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ECB理事会~利下げを決定 

11月3日にECB理事会が開催され、政策金利である主要リファイナンスオペ金利を25bp引き下げ1.25%にすることを決めた。また預金ファシリティ金利は0.5%、限界貸出ファシリティ金利を2.0%にすることを決めた。ドラギ総裁は記者会見の冒頭で利下げについて以下のように述べている(全文はECB "Introductory statement to the press conference"より)。


Based on its regular economic and monetary analyses, the Governing Council decided to reduce the key ECB interest rates by 25 basis points. While inflation has remained elevated and is likely to stay above 2% for some months to come, inflation rates are expected to decline further in the course of 2012 to below 2%. At the same time, the underlying pace of monetary expansion continues to be moderate. After today’s decision, inflation should remain in line with price stability over the policy-relevant horizon. Owing to their unfavourable effects on financing conditions and confidence, the ongoing tensions in financial markets are likely to dampen the pace of economic growth in the euro area in the second half of this year and beyond. The economic outlook continues to be subject to particularly high uncertainty and intensified downside risks. Some of these risks have been materialising, which makes a significant downward revision to forecasts and projections for average real GDP growth in 2012 very likely. In such an environment, price, cost and wage pressures in the euro area should also moderate; today’s decision takes this into account. Overall, it remains essential for monetary policy to maintain price stability over the medium term, thereby ensuring a firm anchoring of inflation expectations in the euro area in line with our aim of maintaining inflation rates below, but close to, 2% over the medium term. Such anchoring is a prerequisite for monetary policy to make its contribution towards supporting economic growth and job creation in the euro area.

通常の経済及び金融分析に基づき、理事会はECBの政策金利を25bp引き下げることを決めた。インフレは高止まりしており、今後数カ月間は2%を超えて推移するものとみられる一方、インフレ率は2012年に2%以下に低下すると予測している。同時に、潜在的な金融の拡大ペースは緩やかに続いている。本日の決定以降、インフレは理事会の目標である物価安定に沿った形で推移するだろう。金融の状況や信頼感の好ましくない影響により、金融市場の緊張の継続は今年年後半のユーロ圏の経済成長のペースを抑制していくだろう。経済見通しは特に高い不確実性と激しいダウンサイドリスクが想定されている。これらのリスクのいくつかは具現化しており、2012年のGDP成長率の予想や予測に強い下方修正の可能性をもたらしている。このような環境の下で、価格、コスト、賃金の圧力もモデレートであり、本日の決定はこのような観点がある。全体的に金融政策は中期的な物価安定を維持するために不可欠である。それゆえユーロ圏において、インフレ期待が、我々が維持すべき目標としている中期的なインフレ率を下回るか、もしくは2%に近づいたところでしっかりと固定されている。そのような固定されたインフレ期待は金融政策が経済成長や雇用創出をサポートするために寄与していくことへの前提条件となる。



このように述べ、利下げについては、今後インフレが収束するという見通しのもとで、ユーロ圏の経済の見通しについては高い不確実性と激しいダウンサイドリスクがあるとしていることから、景気に配慮する形で利下げを行ったとみることができる。なお、利下げについては「全会一致」で決められた、としている。その経済分析の詳細は以下のように説明されている。


Let me now explain our assessment in greater detail, starting with the economic analysis. Real GDP growth in the euro area, which slowed in the second quarter of 2011 to 0.2% quarter on quarter, is expected to be very moderate in the second half of this year. There are signs that previously identified downside risks have been materialising, as reflected in unfavourable evidence from survey data. Looking forward, a number of factors seem to be dampening the underlying growth momentum in the euro area, including a moderation in the pace of global demand and unfavourable effects on overall financing conditions and on confidence resulting from ongoing tensions in a number of euro area sovereign debt markets. At the same time, we continue to expect euro area economic activity to benefit from continued positive economic growth in the emerging market economies, as well as from the low short-term interest rates and the various measures taken to support the functioning of the financial sector.

経済分析について。ユーロ圏の実質GDP成長率は2011年の第2四半期に前期比0.2%の伸びに鈍化しており、今年の後半についても非常に緩慢な拡大を予測している。調査のデータに好ましくない徴候があることから、以前に認識されたダウンサイドリスクが激化しているというサインがある。先行きをみると、グローバルな需要のペースの緩やかさや、いくつかのユーロ圏の国債市場における緊張の結果、総じて金融の状況や信頼感に好ましくない影響を与えていることを含めて、いつかの要因によりユーロ圏の基本的な成長モメンタムは抑制されているように思われる。同時に、我々はユーロ圏の経済活動がエマージング市場経済のポジティブな成長や、低い金利及び金融セクターの機能をサポートするためのいくつかの手段によって恩恵を受けられるだろうと予測している。


In the Governing Council’s assessment, the downside risks to the economic outlook for the euro area are confirmed in an environment of particularly high uncertainty. Downside risks notably relate to a further intensification of the tensions in some segments of the financial markets in the euro area and at the global level, as well as to the potential for these pressures to further spill over into the euro area real economy. They also relate to the impact of the still high energy prices, protectionist pressures and the possibility of a disorderly correction of global imbalances.

理事会の評価において、ユーロ圏の経済見通しのダウンサイドリスクは特に不確実な環境を確認している。ダウンサイドリスクは特にユーロ圏及びグローバルレベルでの金融市場のいくつかのセグメントにおいてさらに緊張が激化していること、潜在的にユーロ圏の実体経済にさらなるスピルオーバーの圧力が掛かっていることに関連している。また高いエネルギー価格、保護主義圧力、そしてグローバルインバランスの無秩序な修正の可能性にも関連している。



このようなことにより、恐らくは12月の経済見通しも大きく下方修正されていくことが予想されているが、欧州経済の状況がこの1カ月間で、例えばユーロ圏のPMIなどはかなり厳しい結果となっており、今後欧州経済のダウンサイドリスクが高まっていることを示している。以下はユーロ圏PMIの推移(出所:Markit)。


Eurozone PMI 20111104.


ドラギ総裁も記者との質問において、欧州経済が"mild recession looming in the eurozone by the end of this year"(今年の年末にマイルドなりセッションになるかもしれない)と語っており、そのひとつの要因が金融市場の緊張が実体経済へスピルオーバーしていくリスクであり、そうしたリスクを抑えるためにも、金融市場の緊張について利下げにより緩和していくといった手段が取られたものと思われる。特に、ギリシャ情勢においては、先日EUサミットで包括的な救済策を決められたが、パパンドレウ首相は国民投票を実施し現政権の信を問うとしたことから、金融市場もそれに反応し混乱するといった事態が発生した。また金融市場の緊張に際しては従来のSMP(証券市場プログラム)の実施(但し規模拡大は行われていない)や、前回の理事会で決定されたカバードボンド購入プログラム(CBPP2)といった非標準的な手段も拡充しており、利下げと流動性対策、信用緩和で金融市場の緊張を抑えこもうとしている。


一方で、インフレに関する見通しは以下の通りである。


With regard to price developments, euro area annual HICP inflation was 3.0% in October according to Eurostat’s flash estimate, unchanged from September. Inflation rates have been at elevated levels since the end of last year, mainly driven by higher energy and other commodity prices. Looking ahead, they are likely to stay above 2% for some months to come, before falling below 2% in the course of 2012. Inflation rates are expected to remain in line with price stability over the policy-relevant horizon. This pattern reflects the expectation that, in an environment of weaker euro area and global growth, price, cost and wage pressures in the euro area should also moderate.

物価の情勢については、ユーロスタットの速報値によると、10月にユーロ圏のHICPインフレ率は年率で3%となり、9月と変わらなかった。インフレ率は昨年末以降高止まりが続いており、主に高いエネルギー価格や他のコモディティ価格によってもたらされている。先行きをみると、インフレ率は2012年に2%以下に低下していく前に、今後数カ月においては2%を上回って推移すると思われる。インフレ率は政策の目標である物価安定に沿って推移していくと予測している。このパターンは、ユーロ圏やグローバルの成長が弱く、価格・コスト・賃金圧力も緩やかであるという状況といった予測を反映している。


The Governing Council continues to view the risks to the medium-term outlook for price developments as broadly balanced, taking also into account today’s decision. On the upside, the main risks relate to the possibility of increases in indirect taxes and administered prices, owing to the need for fiscal consolidation in the coming years. In the current environment, however, inflationary pressure should abate. The main downside risks relate to the impact of weaker than expected growth in the euro area and globally. In fact, if sustained, sluggish economic growth has the potential to reduce medium-term inflationary pressure in the euro area.

理事会は中期的な物価動向の見通しへのリスクは概ねバランスが取れているとみており、本日の決定もこのような観点がある。アップサイドでは、主要なリスクは間接税の引き上げの可能性や投入コスト、今後数年間の財政再建の必要性に関係している。しかしながら、現状の環境においては、インフレの圧力は沈静化しているはずである。ダウンサイドリスクとしては、ユーロ圏及びグローバルでの成長率が想定以上に弱いといった影響に関連している。事実、それが持続した場合には、経済成長の弱さはユーロ圏において中期的なインフレ圧力を潜在的に減らしていく。



このように、10月のユーロ圏HICPは年率で3%の伸びであったにもかかわらず、インフレへのリスクバランスは均衡と判断している。商品市場の価格動向についてはもはやアップサイド要因ではなく、現段階でインフレ圧力は落ち着いているとの認識を示し、逆に経済成長が弱いものであれば、中期的なインフレ圧力を減らしていくことになる、としており、ややダウンサイドに偏った見方を行なっている。このようなインフレの認識と見通しも利下げ決定を後押ししたものと思われる。


以下はトリシェ/ドラギコードとインフレ見通しのリスクバランス、政策金利の推移である。


Draghi code 20111104.



FTの記者がトリシェ前総裁とドラギ新総裁の違いについてコンスタンシオ副総裁に質問したが、その際、副総裁は時期尚早である(It is too soon to tell)としていた。しかし、トリシェ前総裁はインフレ重視型というイメージが強いが、ドラギ総裁は会見内容や政策決定についての説明を聞く限りにおいて、やや景気重視型のスタンスをとっているようにも思われる。今後、12月に経済見通しが出されるが、成長率やインフレについて、9月の見通しからさらに大幅に下方修正するようなことがあれば、追加利下げの余地も考慮したいところである。



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