち、中期的なインフレのリスク見通しとトリシェコード、政策金利の推移である(出所:ECB)。


Trichet Code 20111007.



なお、今回はトリシェコードに関する言及は行われなかった。これまで極めて「緊密に監視していく(monitor very closely)」としていたが、今回はそのような文言は述べられなかった。このことから、今後の金融政策において、利上げという可能性はほぼなくなりつつある。一方で、利下げについては議論されているものの、コンセンサスを得るには、大幅な域内経済の悪化やインフレ率が2%に近づくという見通しが立つことが重要となってくるものと思われる。


今回で任期満了になることから、トリシェ総裁の会見もこれで終了し、来月からはマリオ・ドラギ氏が会見を行うことになっている。






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