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12月雇用統計ポイント~季節雇用が押し上げ 

1月6日に米労働省BSLは12月の雇用統計を発表した。以下は各指標である。


非農業部門雇用者数 +20.0万人
民間部門雇用者数 +21.2万人
失業率(U-3) 8.5%
週間平均労働時間 34.4h
平均時間あたり賃金 23.24ドル
U-6失業率 15.2%



以下は各指標の推移である(出所:米労働省)


(1)非農業部門雇用者数増減(単位:千人)と失業率の推移


Unemployment rate 20120107



(2)非農業部門雇用者数がリセッション前の水準を取り戻すまでの期間(WW2以降)


Payroll Recovery 20120107



(3)民間雇用者数(単位:千人)の推移


Private Payroll 20120107



(4)週次あたり平均賃金=時間あたり賃金*週間平均労働時間(単位:ドル)の推移


Wage 20120107



(5)27週以上の失業者数=長期失業者(単位:千人)の推移


27 week over 20120107



(6)労働人口(単位:千人)の推移


civilian labor force 20120107



(7)労働参加率(単位:%)の推移


Partcipation Rate 20120107




■ESTABLISHMENT SURVEY(事業者調査)


・非農業部門雇用者増減は20.0万人となり、市場予想の15.5万人を上回り、ヘッドラインはポジティブなものとなった。10月は11.2万人増に上方修正される半面で11月は10.0万人増に下方修正された。11月速報では小売業の雇用者が4.98万人増となっていたが、2次速報では3.88万人増に下方修正されたことを反映している。民間雇用は小売や輸送業で雇用者数が大幅増加となったことを受け堅調な増加となった。一方で政府部門は1.2万人減少となった。なお、速報値段階では2011年を通じて164万人の雇用増(2010年は94万人増)となった。


・製造業では、鉱業・掘削が8千人増加、建設が1.7万人の増加、製造工業(Manufacturing)は2.3万人増加となっている。建設については、12月に入り稼働率が向上してきたことを反映したものとなっている。非居住用特別用建設(Nonresidential specialty trade contractors)が2.02万人の増加となっていることから、非居住用構造物投資やプロジェクトの需要などを反映している。製造工業のうち、耐久財は2.3万人増加、非耐久財は増減なしとなった。耐久財のうち金属製品、機械、輸送用機器で増加が目立っていることから、自動車等の製造ラインの稼働が高まってきていることを反映しているものと思われる。一方でコンピュータ・電子部品は僅かな増加(0.2千人)となっており、業種別で温度差があるといえる。


・サービス業では、卸売が1.16万人増加、小売が2.79万人増加、運輸・倉庫が5.02万人増加となっている。小売については、衣類・アクセサリー店、GMSで増加が目立っていることから、ホリデーショッピングシーズンを受けて季節的な雇用が増加したものとみられる。また、運輸・倉庫業のうち、宅配便・メッセンジャー業(Couriers and Messengers)が4.22万人増(季節調整済)となっていることから、インターネットを利用したオンラインショッピング需要の高まりを反映しているものと思われる。以下のグラフは2001年以降11-1月の宅配便・メッセンジャー業の雇用増減(原系列)である。


Couriers and messengers 20110107




宅配便・メッセンジャー業については、リセッション期であった2008年においても12月には雇用増となっていたセクターであり、オンラインショッピングの普及により季節的な採用が年々多くなっている。一方で1月には大きな反動減をみせている。従って、小売業や運輸・倉庫業はホリデーショッピングシーズンが終わる1月以降、反動減に注意すべきであろう。また、その他のサービス業では、情報は6千人増加、金融取引は2千人増加、個人及び企業向けサービスは1.2万人増加(うち人材派遣は7.5千人減少)、教育・ヘルスサービスは2.9万人増加(うちヘルスケア・ソーシャルアシスタンツは2.87万人増加)、レジャー・接客が2.1万人増加となっている。


・政府部門では連邦政府が2千人増加、州政府が増減なし、地方政府が1.4万人減となっている。地方政府については2011年を通じて極めて雇用のパフォーマンスが悪かった年となった。以下は地方政府の雇用者数の推移である。


Local government 20120107



・非農業部門雇用者の週間あたり平均賃金は前月より4セント増加の23.24ドル、週間あたり平均労働時間は34.4時間となった。これにより週間あたり平均賃金は3.7ドル増加の799.46ドルとなった。賃金に関しては緩やかに増加しており、改善しているということがいえるだろう。


■HOUSEHOLD SURVEY(家計調査)


・失業率は8.5(8.511)%となった。


Household survey 20120107


失業率の低下は家計調査における失業者が22.6万人減少したことによって押し下げられた。就業者は前月から17.6万人増加しており、失業者減少(22.6万人減)の大半を占めていることから、雇用機会が拡大していることを示している。しかし、労働人口は前月から5万人減少し、労働参加率が25年間で過去最低の64.0%となっていることから、労働参加意欲は盛り上がってこないことを示唆している。


・長期失業者(27週以上失業している人)は9万2千人減少の558万8千人となっており、失業者全体に占める割合は42.5%となっている。長期失業者は減少傾向となっているものの、極めて緩慢であり、構造的要因による失業者が多く存在していることを示唆している。


・また、今月に発表された家計調査は、

Seasonally adjusted household survey data have been revised using updated seasonal adjustment factors
季節調整済家計調査のデータは季節調整係数の更新により改定されています



とあり、過去5年間のデータが対象となっている。これにより、失業率が低めに修正されている傾向がある。リセッション時において、最も高い失業率を記録したのは、リバイス前では2009年10月の10.2%であったが、リバイス後のデータでは2010年10月の10.0%となっていた。また失業率が二桁だった時期はこの2009年10月の1カ月間のみ(リバイス前は2010年10-12月)となっていた。以下はリバイス前とリバイス後の失業率の推移である。


Revised Unemployment Rate 20120107



また、過去25年間において労働参加率が最も低いのは、リバイス前のデータでは63.9%となっていたが、今回の修正で64.0%となった。従って、過去25年において、12月が最も労働参加率が低いということになる。


■雇用統計の評価とFedの動向


今回の雇用統計において、ポジティブファクターとネガティブファクターに分類すると以下のようになる。


・ポジティブファクター:製造工業で雇用が増加していること、小売や輸送・倉庫で雇用者が大幅増となっていたこと、賃金が増加していたこと、週あたりの平均労働時間が増加していたこと

・ネガティブファクター:労働参加率が25年間で過去最低を記録していること



このような評価であり、概ねポジティブなものだったのではないかと思われる。欧州経済がリセッション懸念を強くし、新興国経済も減速している状況において、世界経済の影響を受けやすい製造工業で雇用が増加していたことは評価できる。ISM製造業景気指数でも同様の傾向であることから、米国の製造業の業況は相対的に堅調であることが裏付けられている。しかし、何らかの外的ショック(金融市場の変動が大きくなることや欧州債務問題が金融危機に発展すること)が発生すれば製造業の雇用は大きく影響を受けるものと思われ、楽観視は出来ない。また小売や輸送で雇用が大幅増となっていたことは、ホリデーショッピングシーズンにおける消費が活発だったことを示唆しているため、2011年Q4の成長率にポジティブな期待が掛かりやすくなる。また賃金が緩やかながら増加し、失業率も低下していることは消費者信頼感の改善にとって重要な要素となる。


一方で米国の労働市場においては、永続的な問題を抱えており、改善には数年単位の時間を要することも確かだろう。長期失業者については徐々にしか低下していかず、あるいは労働参加率は未だに低い水準にある。この点について、3日に発表されたFOMC議事要旨では以下のような意見のやり取りがなされていた。


Moreover, unemployment, particularly longer-term unemployment, remained high, and the number of involuntary part-time workers was still elevated. Some participants again expressed concern that the persistence of high levels of long-duration unemployment and the underutilization of the workforce could eventually lead to a loss of skills and an erosion of potential output. Another participant suggested that the unemployment rate was a more useful indicator of cyclical labor market developments than the level of employment relative to the size of the population, which was more likely to be influenced by structural changes in labor demand and supply. Participants expressed a range of views on the current extent of slack in the labor market. It was noted that because of factors including ongoing changes in the composition of available jobs and workers' skills, some part of the increase in unemployment since the beginning of the recession had been structural rather than cyclical. Others pointed out that the very modest increases in labor compensation of late suggested that underutilization of labor was still significant.


さらに、失業率、とりわけ長期失業は未だに高く、自分の意志で就いたわけではないパートタイム労働者の数は未だに高止まりしている。ある参加者(複数)は、高い水準の長期失業の継続性や使用されていない労働力がスキルの喪失や潜在的な成長の侵食になってしまうことについて懸念を表明した。他の参加者(1人)は、労働需給の構造的な変化によって影響を受けやすい人口の大きさに対する雇用の水準(註:就業者比率(Employment-population ratio)を指すものと思われる)よりも、失業率が循環的な労働市場の状況を表す指標として役に立つと指摘した。複数の参加者は労働市場における現状のスラックの程度において、その見方の範囲を説明した。職におけるアベイラビリティや労働者のスキルの変化を含む要因により、リセッションの始めからの失業率増加のある部分は、循環的なものよりも構造的なものだと述べた。他の参加者(複数)は、(失われた)労働力の埋め合わせの増加が極めて緩慢なのは、使用されていない労働力が未だに強いことを示唆すると指摘した。



このようなことから、現在の労働市場の問題について、従来通り労働市場にスラックが大きく残っていることを主張する参加者と、構造的な要因により失業率が嵩上げされていると説明する参加者との間で意見の相違が見られている。ドラめもんさんのエントリでも触れられておられたのだが、構造的な要因による失業者が多いということは、失業率の長期予測(自然失業率)を押し上げることになる。実際、2010年6月のFOMC議事録に掲載された長期失業率見通しは5.0-5.3%であったが、2011年11月の長期失業率見通しは5.2-6.0%に上昇していることから、FOMC内部でも、構造的な失業を織り込んでいる可能性もある。


Fedは1月に先行きの金利予測を明示し、フォワードガイダンスのさらなる明示化を行おうとしている。このことは市場の金利予測に影響を与え、金利の期間構造に反映される可能性がある。しかし、あくまでも予測でありコミットメントではないことや、示された金利パスに対して、例えば失業率が予想以上に低下していくことなどマクロ環境が変化することで、金利市場のボラティリティを高めてしまうリスクも内包している。このため、1月のFOMC後の議長会見においてどのような金利パスが示されるのかに注目が集まるが、仮に2013年後半以降の金利パス(のレンジ)が低く予測されていた場合、マクロのアップサイドリスクが顕在化することで金利のボラティリティは高くなる可能性が大きくなるため、この点には留意が必要だろう。




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