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日銀短観~製造業の業況が悪化 

10月1日に日銀は全国企業短期経済観測調査(短観)の結果を公表した。大企業製造業業況判断DIは-3となり、3期ぶりに悪化した。一方で大企業非製造業業況判断DIは8となり、前回と変わらずとなった。以下は短観における大企業の業況判断DIの推移である(9月まで実績、12月は先行きDI 出所:日銀)。


日銀短観 大企業業況判断DI


先行きは、大企業製造業で-3と変わらず、大企業非製造業で5とやや低下を見込んでいる。製造業の業況は今後在庫・生産調整期が見込まれていることから、低水準に留まる見込みである。一方、非製造業はサービス中心に堅調であるが、先行きは小売などで落ち込むことを見込んでいることを踏まえると、エコカー減税や猛暑効果など夏場期の個人消費が反動減となることを見込んでいる。中堅企業製造業の業況判断DIは-6と前回から変わらず、同非製造業業況判断DIは2と前回から1ポイントの悪化なり、中小企業製造業業況判断DIは-14に悪化、同非製造業業況判断DIは-9と前回から変わらずとなった。規模別の業況は相変わらず中小規模になるほど悪化する。


業種別の業況判断DIでは、大企業製造業においては鉄鋼(前回-17→今回-28)や非鉄金属(前回11→今回0)、生産用機械(前回1→今回-11)、自動車(前回32→今回19)で足元DIが大きく落ち込んでいる。生産用機械の落ち込みは新興国向けなどで需要が低下していることを反映しているものとみられ、自動車に関してはエコカー減税による駆け込み需要が一巡することから、反動減を見込んでいる。また世界的に好調であった自動車需要が一服していることも反映しているものと考えられる。半面で市況回復により石油・石炭製品で大きく改善している。業種別の大企業非製造業業況判断DIでは、対事業所サービスで前回から8ポイント改善しているのが目立つのみで、他の業種は6月から9月にかけて大きな変動はなかった。高原状態をキープしていたものと思われる。先行きでは、宿泊・飲食サービスや対事業所サービス、対個人サービスなどで落ち込むと予測されている。


需給・在庫・価格判断DIについては、国内での商製品・サービス需給は大企業製造業で足元-18となり、前回より1ポイント悪化、先行きも-19となっている。国内需要は緩やかに低下しているという認識であろう。海外での製商品需給は大企業製造業で-13となり、前回から3ポイント悪化している。先行きは2ポイントの改善を見込んでいる。足元については、欧州経済がリセッション入り不可避であり、さらに新興国需要も大きく低下していることなどを踏まえると海外需要の方が国内需要よりも落ち込みが大きくなっているという傾向が続いている。在庫水準DIは大企業製造業で18となり、前回と変わらずとなった。在庫水準はリーマン・ショック以降の回復局面にあって、2011年12月以降高水準の状態で推移しているが、今後は直近の鉱工業生産指数が示すように在庫調整が行われる見込みである。在庫が適正水準に低下していくまではしばらく生産活動が停滞する可能性があり、その状況から回復に向かうのは少なくとも2013年1月以降となるのではないかと思われる。以下は商製品需給DIと在庫水準DIの推移である(出所:日銀)。


日銀短観 商製品需給DI 20121001

日銀短観 製商品在庫DI 20121001



価格動向では、大企業製造業の仕入価格DIは2となり、前回から2ポイント低下する半面で販売価格DIは-16となり1ポイント改善した。足元では原油価格などコモディティ価格が一服していたことから川上の価格が低下し、デフレ圧力が緩慢ではあるものの徐々に低下していくことから企業のマージン環境は緩和されている。しかし、先行きの仕入価格DIは5と3ポイント上昇しており、先行きコスト高となるのではないかということが示唆されている。国内にデフレ圧力が残っている状況で仕入価格の上昇は企業のマージン確保を難しくさせるため、今後のコモディティの市況動向には注意を要する。以下は価格動向DIの推移である(出所:日銀)。


日銀短観 価格DI 20121001



2012年度の売上高計画では、大企業製造業で3.3%増加となり、前回から1.7ポイントの下方修正となっている。同非製造業は1.6%増加となり、前回から0.5ポイントの下方修正となっている。2012年度の経常利益計画では、大企業製造業で3.2%増加となり、前回から6.2ポイントの下方修正となっている。製造業で売上高、経常利益計画が大きく下方修正されていることからすれば、欧州や中国などの海外需要が落ち込んでいることを反映している可能性がある。企業の想定為替レートは、2012年度上期79.16円、2012年度下期78.97円、通期79.06円となっており、前回から上方修正していることを踏まえると数量減による影響の方が強い。一方で2012年度の設備投資計画は大企業製造業で前回から0.1ポイント下方修正の12.3%となり、非製造業では0.3ポイント上方修正の3.3%となっている。このことから、設備投資については震災復興などの動きも加えると底堅く推移していると判断出来る。後述するが、ベースには生産・営業用設備判断DIが適正水準にまで低下してきたことなども影響していると考えられる。


生産・営業設備DIは、大企業で11となり、前回から1ポイント上昇、先行きは10となり、1ポイントの低下を見込んでいる。生産設備についてはリーマンショック以降余剰感が大きく高まり、これが設備投資を手控えさせてきているものの、足元で水準としてはまだ高いものの、余剰な生産設備が解消されてきていること、さらには後述するが資金繰りが安定していることなどから生産設備を増強する動きが出てきても不思議ではない。しかし、今後海外需要が大幅に低下し、在庫・生産調整が下振れる場合には余剰設備を増加させてしまうリスクも伴うため、今後の動向には楽観視出来ない。但し、震災復興需要は今後も継続的に見込まれることから、ある程度のバッファとして意識されよう。以下は生産・営業設備DIの推移(出所:日銀)。


日銀短観 設備判断DI 20121001


雇用人員判断DIは2となり、前回から1ポイント低下した。足元では労働需要は底堅いことが示唆されており、失業率も低下基調にある。しかし、先行きは3と1ポイント上昇となっており、企業活動が生産調整の段階に移行するにあたって余剰人員が発生する可能性もある。従って、失業率の改善にややブレーキが掛かっていくことも想定されよう。以下は大企業の雇用人員判断DIの推移(出所:日銀)。


日銀短観 雇用人員判断DI 20121001


企業の資金繰り判断DIは大企業で15となり、1ポイント低下、中堅企業は前回と変わらず11、中小企業は-4と前回から1ポイント低下した。金融機関の貸出態度DIは大企業で17となり、前回から1ポイント上昇、中堅企業は15となり前回から変わらず、中小企業は4と前回から変わらずとなっている。CPの発行環境判断DIは大企業で2となり、前回と変わらずとなっている。国内の金融環境が至って緩和的な状況となっており、企業金融の環境も安定していることが示唆されている。しかし、民生用電機大手の一角などは経営不振により資金繰りが安定していない可能性もある。以下は大企業の資金繰り判断DIの推移(出所:日銀)。


日銀短観 資金繰りDI  20121001



今回の短観は、製造業で業況が停滞し、非製造業の業況は底堅く、内需主導の経済状況を反映したものとなっている。しかし、製造業については、短観のアンケート回収日が10日前後だったことを考えると中国の反日デモによる企業活動への悪影響を織り込んだものではなく、現地工場などが操業停止に追い込まれている状況、あるいは日本製品ボイコットなどの動きなどを踏まえると、実際の足元の製造業を中心とした業況は短観の数字以上に悪化している可能性がある。また、国内の製造業については在庫水準が高く、生産調整に追い込まれていることなどを踏まえると在庫循環において今後生産調整や在庫調整圧力が大きくなっていくことから、製造業の企業活動がしばらくの間低迷する可能性もある。また、欧州や中国経済の想定以上の需要下振れ懸念も織り込んでいるわけではない。このことから、大企業製造業の業況判断DIは-3となり、ヘッドライン上は底堅いという感じではあるものの、見た目以上に業況は悪化している可能性がある。非製造業は夏場に消費が底堅く推移したことなどを踏まえると製造業よりは景況感が底堅いものとなっているが、エコカー減税の打ち切りや猛暑効果の剥落により、足元の個人消費も楽観視出来るものではないことには留意が必要であろうと思われる。


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