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雇用統計ポイント~全体的にポジティブな印象 

10月6日に米雇用統計が発表された。以下は各指標である。


非農業部門雇用者数 +103千人
民間部門雇用者数 +137千人
失業率(U-3) 9.1%
週間平均労働時間 34.3h
平均時間あたり賃金 23.12ドル
U-6失業率 16.5%



以下は各指標の推移である(出所:米労働省)


(1)NFPとUnemployment Rate(非農業部門雇用者数(単位:K)と失業率)


Unemployment rate 20111007.


(2)Private Payroll(民間雇用者数(単位:K))


Private Payroll 20111007.


(3)Wage = Average Hourly Earnings * Average Weekly Hours(週次あたり平均賃金=時間あたり賃金*週間平均労働時間)


Wage 20111007.


(4)Number Unemployed for 27 Weeks & over(27週以降の失業者数=長期失業者(単位:K))


27 week over 20111007.


(5)Civilian Labor Force(労働人口(単位:K))


civilian labor force 20111007.


(6)Participation Rate(労働参加率(単位:%))


Participation Rate 20111007.


以下ポイント


■ESTABLISHMENT SURVEY(事業者調査)


・9月の非農業部門雇用者数増減は前月から103千人増加となった。市場予想が60千人増となっていたことからすれば、ヘッドラインからは、ポジティブサプライズとなった。また、速報段階で非農業部門雇用者数増減がゼロであった8月については57千人増、7月は127千人増と修正された。リバイスの大きな要因は人材派遣サービス(Temporary help services)での大幅な上方修正があったからである。雇用の基調については、今年の第1四半期にかけて増勢が強まった後、減速感を示している。減速の主な要因は東日本大震災後のサプライチェーンの混乱、そして連邦債務上限引き上げ交渉や米国信用格付けの引き下げを受けて金融市場が混乱したことにより、採用が見送られてきた。9月はやや持ち直しの傾向がみられている。なお、8月末にハリケーン・アイリーンの影響が懸念されたが、特に雇用情勢についてはノーインパクトとなっている。民間雇用者数は137千人増加となっている。


・製造業では、鉱業・掘削が5千人増加、建設が26千人増加、製造工業(Manufacturing)が13千人減となっている。建設については、住宅建設よりも非居住用の建設(13.2千人増)で増加が目立つ。製造工業においては、輸送用機器が1千人増加、うち自動車及び自動車部品で0.3千人の増加となっている半面、家具及びその関連製品やその他製造業で雇用減となっていることが響いている。製造業については世界的な需要の動向を受けやすく、欧州などの金融の混乱と景気リスクへの懸念から採用が見送られてきているように思われる。今後については、金融市場の混乱が実体経済にスピルオーバーする懸念が残り、流動的となっている。


・サービス業では、卸売が5.9千人減、小売が13.6千人増、運輸・倉庫が1.9千人減、情報が39千人増、金融が8千人減、専門職が48千人増、教育・ヘルスケアが40.8千人増、レジャー・飲食が4千人減、その他サービスが3千人減となっている。サービス業については、8月にベライゾン・コミュニケーションズがストライキを実施し、その影響で通信業で大きな雇用減となっていたが、ストライキの影響が解消されたことにより(つまり復職)、反動増の形となっている。また特筆すべきことは、ヘルスケア・ソーシャルアシスタンスで40.8千人の雇用増となっている。このことは、米国のベビーブーマー層が定年退職し、高齢化を迎える中において、これらの需要が高まっていることが背景にある。今後もこういった職種で継続的な採用が見込まれることから、底堅く推移していくのではないかと思われる。以下はヘルスケア、ソーシャルアシスタンスの雇用の推移(出所:BSL)。


Healthcare and social assistance 20111007.



また、人材派遣サービス(Temporary help services)について45千人増となっており、7-9月で大きな増加となっている。このため7-8月の非農業部門雇用者数増減は大幅に上方修正されている。この人材派遣サービスについては、雇用市場の先行指標として注目されている(景気はボトムを打ったものの、経済の先行きや需要動向に不透明感があるときには、正社員として採用せず、人材派遣などを通じて人員を確保する傾向がある)が、この増加については今後数カ月にわたって継続していくことが確認されれば、雇用が持ちなおしていくことが示唆される。但し、今回の大幅増の背景は、足元の需要は底堅いものの、7月以降金融市場の混乱により先行き不確実性が高まる中、正社員採用を見送り人材派遣で人員を確保した可能性もある。


・政府部門は34千人減少となっている。内訳は、連邦政府で1千人減(うちUSポスタルサービスを除く連邦政府は4千人増)、州政府は2千人増加、地方政府は35千人減となっている。地方政府については8月のデータで上方修正され、2009年7月以来はじめて増加に転じたものの、9月には再度大幅減となっている。但し、8月については、教員採用があったことを受けたものであるとみられ、教員を除いたものでは減少している。以下のグラフは地方政府の雇用者数の推移(出所:BSL)。


Local government 20111007.



・時間あたり賃金は23.12ドルとなり、前月から0.2%増加した。また週間平均労働時間は34.3時間となった。このことから、週間あたりの賃金は3.68ドル増加の793.02ドルとなった。賃金については緩慢な伸びが継続したままとなっている。8月と同様、前年同月比でも2%の伸びを切ってきており、伸びの鈍化が顕著となっている。以下のグラフは前年同月比の時間あたり賃金の推移(出所:BSL)。


Average hourly Earnings 20111007.



■HOUSEHOLD SURVEY(家計調査)


失業率は9.1%(9.084%)となり、前月から若干低下した(ヘッドラインは横ばい)。


Household survey 20111007.


失業率については、(1)失業者が25千人増加した、(2)労働人口が423千人増加したことにより失業率が横ばいとなった。特に労働参加率については、前月から0.2ポイント上昇の64.2%となっている。2カ月連続で上昇してきており、労働参加意欲が次第に高まりつつあることを示唆している。労働参加率が今後も継続して上昇していくことになれば、雇用市場全体においてポジティブな傾向と判断できる。また就業者も398千人増加しており、就業者比率(Employment-population ratio)も0.1ポイント上昇の58.3%となっている。家計調査においてはこの2カ月改善の傾向が見て取れる。また、U-6失業率は上昇傾向を示しているが、これは労働人口が増加したことが要因ではないかと思われる。


・長期失業者(27 weeks and over)については、前月から208千人増加の6242千人となった。前月は減少傾向を示したが、9月は一転して大幅増となっている。失業者に占める長期失業者の割合は、44.5%となっており、8月から上昇した。


■9月雇用統計の評価とFedの動向


9月の雇用統計については、タイトル通り総じてポジティブなものであった。もう一度ポジティブな点とネガティブな点に分けて整理すると、


ポジティブファクター:労働参加率が上昇した、就業者比率が上昇した、非農業部門雇用者数が民間中心に大幅増となった、賃金はやや増加した
ネガティブファクター:長期失業者が大幅に増加した、地方政府で大幅に雇用が減少した、製造工業((Manufacturing)の雇用が減少した


ということがいえるだろう。事業者調査では、人材派遣サービスで大幅な人員増となっており、この評価については見方が分かれる。傾向として言われているとおり、雇用市場の先行指標として注目すべきなのか、足元の情勢に不確実性が大きくなっていることから正社員採用を見送り、人材派遣で人員を確保している、と解釈すべきなのかということである。前者であるならば、雇用市場の改善を示唆するものであるが、後者であれば今後雇用市場が悪化する可能性も示唆することになる。そのため、今後継続的にこのセクターの雇用動向に注視し、他のマクロ指標と合わせながら足元の景気動向の推移を見極めるべきである。また、今後金融機関を中心に大規模なレイオフの影響が出てくるものと見られることも注意が必要である。金融市場の混乱が今後も継続するようであれば、この業種だけでなく、幅広い業種で採用を見送るリスクも残る。


Fedの動向からすれば、前月のFOMCでオペレーション・ツイストが決定されたが、その後のバーナンキ議長の議会証言では、労働市場について以下のような認識を持っている("Chairman Ben S. Bernanke Economic Outlook and Recent Monetary Policy Actions Before the Joint Economic Committee, U.S. Congress, Washington, D.C. October 4, 2011"より、)。


Consumer behavior has both reflected and contributed to the slow pace of recovery. Households have been very cautious in their spending decisions, as declines in house prices and in the values of financial assets have reduced household wealth, and many families continue to struggle with high debt burdens or reduced access to credit. Probably the most significant factor depressing consumer confidence, however, has been the poor performance of the job market. Over the summer, private payrolls rose by only about 100,000 jobs per month on average--half of the rate posted earlier in the year. Meanwhile, state and local governments have continued to shed jobs, as they have been doing for more than two years. With these weak gains in employment, the unemployment rate has held close to 9 percent since early this year. Moreover, recent indicators, including new claims for unemployment insurance and surveys of hiring plans, point to the likelihood of more sluggish job growth in the period ahead.

消費者の行動は、景気回復の遅いペースに反映し、また寄与している。家計は消費の決定に対し非常に慎重であり、住宅価格や、金融資産の価値の低下が家計資産を減らしているからであり、また多くの家族は高い債務負担に苦しみ続け、もしくは信用アクセスを減らしている。しかしながら、恐らく、消費者信頼感を圧迫している最も大きな要因は、労働市場の弱いパフォーマンスによるものである。夏の間、民間雇用は月平均で約10万人しか増加しておらず、今年前半の水準の半分である。一方、州及び地方政府は雇用を減らし続けており、それは2年以上も続いている。これらの弱い雇用とともに、失業率は今年前半以降9%近辺で推移している。さらに、新規失業保険申請件数や採用計画調査を含む最近の指標では、今後の雇用の伸びはより弱いものになる可能性があることを指摘している。



このように認識しており、消費者信頼感の弱さについて、住宅価格の問題もあるが、弱い雇用市場の影響による所が大きいとしている。さらに今後も雇用市場は弱くなるのではないかとの認識を示していることから、先行きについても警戒しているということがいえる。政策については、


The Committee will continue to closely monitor economic developments and is prepared to take further action as appropriate to promote a stronger economic recovery in a context of price stability.

委員会は経済の進展を緊密に監視し続け、物価安定の文脈において、強い景気回復を促進させるために適切なものとして、さらなる行動をとる準備がある。



としており、今後も状況に応じて政策を打っていくとしている。政策の具体的な手段は来週発表されるFOMC議事要旨で確認する必要があるが、


・フォワードガイダンスの明示化(インフレ率や失業率の目標の明示化)
・(金融市場が混乱した場合)社債やMBSの買入を含む信用緩和



といった手段が考えられる。信用緩和については、金融市場が混乱し、例えば社債市場に波及し企業が資金調達できなくなるといった事態に備えた行動である。いずれにしても今後も弱い経済環境が続けば、緩和方向の政策を取っていくことが考えられる。



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