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ECB理事会~適格要件の緩和 

2月9日にECB理事会が開催され、現行のリファイナンス金利を1.0%に据え置くことを決めた。また上限金利である限界貸付ファシリティ金利を1.75%、下限金利である預金ファシリティ金利を0.25%に据え置くことを決めた。以下はドラギ総裁会見の冒頭に読み上げられたステートメントの一部である(全文はECBサイト参照)。


Based on our regular economic and monetary analyses, we decided to keep the key ECB interest rates unchanged. The information that has become available since mid-January broadly confirms our previous assessment. Inflation is likely to stay above 2% for several months to come, before declining to below 2%. Available survey indicators confirm some tentative signs of a stabilisation in economic activity at a low level around the turn of the year, but the economic outlook remains subject to high uncertainty and downside risks. The underlying pace of monetary expansion remains subdued. Looking ahead, it is essential for monetary policy to maintain price stability for the euro area as a whole. This ensures a firm anchoring of inflation expectations in line with our aim of maintaining inflation rates below, but close to, 2% over the medium term. Such anchoring is a prerequisite for monetary policy to make its contribution to supporting economic growth and job creation in the euro area. A very thorough analysis of all incoming data and developments over the period ahead is warranted.


通常の経済、金融分析に基づき、理事会は本日ECBの政策金利を据え置くことを決めた。1月中旬以降に入手できた情報では、広範囲で我々の以前の評価が確認された。インフレは2%以下に低下していく前の数カ月間は2%を上回って推移する可能性がある。入手した調査指標では、年の変わり始めあたりで、経済活動の低い水準での安定化のいくつかの一時的な兆候を確認しているが、経済見通しは依然として高い不確実性とダウンサイドリスクがある。貨幣の拡大における根本的なペースは抑制されている。先行きを見ると、全体としてユーロ圏の物価安定の維持は金融政策にとって重要である。これにより維持しているインフレ率目標を下回るか、中期的に2%に近づいたところに沿ってインフレ期待がしっかりと固定されていることを確実にする。そのようなインフレ期待の固定は、ユーロ圏において金融政策が経済成長や雇用創出をサポートしていくのに資するための前提条件である。入手した情報や進展についての非常に考えぬかれた分析が正当化される。



入手した情報では、年の変わり目あたりから経済活動の安定化の一時的な兆候がみられる、として前回1月同様の認識を示したことから、利下げについての決定は行われず、記者会見においても利下げについての協議は行なっていないとした。そして適格要件の緩和を行う旨の発言が行われ、以下のようなステートメントが公表された。


The Governing Council of the European Central Bank (ECB) has approved, for the seven national central banks (NCBs) that have put forward relevant proposals, specific national eligibility criteria and risk control measures for the temporary acceptance of additional credit claims as collateral in Eurosystem credit operations. Details of these specific national measures will be made available on the websites of the respective NCBs: Central Bank of Ireland, Banco de Espana, Banque de France, Banca d’Italia, Central Bank of Cyprus, Oesterreichische Nationalbank and Banco de Portugal.

ECB理事会では、特定の国の適格要件や、ユーロシステムの信用オペレーションの担保としての追加の信用要件の一時的な受け入れのためのリスクコントロール手段について、7カ国の中銀の提案について承認した。特定の国の手段の詳細については、アイルランド中銀、スペイン中銀、フランス中銀、イタリア中銀、キプロス中銀、ポルトガル中銀のウェブサイトにて公開する予定である。



としており、今後のオペレーションの適格要件の緩和により、流動性供給を受けるチャネルを拡大していくという形を取っている。金融市場を安定化させるための措置として幅広い金融機関がオペレーションを受けられるようにするということで、レンダーオブラストリゾートの機能強化を図っていくものとみられる。(追記)適格担保要件については、各国中銀に委ねるという形をとっている。但し、記者会見上、ドラギ総裁はこの適格要件の緩和については全会一致ではなかったと述べていた。この担保適格要件の拡大については、信用リスクをECB(及び各国中銀)が一手に引き受けてしまう懸念もある。今後各国の銀行が中銀にリスク性の高い資産を担保として持ち込み、万が一その資産がデフォルト等になってしまうような場合、中銀の負債資産の見合いにおいて過不足が生じる懸念がある。この件について記者との質問があり、ドラギ総裁は、


New collateral rules will be more risky, but risk is being managed very well.
新しい担保ルールは非常にリスキーであるが、リスクは十分管理していくつもりである。



としており、そうしたリスクを認識した上で、懸念を払拭しようとしている。なお、SMPなどで購入しオンバランスとなっているギリシャ国債のヘアカットについて、一部記者から質問されたが、ユーログループが開催されていることもありコメントを控えた。また、ギリシャ国債をEFSFに売却することについては、損失とならないようにすれば財政ファイナンスにはあたらないことを示唆している。


景気見通しについては、以下のようなものとなっている。


Real GDP growth in the fourth quarter of 2011 is likely to have been very weak. According to the survey data for the last two months, there are tentative signs of a stabilisation in economic activity at a low level. Looking ahead, we expect the euro area economy to recover very gradually in the course of 2012. The very low short-term interest rates and all the measures taken to foster the proper functioning of the euro area financial sector are lending support to the euro area economy. Moreover, stress in financial markets has diminished in response to our monetary policy measures, but also in response to the progress made towards a stronger euro area governance framework and intensified fiscal consolidation in several euro area countries. However, subdued global demand growth, the remaining tensions in euro area sovereign debt markets and their impact on credit conditions, as well as the process of balance sheet adjustment in the financial and non-financial sectors, continue to dampen the underlying growth momentum.

2011年第4四半期の実質GDPの伸びは非常に弱い可能性がある。ここ2カ月における調査のデータによると、一時的に低い水準で経済活動が安定したという兆候がある。今後は、ユーロ圏の経済は2012年において徐々に回復していくと予測している。とても低い短期金利とユーロ圏の金融セクターの機能を適切に促進させるために取られたすべての手段は、ユーロ圏の経済をサポートしている。さらに、金融市場の緊張は、我々の金融政策の手段だけでなく、ユーロ圏の政府の強いフレームワークやいくつかのユーロ圏の国における強い財政再建の進展に反応して、軽減してきている。しかしながら、抑制されたグローバルの需要、ユーロ圏におけるソブリン債市場の緊張が残ること、信用状況におけるそれらのインパクトだけでなく、金融及び非金融セクターのバランスシート調整は基調的な成長のモメンタムを低下させ続けている。


This outlook is subject to downside risks. They notably relate to tensions in euro area debt markets and their potential spillover to the euro area real economy. Downside risks also relate to possible adverse developments in the global economy, higher than assumed increases in commodity prices, protectionist pressures and the potential for a disorderly correction of global imbalances.


景気見通しについてはダウンサイドリスクに傾いている。これは主にユーロ圏の債券市場の緊張とユーロ圏の実体経済へのスピルオーバーに関連している。ダウンサイドリスクは、グローバル経済の悪化の可能性、コモディティ価格の想定以上の上昇、保護主義圧力や、潜在的なグローバルサインバランスの無秩序な修正に関連している。



このようなことから、経済に安定化の兆しがみられており、金融市場に安定化の傾向がみられるとしているものの、依然としてリスクバランスはダウンサイドに傾斜しており、金融市場の緊張といった要因に対しては注意を払わざるを得ないという状況である。但し、大きな下方リスク(substantial downside risks)という見方は取っておらず、ややリスクバランスが改善したとの見方もある。また、物価についてのリスクバランスは概ね均衡(broadly balanced)としており、現段階においてインフレを警戒はしていない。


今後の注目ポイントとしては、


・2月末に行われるLTROにおける応札
・今後のオペレーション
・利下げの行方



このようなところとなるが、まず、2月末のLTROについてであるが、これもフルアロットメントで3年間という長い期間での資金供給となる。現状欧州の金融機関は金融債のリファイナンスの時期を迎えており、資金需要は多いものとみられる。また、担保の適格要件の緩和により、オペによる資金供給利用のチャネルが拡大する効果も期待される。そして前回12月の応札で、スティグマへの懸念から資金を取らなかった一部の金融機関の対応も注目されていくものと思われる。


LTROの効果については、今回のECB理事会後のドラギ総裁の会見ではまだはっきりとしたことは言えないとした。


The annual growth rates of loans to non-financial corporations and loans to households, adjusted for loan sales and securitisation, also decreased further in December, and stood at 1.2% and 1.9% respectively. The volume of MFI loans to both sectors declined in December, and this was particularly pronounced in the case of the non-financial corporate sector. In addition, there are indications that bank lending conditions tightened further, affecting loan supply in several euro area countries in late 2011. It is not yet possible to draw firm conclusions from these developments, particularly given that the impact of the first three-year LTRO on bank funding is still unfolding and may not have been fully reflected in the most recent bank lending survey. In addition, other non-standard monetary policy measures announced in December are still to be implemented. Accordingly, close scrutiny of credit developments in the period ahead is essential.

非金融企業への貸出や家計へのローンにおける年率の伸びは、ローンの販売や証券化を調整すれば、12月にともに1.2%、1.9%に減っている。両セクターにおけるMFI(金融機関)のローンの量は12月に減少しており、これは特に非金融の企業セクターで顕著となっている。加えて、銀行の貸し出し状況が厳しくなったというサーベイもあり、2011年末にいくつかのユーロ圏の国で貸出の供給に影響を与えている。特に銀行のファンディングにおいて、3年物のLTROのインパクトが未だに展開されておらず、直近の銀行貸出調査に反映されていないため、これらの進展から確固とした結論を導き出すことは出来ない。さらに、12月に告知された他の非標準的な金融政策手段はまだ反映されていない。従ってこの期間の信用状況の緊密な精査は不可欠である。



しかし、この間のECBの流動性供給の結果、銀行の高水準の超過流動性(excess liquidity:open market operations plus lending facility minus net liquidity effect autonomous factors minus reserve requirements)はターム物金利を押し下げる形となっており、金融市場の安定に寄与したと考えられる。以下は超過流動性と1週間物のEURIBORの推移である(出所:ECB、EURIBOR)。


Excess liquidity 20120210

EURIBOR 20120210


そして、2月で一旦3年物の流動性供給は完了するが、長めの資金供給については引き続き実施していくものと考えられる。流動性は潤沢であり、金融市場は緩和に向かっているものの、ダウンサイドリスクとして金融市場の緊張を意識していること、信用状況の厳しさにより民間への貸出も伸びないこと、引き続き周縁国の金融機関のECB依存が継続していることなどを踏まえ、レンダーオブラストリゾートとしての姿勢を暫くの間は緩めるのは難しいものと思われる。


利下げについては、先述の通り、リスクバランスが"substantial downside risks"(強いダウンサイドリスク)には偏っておらず、現段階で一時的ではあるものの経済活動に安定化の兆しがあることなどを踏まえると、ダウンサイドリスクが顕在化した時のカードとして温存しておくという選択肢を取る可能性が強くなっているようにも思われる。従って、経済状況が小康状態であるうちは利下げについての協議は行われないものと考えられる。


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