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FOMC~追加緩和に含み 

7月31日、8月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催され、FF金利の誘導目標を0-0.25%に据え置き、さらに保有証券の残存期間延長プログラム(オペレーション・ツイスト)、エージェンシー債・エージェンシーMBSの償還資金をエージェンシーMBSに再投資する政策を維持、そしてフォワードガイダンスに示された低金利の期間は「2014年の暮れ」と時間軸は維持された。以下は前回と今回のFOMCの声明文の比較である。


FOMCstatement20120802.png

赤字は変更部分、青字は今回追記された部分(画像をクリックすると拡大表示されます)


■経済認識


今回の声明文では、現状の経済認識を以下のように下方修正した。


前回

economy has been expanding moderately this year.
経済は今年緩やかに拡大する



今回

economic activity decelerated somewhat over the first half of this year.
経済活動は今年の前半を越したところでやや減速した



このようなものとなり、経済が減速していることを示唆している。これは、7月9日に公表された地区連銀経済報告(ベージュブック)の基調判断である、


Reports from most of the twelve Federal Reserve Districts indicated that overall economic activity continued to expand at a modest to moderate pace in June and early July.

12地区の連銀管轄地区のほとんどの報告は、全般の経済活動は6月から7月の初旬に掛けて緩やかから控えめなペースで拡大しているという指摘だった。



という見方からはハト派的なものとなっている。しかし、先週に発表された米4-6月期GDPは市場予想を上回ったものの、第1四半期からは伸びが鈍化しており、全般の経済活動が減速しているという見方に符合するものとなっている。またISM製造業景気指数などの製造業の業況も減速を示唆する内容となっており、特段踏み込んだ判断ではないものと思われる。雇用については、前月とそれ程変わらない判断であり、


Growth in employment has been slow in recent months, and the unemployment rate remains elevated.
雇用の伸びはここ数カ月で鈍化しており、失業率は高止まりしている。



という見方を踏襲した。雇用市場については、恐らくは記録的な暖冬の影響による季節調整の歪みによって1-2月期に雇用者数が押し上げられ、そしてその反動が3-6月に出ていたが、その影響は薄まるものとみられ、7月以降の雇用のデータは恐らく労働市場の実勢をより反映したものとなる可能性が高くなることから、今週発表される雇用統計のデータは非常に重要なものとなってくることが想定される。企業支出の判断は前回と同じ、そして家計消費支出については、


前回

Household spending appears to be rising at a somewhat slower pace than earlier in the year.
家計支出は今年序盤に比べやや遅いペースで上昇しているようにみえる



今回

Household spending has been rising at a somewhat slower pace than earlier in the year.
家計支出は今年の序盤よりも遅いペースで上昇した。



となっていることから、明確に家計消費支出の伸びの鈍化傾向について指摘した。住宅市場についてはさらに前向きなトーンとなっているものの、依然として低迷しているという判断は据え置かれた。インフレについては、原油やガソリン価格の低下を反映して、今年の序盤以降低下しており、長期的なインフレ期待は安定しているというこれまでの見方を踏襲した。


経済見通し(第2パラグラフ)に関しては、前回のFOMCと変わりがなく、相変わらず「グローバルな金融市場の緊張が著しいダウンサイドリスクを想起し続けている」という文を残している。従って、Fedの経済見通しにおけるリスクバランスは依然としてダウンサイドに傾いたままであるということがいえる。


■政策


今回の現状維持の決定は、市場における追加緩和の期待が高まっていただけに、やや失望感を与えたものとなった。しかし、緩和の用意についてはやや踏み込んだ表現を行なっている。

前回

The Committee is prepared to take further action as appropriate to promote a stronger economic recovery and sustained improvement in labor market conditions in a context of price stability.
委員会は、物価安定の文脈において、力強い経済の回復と持続可能な労働市場の状況の改善を促進するために適切な時にさらなる行動を取る用意がある



今回

The Committee will closely monitor incoming information on economic and financial developments and will provide additional accommodation as needed to promote a stronger economic recovery and sustained improvement in labor market conditions in a context of price stability.
委員会は経済や金融の状況において入手できる情報を緊密に監視し、力強い経済回復と持続可能な労働市場の状況の改善を促進するために必要な時に追加の緩和策を提供する用意がある。



従って、これまでよりもやや表現が踏み込んでいることから、追加緩和の地ならしを行ったと見ることも出来る。


バーナンキ議長は7月17日の議会証言では4つの緩和手段に言及した。それは、(1)IOER(超過準備付利)の引き下げ、(2)米国債・MBSの買入(バランスシート拡張、QE3)、(3)フォワードガイダンスに示される低金利の期間の先送り、(4)連銀による直接貸出といったものである。この中で最も実現可能性が高いのは(3)のフォワードガイダンスに示される低金利政策の期間の先送りであろうとみられる。他の緩和手段については、IOERの引き下げの場合、市場機能の不全を起こし、資金の偏在が起きる可能性が指摘されており("IOER, negative rates, and Ben"などを参照)、リターンに対するコストは高いものと思われる。QE3の場合、既にFedは2015年7月以降に償還を迎える米国債について、銘柄あたりの発行残高に占める割合は平均で33.84%であり、QE2が行われた時に一時的に「米国債1銘柄につき発行残高の35%までとする」保有ルールを撤廃したものの、この35%に近づいている中で買い入れる枠はそれ程大きくはないものと思われる。以下は銘柄別の発行残高に占めるSOMAの保有割合である(出所:NYFed)。


SOMA 20120802


また、MBSの買入を行ったとして、モーゲージスプレッド(ベンチマークとなる米国債の利回りとモーゲージ金利の利回りの差)が狭められたとしても、リファイナンスを含むモーゲージの借入が低迷しているのはクレジットチャネルに不全がある可能性が高く、例えば潜在的なモーゲージの借り手に対して信用基準が緩和出来ない状況下ではなかなか住宅市場を金融面からテコ入れするのは難しい。構造的な問題である米国家計のバランスシート調整が終了しない限り復調は難しいようにも思われる。但し、声明文にもあるように、今後金融市場の緊張が一層高まり、モーゲージスプレッドにも影響が出ることになれば、信用緩和としてMBSの買入を行う用意はあるものと考えられる。米国債についても、議長の発言からするとデフレリスクが高まった時には買入を行う用意があると思われるが、現状はデフレリスクはそれ程高いというわけではない。


フォワードガイダンスに示される低金利期間の先送りについては、今回はSEP(FOMC参加者による経済見通し)が公表されなかったこともあり、次回9月には各参加者の最新の経済見通しと金利見通しが示されることから、これを踏まえて行われるという可能性はあるのだろう。8月後半にジャクソンホールでの議長講演が予定されており、そこで何かしらのインプリケーションが行われる可能性があるが、実際示される手段のうち実行できるものはそれ程多いわけではないように思われる。


なお、リッチモンド連銀ラッカー総裁は今回も反対票を入れており、フォワードガイダンスに示された期間の記述を削除するよう求めていたことが分かっている。


■Fedバランスシート(出所:Cleveland Fed)

FedBalanceSheet20120802.png

■FF金利先物のフォワードカーブ(出所:CME)

FFForward 20120802


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タグ: 金融政策  Fed  ZIRP  オペレーション・ツイスト  金利  FOMC 
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