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7月雇用統計~非農業部門雇用者数は2月以来の増加幅 

8月3日に米労働省BLSは7月の雇用統計を発表した。以下は各指標である。


非農業部門雇用者数 +16.3万人
民間部門雇用者数 +17.2万人
失業率(U-3) 8.3%
週間平均労働時間 34.5h
平均時間あたり賃金 23.52ドル
U-6失業率 15.0%



(1)非農業部門雇用者数増減(単位:千人)と失業率の推移


Unemployment Rate 20120803



(2)非農業部門雇用者数がリセッション前の水準を取り戻すまでの期間(WW2以降)


Job recovery 20120803


(3)民間雇用者数(単位:千人)の推移


Private Payroll 20120803




(4)週次あたり平均賃金=時間あたり賃金*週間平均労働時間(単位:ドル)の推移


Wage 20120803


(5)27週以上の失業者数=長期失業者(単位:千人)の推移


Longer-term unemployed 20120803


(6)労働参加率(単位:%)の推移


Partcipation Rate 20120803


(7)労働投入量(前年同期比%)の推移


Labor Input 20120803


■ESTABLISHMENT SURVEY(事業者調査)


・7月の非農業部門雇用者数は16.3万人増加となり、ヘッドラインは市場予想の上限近いものとなり、ポジティブなものとなった。5月は二次速報の7.7万人増加から8.7万人増加に上方修正される一方で6月は速報値の8.4万人増加から6.4万人に下方修正された。主に卸売業で、速報値は8.8千人増加であったが、二次速報で3.2千人減少と下方修正されたことが響いている。7月の民間雇用者数は17.2万人増加となり、2月以来の高水準となっている。ADP民間雇用者数の伸びや7月以降の新規失業保険申請件数の改善(但し7月は季節調整の影響もあるとされる)と符合するような内容となっている。また異例な暖冬の影響から季節調整の歪みにより1-2月に雇用者数が押し上げられた反動が6月まで続いたが、その季節調整の歪みの影響はほぼ減衰したようにも思われる。


・製造業は2.4万人の増加となった。内訳をみると、鉱業・掘削業は前月から変わらず、建設は1千人減少、製造工業(Manufacturing)は2.5万人増加、製造工業うち耐久財は2.4万人増加、非耐久財は1千人増加となっている。耐久財のうち、輸送用機械が2.05万人増加となったことが製造業の雇用者数の押し上げに大きく貢献しており、自動車及び自動車部品セクターは足元の業況が好調であることから積極的に人材を採用していることが裏付けられている。但し、製造業の業況についてはISM製造業景気指数が2カ月連続で50を下回るなど逆風が吹いており、先行きには注意していく必要がある。


・非製造業は14.8万人の雇用増となった。内訳は、卸売業が9.2千人増加、小売業は6.7千人増加、運輸・倉庫業は6.9千人増加、情報は1.1万人増加、金融取引業は1千人増加、専門職・ビジネスサービス業は4.9万人増加、教育・ヘルスケア業で3.8万人増加、観光・接客業で2.7万人の増加となった。専門職・ビジネスサービス業のうち、人材派遣(Temporary help services)は1.41万人の増加となっている。また教育・ヘルスケア業において、社会福祉関係で1.91万人の雇用増加となっている。また観光・接客業のうちフードサービス・飲食で2.94万人の雇用増加となっていることから、大手のファストフードチェーンで大規模な採用が行われたものとみられる。これら3業種がサービス業の雇用を押し上げている。


・政府部門では、連邦政府が2.0千人減少、州政府は6千人減少、地方政府は1千人減少となっている。連邦政府のうち、U.S. Postal Service(米国郵政公社)は先日デフォルトに陥ったが、7月は3.2千人の雇用減(季節調整済)となっており、今後雇用の削減をさらに進めていく懸念がある。7月時点で61.3万人(原系列)の従業員数であり、仮に今後1割カットなら6万人の雇用減少となり、全体の雇用増減に与えるインパクトは大きくなる可能性もある。今後Fiscal Cliffが発動の流れとなればさらに政府部門が労働市場の足かせとなる可能性もあるため、財政を巡る議会の交渉の行方には注意しておく必要があろう。地方政府は1千人の減少となった。教員が7千人減少する一方で非教員が6.4千人増加となっている。地方政府の雇用削減モメンタムは低下してきている。以下は地方政府の雇用者推移(出所:米労働省BLS)。


Local Government 20120803



・非農業部門の時間あたり平均賃金は23.52ドル、週間平均労働時間は34.5時間となり、週次の平均賃金は前月から0.69ドル増加の811.44ドル、労働投入量は前年比2.07%の伸びとなり前月からやや伸び率が鈍化した格好となっている。賃金の伸びはゆるやかなものに留まっており、賃金インフレの兆候はみられない。以下は時間あたり平均賃金の対前年度比の伸び率の推移である(出所:米労働省BLS)。


Average hourly Earnings 20120803



■HOUSEHOLD SURVEY(家計調査)


失業率は8.3%(8.253%)となり、前月から上昇した(前月は8.217%)。


Household Survey 20120803



失業率を求める際の分母となる労働人口は前月から15.0万人減少する半面で失業者は4.5万人増加したことにより失業率がやや押し上げられた。季節的なものである可能性もあるが、労働参加率が低下(63.7%)して失業者が増加したことはネガティブな印象を持つ。但し、失業者の増加は主にリエントラントである(失業の原因のうち雇用創出及び雇用期間満了は8.4万人減少、退職が5.8万人減少、リエントラント(再参入)が15.3万人増加、ニューエントラント(新規参入)が2.0万人減少)ことから、労働市場に回帰してきている流れは続いているとみることも出来る。しかし、非労働力人口は34.8万人増加しており、男性の労働参加率も低下しているため、労働市場から退出した人もそれなりに存在している。Persons who currently want a job(職を求めている非労働力人口)は3.4万人の増加となっている。また、就業者は19.5万人減少し、就業者比率(Employment-population ratio)は58.4%と前月から0.2ポイントの低下となっている。長期失業者(26週以上失業状態にある者)は18.5万人減少し518.5万人となり、失業者全体の40.7%となっている。水準自体はリセッションの時のピークからは150万人ほど低下しているものの、長期失業者の数は緩やかにしか低下してせず、依然としてリセッション前の平時の状態から比較すればかなり高い水準である。


■7月雇用統計の評価とFedの動向


7月の雇用統計について、ポジティブファクターとネガティブファクターに分けると以下の様なものとなる。


・ポジティブファクター:非農業部門雇用者数が予想以上に増加したこと、長期失業者が減少したこと
・ネガティブファクター:労働参加率が低下したこと、就業者比率が低下したこと


このように分けられるものと思われる。季節調整の歪みの影響もあるが、6月まで雇用者数の伸びの鈍化傾向が続いていたことからすれば非農業部門雇用者数が16.3万人増加したことはポジティブだと言ってもよい。今後問われるのはこの水準をキープ出来るかということである。内需には底堅いことが示唆されているものの、世界経済の動向には不確実性が強いことや、Fiscal Cliffへの懸念により今後内外需問わず企業や家計のセンチメントが低下する可能性もあることから、先行きに楽観的になるのはもう少し時間を要するところだろうと思われる。また、この雇用増の水準では、失業率を低下するほどの勢いはなく、今後も労働市場に再参入する人が増加していくことを想定すれば失業率はやや上昇していくことも想定される(このこと自体は決してネガティブではない)。また、失業率が高止まりしていることから、労働市場の状況は緩い状態が継続しており、賃金インフレの状況には程遠いものと思われる。


このような状況の中で、Fedの動向は"Wait and see"という選択肢が残されたとみることも出来る。労働市場のモメンタムが失われ、雇用増のモメンタムが著しく低下したという状況ならば緩和というカードもあるのだろうが、7月の統計を見る限り追加緩和に踏み込むだけの経済状況というにはやや無理がある。勿論次回のFOMCは9月であり、8月の雇用統計の結果が大きなキーファクターとなるため、それを待っての判断となろう。今後の政策動向を占う上で重要なのは月後半に開催されるジャクソンホールでの議長講演ということになるが、そこでは前回のエントリでも書いたが、いくつかの緩和手段について踏み込んだ発言が行われるかどうかが鍵となってこよう。



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