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2012年の経済・マーケットを考える(3)~資金循環 

2012年の各国地域の資金循環について、各地域別で考えていきたい。基本的に先進国においては、貸出は低調であり、国債選好が続くものと思われる。


■米国~預金選好・国債選好が続くか?


米国の資金循環については2011年とそれ程大きく変わることはないと思われる。


・家計部門は引き続きバランスシート修復のために貯蓄を最優先に考える、消費者信用の回復は緩やか
・銀行部門は民間への貸出を活発化させるものの、依然として緩やかな回復でしかなく、国債選好が続く
・企業部門は潤沢なキャッシュを背景に資金需要は高くないが、投資拡大の動きがキー



家計部門はバランスシート調整の最中であり、引き続き所得を貯蓄に回す動きが優先される。この動きは住宅価格が下落し続けるうちは続くものと思われる。消費者信用は回復しているものの、リセッション前の水準に比べれば低いままである。企業部門においては、2009年以降、世界経済の回復により利益が出ているものの、バランスシート強化や投資意欲の後退により預金選好を強めているものと見られる。以下は預金の伸びの推移である(対前年同期比、出所:Fed)。


US Saving 20120104


銀行部門については、貸出は2010年3月に前年比-9.1%にまで落ち込んだあと、回復基調となっている。しかし、回復のペースは鈍く、2011年11月時点では前年比1%台後半の伸びに留まっている。この結果、預貸のバランス(総貯蓄/商業銀行のローン・リース総額)は悪化してきており、2011年9月には114.3%と過去最低水準にまで低下してきている。以下は米国銀行の預貸のバランス(総貯蓄/商業銀行のローン・リース総額)の推移である(出所:Fed)。


US Loan Deposite Ratio 20120104



銀行のアセットについては、不況期ということもありローン・リースの比率が低下してきている。景気回復に伴って、商工用ローン及び消費者ローンは緩やかに回復してきているものの、モーゲージローンは減少しており、歯止めがかかる状況ではない。一方で米国債の投資は増加基調にある。以下は米国商業銀行のローン内訳(割合、出所:Fed)


US CommBanks Investments 20120104



2012年においても、預金選好は引き続き強く、貸出は緩やかな回復でしかないものと思われる。そして銀行のアセットにおいては、保守的な運用が必要とされることや、貸出先が限定されることなどから、資金逃避先として米国債が引き続き選好されるものと思われる。しかし、イールドカーブがフラットニングしている環境下においては、貸出及び投資運用において、利鞘を確保することが容易ではなく、収益面で厳しいものとなろう。また、仮に欧州の金融市場の不安が米国に飛び火し、ファンディング金利に上昇バイアスが掛かるような状況では、預金を持たない金融機関の資金調達チャネルも限られてくることが懸念される。


■欧州~デレバレッジの進展と域内経済の悪化から貸出が低下する可能性



欧州域内の資金循環については、欧州銀行のデレバレッジの進展により銀行の貸出がどの程度鈍化していくかがポイントとなる。


・家計部門は、米国のようにバランスシート調整圧力がそれほど大きくはないが、信用基準の厳格化に晒されている。
・銀行部門はデレバレッジに晒されている。
・企業部門については、米国同様資金ニーズがそれ程拡大せず、銀行の貸出も緩やかな回復でしかない。今後の景気減速や信用不安による影響が意識される。



欧州NFI(金融機関)の非金融セクター企業向けローン、消費者向け信用は2008年の金融危機及びリセッションにより低下していったが、その後の景気回復によって持ち直しの動きが見られた。また住宅購入向けローンは、一部地域で不動産バブルの動きがあったことから堅調に推移した。以下は非金融セクター企業向けローンの推移である(対前年同期比、出所:ECB)。


ECB-Loan NFC 20120104



家計向けローンの推移(消費者信用・住宅購入向けローン、対前年同期比、出所:ECB)


ECB Loan to Consumer 20120104


しかし、2011年に金融市場が混乱すると、消費者向けの信用残高は頭打ちの状態となり、前年比ベースでの貸出残高の伸びはマイナスとなったことから、一部銀行で信用基準を厳格にした可能性がある。今後欧州の金融市場が一段とタイトな状況に追い込まれれば、こうした貸出も厳しくなることが想定される。またリセッション入りすれば資金需要も低下していくことから、貸出動向は一段と鈍化していく可能性もある。従ってマネーストックM3の伸びは抑制されていく可能性がある。以下はユーロ圏M3の推移(前年同月比、出所:ECB)。


ECB M3 20120104



2012年に留意しなければならない点として、欧州の金融の混乱が、実体経済にスピルオーバーするリスクである。金融市場の緊張が信用スプレッドを拡大させ、社債やローンなど民間企業の資金調達にも影響を及ぼすことで、民間企業の当座の流動性への影響、さらに投資活動も抑制されていくという懸念がある。さらに銀行の貸し渋りによって域内の非金融セクターの中小企業などの経営にダメージを与え、雇用などにも波及していくこと、さらに消費者ローンの信用基準の厳格化によって個人消費にも影響が出てくることが懸念される。また、10月のEUサミットで合意した、域内金融機関の狭義中核的自己資本(Tier1)比率を2012年6月までに9%に引き上げることから、これにより銀行の信用力が向上する半面、デレバレッジへの懸念も存在する。EBAの試算によると、金融機関の資本増強に関してはおよそ1147億ユーロとなると予測している。この資本増強についてはエクイティによる調達で全て賄うというのは難しいとみられており、一部は資産圧縮によって達成されると見込まれ、その場合ドル調達難により海外資産の圧縮がメインとなるが、域内資産についても圧縮の動きとなる可能性がある。


■日本~円債保有の海外ウエイトが上昇するか


国内の資金循環については、家計部門は預金選好が続く(消費にまわらない)、企業部門も同様に預金選好が続く(投資に回らない)、銀行部門は預貸比率が悪化し(貸出に回らない)、運用難により国債選好といった動きが続いており、このことから円債は国内消化が可能となっている状態が続いている。2012年も同様の動きとなることが想定されているが、2011年7-9月の資金循環統計をみると、海外勢の円債購入が目立っている。7-9月は米国の信用格付けが引き下げられたこともあり、一部で外準運用やソブリン債運用の多様化が図られたものと見られる。今後、この動きがテンポラリーなものとなるか、それともパーマネントとなっていくのか十分注意してみていく必要がある。以下は日銀資金循環統計の部門別の金融資産・負債フロー(出所:日銀)。


BOJ資金循環 20120104



新興国については「2012年の経済・マーケットを考える(2)~デレバレッジ」で考察したが、欧州銀行のデレバレッジの進展が鍵を握っているものと思われる。



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