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6月雇用統計~雇用回復は足踏み 

7月6日に米労働省BLSは6月の雇用統計を発表した。


非農業部門雇用者数 +8.0万人
民間部門雇用者数 +8.4万人
失業率(U-3) 8.2%
週間平均労働時間 34.5h
平均時間あたり賃金 23.50ドル
U-6失業率 14.9%



(1)非農業部門雇用者数増減(単位:千人)と失業率の推移


Unemployment Rate 20120706


(2)非農業部門雇用者数がリセッション前の水準を取り戻すまでの期間(WW2以降)


Employment recovery 20120706




(3)民間雇用者数(単位:千人)の推移


Private Payroll 20120706



(4)週次あたり平均賃金=時間あたり賃金*週間平均労働時間(単位:ドル)の推移


Wage 20120706



(5)27週以上の失業者数=長期失業者(単位:千人)の推移


Longer Unemployment 20120706



(6)労働参加率(単位:%)の推移


Participation Rate 20120706




(7)労働投入量(前年同期比%)の推移


Labor Input 20120706




■ESTABLISHMENT SURVEY(事業者調査)


・非農業部門雇用者数は8.0万人となり、5月から若干雇用の伸びが加速した。4月は二次速報の7.7万人増加から6.8万人増加に下方修正、5月は一次速報の6.9万人増加から7.7万人増加に上方修正された。ヘッドラインからすれば、10万人程度の増加が見込まれていたため、ネガティブなものとなった。民間雇用に関しては8.4万人の伸びにとどまり、雇用市場の回復が足踏みしていることが鮮明となった。異例な暖冬の影響から季節調整の歪みにより1-2月に雇用が押し上げられた反動として3-5月に雇用が急減速したが、こうした季節調整の歪みの影響については6月以降減衰していくものと思われる。


・製造業は1.1万人の増加となった。内訳は、鉱業・掘削業が前月から変わらず、建設業が2千人増加、製造工業は1.1万人増加、製造工業うち耐久財は1.4万人増加、非耐久財は3千人減少となっている。製造工業では、金属加工製品、機械、輸送用機械で増加している。米国内の自動車販売が堅調でもあるように、自動車関連の業況は底堅く、雇用面でも反映したものとなっている。しかし、ISM製造業景気指数が好不況の節目である50を割り込んだことにより、こうした景況感が雇用に反映してくる可能性もあるため、楽観視することは難しい。


・非製造業は7.1万人増加となった。内訳は、卸売業が8.8千人増加、小売業が5.4千人減少、運輸・倉庫が2.2千人減少、情報が8千人減少、金融取引が5千人増加、専門職・ビジネスサービスが4.7万人増加(うち人材派遣が2.52万人増加)、教育・福祉サービスが2千人増加、観光・接客業が1.3万人増加、その他のサービスは9千人増加となっている。雇用増の伸び悩みの要因となったのは主に"Health care and social assistance"(ヘルスケア・社会扶助)が1.14万人の増加に留まったことが背景にあるものと思われる。この業種に関しては景気の善し悪しに関わらず今後持続的に雇用は拡大していくものとみられるが、単月では伸び悩んだ格好となり、これがサービス業の雇用増を抑制している。一方で人材派遣は2.52万人の増加となっており、引き続き需要動向に不確実性がある中で正社員の採用は見送り、人材派遣で埋め合わせるといった傾向みられている。


・政府部門は4千人減少となった。連邦政府が7千人減少、州政府が1千人減少、地方政府が4千人増加となった。ここにきて、地方政府の雇用削減圧力はやや緩和されてきている。しかし、財政削減圧力は依然として続くものと考えられることから、極めて弱いまま推移していくものと考えられる。以下は地方政府の雇用者数推移(出所:米労働省)。


Local government 20120706



・非農業民間部門の週間平均労働時間は34.5時間となり、前月から0.1時間増加した。このことから、民間セクターの労働投入量は前年比2.08%の伸びとなり、5月から加速した。週間あたり平均賃金は23.50ドルとなり、前月から6セントの上昇となった。これにより、週間あたり平均賃金は810.75ドルとなった。賃金についても前月からやや加速しているものの、賃金インフレといえる状況からは程遠い。以下は週間あたり平均賃金の前年比伸び率の推移(出所:米労働省)。


Average hourly Earnings 20120706



■HOUSEHOLD SURVEY(家計調査)


失業率は8.2(8.217)%となり、前月から若干上昇した。


Household survey 20120706


失業率を求める際の分母となる労働人口は、前月から15.6万人増加となっている一方で、分子となる失業者は2.9万人増加となった。労働参加率は前月と変わらずの63.8%となり、就業者は12.8万人の増加となっている。非労働力人口は3.4万人増加となっていることを踏まえると、前月とそれ程労働市場の状況は変わっていないということになる。労働参加率の低下に一応は歯止めがかかり、非労働力人口の一部が労働市場に戻るとすれば、それは失業者とカウントされるため、現状の緩慢な労働市場の回復ではそれを吸収するのは難しい。従って今後労働市場の状況が現状のレベルで推移すれば、失業率は低下しにくくなる。長期失業者(27週以上失業状態にある者)は4.1万人減少の537万人となっており、失業者全体の41.9%となっている。


■6月雇用統計の評価とFedの動向


6月の雇用統計は家計調査、事業者調査ともに傾向がつかみにくいものとなっている。強いて言えば以下の通りである。


ポジティブファクター:労働投入量の伸びが回復したこと
ネガティブファクター:民間部門雇用者数の伸びが鈍化したこと


労働参加率の低下傾向に歯止めが掛かっているということについては評価できるが、現状の労働市場ではそれらの「失業者」を吸収するだけの力強さには欠ける。また、現状ISM製造業景気指数が50を割り込んできているなど、米国の景況感は悪化しており、雇用市場が今後急速に回復しづらい展開となってきている。米国の景況感の悪化については、欧州情勢や新興国の景気減速の影響もあるが、このところFedなど当局者が気にかけている点としてFiscal Cliff(財政の崖)が発動された場合の米国経済のダウンサイドリスクについても意識されてきている。このFiscal Cliffを巡る情勢の不透明さが企業や家計のマインドを悪化させており、仮に(万が一ではあるが)財政協定を巡って上下両院での民主・共和党の合意が無い場合、2013年当初から増税と財政支出カットにより米国経済がリセッション入りする可能性が指摘されている。CBOの見解では以下の通りとなっている(WSJ: CBO Sees 2013 Recession Risk)。



The combination of tax increases and spending cuts, often referred to as a "fiscal cliff," would sharply reduce the federal budget deficit but would temporarily arrest the economic recovery, said the CBO, which serves as Congress's budget calculator.


議会予算局の推計では、「財政の崖」と呼ばれる、増税や歳出削減の組み合わせは、米国の財政赤字を鋭角的に減らすのだろうが、一時的に景気回復を阻止してしまうだろうと述べた。

The CBO projected the economy would contract at a 1.3% annual rate in the first six months of 2013, likely meeting the definition of a "mild recession," if certain tax increases and spending cuts are allowed to take effect next year. The economy would stabilize in the second half of 2013 and grow by 0.5% over the year.

もし、増税や歳出削減が発動された場合、CBOは経済が2013年の上半期に年率で1.3%縮小し、「マイルドなリセッション」との定義に当たるだろうと予測している。2013年の下半期には安定し、年間で0.5%となるだろう。



仮に2013年の議会年度入りまでに議会でFiscal Cliffから回避することで合意できない場合、およそ6000億ドル(GDPの4%程度)の財政支出カットが見込まれている。最終的には議会で合意に達するものとみられるが、その前段階で激しいチキンレースが繰り広げられることになれば、米国の企業及び家計のマインドはその不確実性により冷やされてしまい、企業や家計の支出や企業の採用活動にも悪影響を及ぼしかねないことになる。従って、このところのFedの見方においても、最も意識しているものは欧州情勢ということになろうが、Fiscal Cliffが米国経済に与える影響について、もしくはそれを回避するための合意に時間が掛かることについても極めて神経質な問題として捉えられてきている。従って、バーナンキ議長はじめとしてFed高官は早期にこの問題について解決するよう議会に促している。今後大統領選挙も含めてこうした政治的なイベントには非常に神経質な展開となっていくことが想定される。



今後のFedの政策については、今後不透明感は高まっていくことが考えられるものの、取り敢えず6月の非農業部門雇用者数の伸びが一層鈍化する、もしくは急ブレーキが掛かるような状況ではなかったことから、7月終盤のFOMCでは現在のオペレーション・ツイストの継続とフォワードガイダンスの現状維持を決め、新たな金融緩和については見送られるものと思われる。しかし、不確実性が大きくなり、それが景気を下押す蓋然性が高まった時にはフォワードガイダンスに示した金融引き締めに転じる時期を先送りし、市場に対し、低金利政策の長期化について期待形成を働きかけるのだろうと思われる。



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タグ: マクロ  米国  雇用統計  Fed 
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