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日銀短観~製造業業況の停滞続く 

4月2日に日銀は2012年3月調査の全国企業短期経済観測調査(短観)を公表した。大企業製造業業況判断DIは-4、同非製造業業況判断DIは5となり、製造業の業況は2期連続でマイナスとなった。以下は短観の業況判断DIの推移である(出所:BOJ)。


短観 業況判断 20120412


先行きについては、大企業製造業で-3、非製造業で5を見込み、製造業の業況は先行きも厳しさが残るものとなっている。製造業については、リーマンショック及び金融危機以降、景気の回復により業況も回復していったが、昨年の震災で一時的に大きな落ち込みがみられたあと、回復しているが、昨年末のタイの洪水の影響や円高により再度悪化した格好となっている。そして3月の調査時点では欧州のリセッション及び中国経済の減速などから素材産業(鉄鋼、非鉄、化学)で大きな落ち込みがみられたことが響いた格好となり、景況感の回復は足踏みとなっている。一方で大企業のうち自動車(12月調査+20→3月調査+28)や造船・重機(12月調査-7→3月調査0)といった加工組立産業の業況は改善もしくは拡大となっている。特に自動車については北米等での好調な売上に支えられているとみられる。また、製造業の中堅企業の業況判断DIは-7、先行きDIは-8、同中小企業の業況判断DIは-10、先行きは-15となり、12月調査よりは改善しているものの、先行きは楽観視していないことが浮き彫りとなった。大企業同様、加工組立産業よりは素材産業で厳しさが目立つものとなっている。素材産業の落ち込みが、欧州及び新興国の減速懸念を先行的に示唆しているのであれば、やがて加工組立産業にも波及し、世界経済の影響を受けやすい製造業全体の先行きにも不安を抱えることになる(但し先行きは加工産業で悪化、素材で改善を見込んでいる)。また、足元で円高が是正されているが、後述の通り企業の想定為替レートは保守的にみており、円安傾向で業況が改善したとはいえないものとなっている。


非製造業においては、昨年の震災以降、自粛ムードや電力不足への懸念から一時的に落ち込んだあと回復基調が鮮明となっている。復興需要や消費マインドの改善などが背景にあるものと見られる。業種別のDIでは、大企業で対事業所サービスが12月から10ポイント改善の+20、電気・ガスで12月から9ポイント改善の-3、通信で8ポイント改善の52となっている。電気・ガスについては冬場の暖房需要が高まったことや、通信はスマートフォン商戦が好調だったことが背景にあるものと考えられる。また個人消費動向を占う上で重要な小売業は12月から1ポイント悪化の9となっており、厳冬も手伝って堅調さが維持されている。一方で宿泊・飲食サービスは12月から6ポイント悪化の-8となっており、厳冬や大雪の影響により国内旅行を手控えた影響が出ているものと思われる。今後復興需要が顕在化するに従い、建設や不動産で業況改善が期待できる。また、中堅企業、中小企業でも緩やかではあるが改善してきている。



企業の売上高については、2011年度、大企業製造業で前回から2ポイント下方修正の+0.2%、非製造業で前回から変わらずの+2.6%となっている。製造業で大きな下方修正がみられており、新興国の景気減速や欧州のリセッション、さらには地デジ特需が剥落しテレビ等の売上が落ち込んだ影響を受けたものと考えられる。2012年度は、大企業製造業で+2.0%、非製造業で+1.2%を見込んでいる。経常利益については、2011年度、大企業製造業で前回から12ポイント下方修正の-17.9%、非製造業で3.4ポイント下方修正の-13.6%となった。円高が進行し、また家電の不振が響いた格好となっている。2012年度は、大企業製造業で+0.6%と増益見込み、同被製造業で-2.3%と減益見込みとなっている。2012年度想定為替レートは、


・上期 78.04円
・下期 78.24円
・通期 78.14円


となっている。現状82-83円台で推移していることを考えれば、保守的な見積であるともいえる。また、2011年度についても78.93円であったことから、外需産業における利益の上積みも期待できる。2012年度設備投資計画は大企業製造業で+3.6%、同非製造業で-2.0%、同全産業で変わらずとなっている。震災復興による生産設備の復旧の動きが続くことや、世界経済が回復基調であること、さらに企業の設備過剰感が薄らいでいることから、大企業製造業を中心に設備投資を活発化させていくものと思われる。なお、大企業製造業の設備判断DIは12月調査の9から10となっており、リーマンショック後の設備過剰感が薄らいでいるが、しかし設備不足といった状態でもなく、設備投資は今後も控えめな回復基調となっていくものと考えられる。以下は大企業製造業の設備判断DIの推移(出所:BOJ)。


短観 設備判断 20120402


在庫水準については、大企業製造業の商製品在庫判断DIは19となっており、12月から変わらずとなっている。リーマンショックの後、激しい在庫調整を経て、在庫復元の動きとなり、さらに震災後のサプライチェーン障害を経て在庫復元の動きを活発にさせたものの、足元でやや過剰在庫感がみられる。在庫循環的にはリーマンショック後の在庫復元の動きが一巡し、恐らく足元で在庫調整期に入っているものと思われる。さらに世界経済の減速の状況如何では過剰在庫感が強まる可能性もある。従って今後の生産活動もやや停滞していくことも想定しておきたい。以下は在庫判断DIの推移(出所:BOJ)。


短観 在庫水準 20120402



国内商製品需給については大企業製造業で-19となり、12月の-18からやや悪化した。海外需給についても大企業製造業で-11と12月から変わらずであるが、低調な動きとなっている。特に海外で需要が不足している状態となっており、今後製造業の設備投資計画にも影響を及ぼす恐れがある。以下は国内・海外商製品需給判断DIの推移(出所:BOJ)。


短観 需給 20120402



価格判断については、仕入価格判断DIは大企業製造業で11となり、前回の12から低下した。また販売価格DIも大企業製造業で-14と前回の-13から低下した。相変わらず国内ではデフレ基調が続き、仕入価格を販売価格に転嫁しにくい状態が継続しており、企業のマージン確保も苦戦している。また足元で円安基調となり、さらに原油高騰の動きも相まって交易条件が悪化している中において、仕入価格は大きく上昇するが、販売価格は抑制されるといった状況も想定される。実際投入コストをヘッジしにくい中小企業で仕入価格判断DIが4ポイント上昇している。今後も交易条件が悪化し、また電力料金の値上げ等の影響もあることから、企業のマージン確保はさらに難しくなっていくことも想定される。以下は大企業製造業の仕入価格・販売価格判断DI(出所:BOJ)。


短観 価格 20120402


雇用人員判断DIは、大企業で3となり、12月の4から低下した。雇用についてはリーマンショック後に急激に拡大した過剰感が薄らいだ格好であり、通常の水準に近づいている。今年から来年にかけて日本の労働生産人口において最も多い年齢層(1947-48年生まれ)が大量退職を迎える時期に相当しており、そうした動きも過剰雇用感の払拭を後押ししているものと考えられる。新規採用に傾くかは、今後の国内及び世界経済の需要動向の影響も受けることから、基調としては回復しているものの、先行き慎重な見方を崩せないものと思われる。以下は大企業の雇用人員判断DIの推移(出所:BOJ)。


短観 雇用人員 20120402


資金繰り判断DIは大企業で14となっており、前回から1ポイント悪化している。大企業の資金繰りの悪化については、製造業としては戦後最大の負債総額となったエルピーダメモリの破綻の影響も考慮されるところではあるものの、全体として貸出などが収縮する事態とはなっておらず、安定しているという傾向には変わりがない。中堅企業の資金繰りDIは8となり、前回から変わらず、中小企業の資金繰りDIは-6と前回から変わらずとなっている。CPの発行環境判断DIは1となり、前回と変わらずとなった。信用市場は概ね安定しているとみてもよい。以下は大企業の資金繰り判断DIの推移(出所:BOJ)。


短観 資金繰り 20120402


今回の短観については、素材業種の業況が悪化していることを踏まえると、世界経済、特に新興国経済のダウンサイドリスクを意識させるものとなった。また、足元で進行している円安について、総じて業況を改善させるものではなかった(今回の短観で最大の「ミステリー」だったように思われる)。一方で加工組立産業や内需は堅調なものとなっている。先行きからすれば新興国のダウンサイドリスクの顕在化により、加工組立産業の業況にも波及していくかがポイントとなろう。また交易条件の悪化により足元で進んでいるコスト高の動きについても今後企業マインドに影響を与えていくことも考えられる。日銀では4月9-10日に金融政策決定会合が行われるが、特に製造業において短観の内容がやや下振れていることを踏まえてどのように判断を修正していくか注目される。


English Version Is Here: Tankan Shows Stagnation of Manufacturing Business Condition in Japan


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