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11月雇用統計ポイント~労働参加率が再度低下 

12月2日に米労働省BSLは11月の雇用統計を発表した。以下は各指標である。


非農業部門雇用者数 +12.0万人
民間部門雇用者数 +14.0万人
失業率(U-3) 8.6%
週間平均労働時間 34.3h
平均時間あたり賃金 23.18ドル
U-6失業率 15.6%



以下は各指標の推移である(出所:米労働省)


(1)NFPとUnemployment Rate(非農業部門雇用者数(単位:千人)と失業率)


Unemployment rate 20111203.



(2)非農業部門雇用者数がリセッション前の水準を取り戻すまでの期間(WW2以降)


Lost Payroll 20111203.



(3)Private Payroll(民間雇用者数(単位:千人))


Private Payroll 20111203.


(4)Wage = Average Hourly Earnings * Average Weekly Hours(週次あたり平均賃金=時間あたり賃金*週間平均労働時間、単位:ドル)


Wage 20111203.



(5)Number Unemployed for 27 Weeks & over(27週以上の失業者数=長期失業者(単位:千人))


27 week over 20111203.



(6)Civilian Labor Force(労働人口(単位:千人))


civilian labor force 20111203.



(7)Participation Rate(労働参加率(単位:%))


Partcipation Rate 20111203.



以下ポイント


■ESTABLISHMENT SURVEY(事業者調査)


・非農業部門雇用者数増減は12.0万人増となり、市場予想とほぼ一致する形となった。また、9月は22.0万人増、10月は11.7万人増にそれぞれ上方修正されている。上方修正については人材派遣(Temporary help services)などの修正が要因となっている。また、民間雇用者数増減は14.0万人増となっており、民間雇用は底堅く推移している。一方政府部門は2.0万人減となっており、雇用市場を圧迫し続けている。


・製造業では、鉱業・掘削が4千人増、建設が1.2万人減、製造工業(Manufacturing)が2千人増となっている。製造工業の内訳は、耐久財が1.0万人の増加となっており、自動車・自動車部品が牽引している。非耐久財は8千人減となっている。建設については、住宅や商業用不動産市場が低迷している中で雇用を押し上げる力にはなっていない。製造工業については自動車の雇用増が目立つ。東日本大震災によるサプライチェーン障害解消により在庫を積み増す動きから生産を増やしており、人員確保の動きとなっている。しかし、タイ洪水の影響によりサプライチェーン障害が起こっている可能性もあり、また製造工業全体については世界的な景気減速懸念の中で今後の動向が注目される。


・サービス業では、卸売業が1.7千人減、小売業が4.98万人増、輸送・倉庫が8.3千人増、情報が4千人減、金融が8千人増、専門職が3.3万人増(うち人材派遣が2.23万人増)、レジャー・接客が2.2万人増となっている。この中で小売業が4.98万人増となっており、全体の雇用を押し上げている。以下は2000年以降の10-12月の小売業の雇用増減の推移である(季節調整済み、出所:米労働省)。


Retail Sales Payroll 20110203.



リセッション期間であった2001年と2008年を除いては、毎年この期間の小売業はホリデーショッピングシーズンのための季節的な雇用がどの程度増加しているのかについて関心が集まっている。2011年については10月に1.27万人となっており、平年並みのスタートとなっていたが、11月に4.98万人の増加となっており、2007年11月以来の大幅な増加となっている。従って、今年のホリデーシーズンの小売については堅調と見込んでいることが裏付けられているといえる。但し、年々ブラックフライデーにおける小売量販店のセールスプロモーションは大規模となってきており、それだけ人員を必要としていることもあり、そうした要因は差し引く必要がある。また季節雇用であるため、ショッピングシーズンが終わる1月に反動減が発生する可能性があることは留意しておきたい。また、人材派遣(Temporary help services)が2.23万人増加していることから、足元の事業環境は堅調であり人員確保が必要であるが、先行き不透明感が強く、正社員として採用することには躊躇していることが示唆されている。


・政府部門は2.0万人の減少となっており、非農業部門雇用者数の増加の重石となっている。連邦政府は4千人減、州政府は5千人減、地方政府は1.1万人減となっている。地方政府の雇用減については未だ歯止めが掛かっていない状況となっている。以下は地方政府の雇用者推移(出所:米労働省)。


Local Government 20111203.



・非農業部門の時間あたり平均賃金は0.02ドル減少の23.18ドル、平均週間労働時間は34.3時間となったことから、週間ベースの平均賃金は795.07ドルとなった。前月からわずかに低下している。


■HOUSEHOLD SURVEY(家計調査)


・失業率は8.6(8.644)%となった。


Household survey 20111203.



失業率の低下については、失業率を計算する際の、


1.分子となる失業者の大幅減少(-59.4万人)
2.分母となる労働人口の大幅減少(-31.5万人)



という要因がある。失業者の大幅増についてはそのうちの一部は就業者が大幅に増加(27.8万人増)となったというポジティブな要素もあるが、一方で31.6万人は非労働力となっているため、就業機会に乏しく、就業を諦め労働市場から退出した人が大幅に増加していることを意味している。その結果として労働人口が減ったのであり、労働参加率が64.0%に低下していったことについてはネガティブであるといえる。特に女性の労働参加率が低下しており、16歳以上の女性の労働参加率は10月の58.2%から57.9%に低下している。一方で男性の労働参加率は前月と変わらない。


・長期失業者は18.5万人減の569.1万人となった。失業者全体に占める長期失業者の割合は43.0%となっており、10月から上昇した。労働市場が改善されていることや就業を諦めることなどで低下傾向が示されている。


■11月の雇用統計の評価


11月の雇用統計についてポジティブファクターとネガティブファクターに整理すると以下の通りである。


ポジティブファクター:小売業の雇用が大幅に増加している、就業者が大幅に増加し就業者比率が上昇
ネガティブファクター:政府部門での雇用の減少が継続、賃金が低下、労働参加率の低下、長期失業者が失業者全体に占める割合が上昇



このようなところであり、事業者調査、家計調査共にまちまちな評価だといえる。10月のエントリで製造業の雇用について、楽観的な見方と悲観的な見方があると述べたが、今のところ楽観的な見方が優位である。11月の各国のPMIは新興国や欧州で低下基調であり、特に欧州はリセッション入りを示唆するものであったが、米ISM製造業景気指数は逆に上昇している。受注は確実に上向きであり、この点で心強い内容であるといえる。そのため雇用面でも自動車等で雇用増がみられている。しかし、米国は現状の金融市場の緊張や世界的な景気減速の影響を免れるほど強い経済でもない。従って、年明け以降はこうした世界的な景気減速の影響について米国がどの程度受けるのかがポイントとなってくると思われる。特に何らかの外的ショックが発生すれば、米国経済や雇用にも影響が出てくると思われる。


また、11月の雇用統計で最大のネガティブファクターであったのは、失業率の低下に繋がった労働参加率の低下である。労働参加率については、9月以降下げ止まりが示唆されており、今後改善方向が見込まれると期待されていたが、それを裏切る形となった。今後も一進一退で推移していくものと見られるが、労働参加率が上昇して行かない限り、米国の労働市場が本格的に回復しているとはいえない。ベビーブーマー層の大量リタイアということも一因として挙げられ、今後もそうした層が労働市場から退出していくことも想定され労働参加率の上昇を抑えていくことになるのだろう。しかし、就業機会が拡大すれば労働参加率も確実に増加するのであり、現段階ではそうした兆候がまだみられておらず、景気回復の恩恵が幅広い層に行き渡っていないことを示唆する


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カテゴリ: 市場視点

タグ: マクロ  米国  雇用統計 
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