08« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»10

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カテゴリ: スポンサー広告

tb: --    cm: --

11月雇用統計~季節的要因で雇用増える 

12月7日に米労働省BLSは11月の雇用統計を公表した。以下は各指標である。


非農業部門雇用者数 +14.6万人
失業率(U-3) 7.7%
民間部門雇用者数 +14.7万人
週間平均労働時間 34.4h
平均時間あたり賃金 23.63ドル
U-6失業率 14.4%



(1)非農業部門雇用者数増減(単位:千人)と失業率の推移


Unemployment rate 20121208



(2)非農業部門雇用者数がリセッション前の水準を取り戻すまでの期間(WW2以降)


Job recovery 20121208



(3)民間雇用者数(単位:千人)の推移


Private Payroll 20121208



(4)週次あたり平均賃金=時間あたり賃金*週間平均労働時間(単位:ドル)の推移


Wage 20121208



(5)27週以上の失業者数=長期失業者(単位:千人)の推移


Longer-term unemployed 20121208



(6)労働参加率(単位:%)の推移


Partcipation Rate 20121208



(7)労働投入量(前年同期比%)の推移


Labor Input 20121208


■ESTABLISHMENT SURVEY(事業者調査)


非農業部門雇用者数は14.6万人増加となり、市場予想を上回る形となった。ハリケーン・サンディの影響から市場予想は控えめであったものの、米労働省では以下の様な見解を発表し、サンディについて統計を集計する際の影響は限定的だったとの見方を示している。


Hurricane Sandy made landfall on the Northeast coast on October 29th, causing severe damage in some states.Nevertheless, our survey response rates in the affected states were within normal ranges. Our analysis suggests that Hurricane Sandy did not substantively impact the national employment and unemployment estimates for November.

ハリケーンサンディは10月29日に東北海岸に上陸し、いくつかの州で重大な被害を引き起こした。しかしながら、我々の調査では影響を受けた州での回答率は正常の範囲であった。我々の分析は、ハリケーンサンディが11月の全米雇用や失業率の推定に実質的に影響を与えてはいない。



なお、10月は速報値17.1万人増加から13.8万人増加に下方修正され、9月についても二次速報値の14.8万人増加から13.2万人増加に下方修正された。下方修正については、政府部門のリバイスが主要因となっている。


・製造業は2.2万人の減少となった。内訳は、鉱業・掘削は5千人増加、建設が2.0万人減少、製造工業(Manufactureing)は7千人減少となった。建設業は総じて雇用減少となっていることから、ハリケーンサンディの影響を受けた可能性もある(今後復旧の動きとなれば増加する可能性もある)。製造工業のうち、耐久財は1.1万人増加であったのに対し、非耐久財が1.8万人の減少となっている。耐久財では、自動車および部品で9.7千人の増加となっており、引き続き自動車関連の業況は強含んでいると思われる。一方で非耐久財では食品製造で1.23万人の減少となっており、一部企業で大幅な雇用削減の動きが発生したものと思われる。製造業の業況は11月に再度悪化しており、ISM製造業景気指数は49.5%となっていることから、製造業の雇用については楽観できる状況ではない。


・サービス業は16.9万人の増加となった。内訳は、卸売業で1.31万人増加、小売業で5.26万人増加、運輸・倉庫業で3.5千人増加、情報通信業で1.2万人増加、金融取引業で1千人増加、専門職・ビジネスサービス業で4.3万人増加(うち人材派遣は1.8万人増加)、教育・ヘルスケアで1.8万人増加、接客・飲食関連で2.3万人増加、その他サービスで3千人増加となっている。特に、ホリデーショッピングシーズンにあたるこの時期の小売業の雇用は増加しやすく、11月の民間雇用を押し上げた形となっている。以下のグラフは2003年以降の10月から翌年2月までの小売業の雇用の増減である(季節調整前、単位:千人、出所:米労働省BLS)。


Retail Employment


今年の11月の小売業の雇用増加幅は2007年以来の大きさであり、企業が今年のホリデーショッピングシーズンへの期待を強めていることが示唆されている。今後12月に掛けて、ネットショッピングなどによる配送も増加が見込まれることから、運輸業でも雇用増加となり、一時的に民間雇用を押し上げる方向に働くものとみられる。


・政府部門は1千人減少し、内訳は、連邦政府で5千人減少、州政府で6千人増加、地方政府で2.0千人減少となっている。これまでどおり地方政府は削減が続いているものの、下げ止まり感が出てきている。今後Fiscal Cliffの動向には注意が必要なセクターであるといえる。以下は地方政府の雇用者数の推移である。


Local gevernment 20121208


・非農業部門の週間あたり平均労働時間は34.4時間と前月から変わらず、週間あたり平均賃金は23.63ドルとなり前月から4セントの増加となっており、週間あたり平均賃金は812.87ドルとなった。このことから、民間部門の労働投入量は前年比1.76%の伸びとなった。


■HOUSEHOLD SURVEY(家計調査)


失業率は7.7(7.746)%となり、前月から0.2ポイントの低下となった。


Household Survey 20121208


失業率を求める際の分子となる失業者(Unemployed)は前月から22.9万人減少、分母となる労働人口は前月から35.0万人減少となっている。また、労働参加率は前月から0.2ポイント低下して63.6%となった。非労働力人口(Not in labor force)は54.2万人増加していることから、(勿論、一部にはリタイヤによる労働市場からの退出という可能性があるが)職探しを諦めて労働市場から退出した人が嵩んだことによる、ネガティブな失業率低下の可能性が意識される。就業者は22.9万人減少し、就業者比率(Employment-population ratio)は前月から0.1ポイント低下し、58.7%となった。就業者が大きく減ったのは恐らくパートタイマーの減少が要因であり、11月は50.3万人の減少となっている。失業要因では、失職もしくは一時的な雇用期間の完了が16.2万人減少、離職が8.8万人減少、リエントラントが5千人減少、ニューエントラントが2.6万人増加となっている。失業期間については、27週以上の長期失業者は21.6万人減少し、478.6万人となった。2カ月ぶりに500万人台を割り込んだ。


■雇用統計の評価と今後のポイント


今回の雇用統計のポイントをまとめると、以下のようになる。


ポジティブファクター
・民間雇用の増加幅が市場コンセンサスを大きく上回った
・長期失業者が大幅に減少し、500万人台を割り込んだ


ネガティブファクター
・製造業の雇用が減少した
・労働市場からの退出などにより労働人口が減少する形で失業率が低下した


このようにまとめられる。事業者調査では心強い内容となったが、家計調査はややネガティブファクターが多く、全般的にまちまちの統計内容となったものと思われる。今後はFiscal Cliffの行方が最大関心事となっていくものと思われる。Fiscal Cliff回避に向けた議会の動きがあまり進展しておらず、企業コンフィデンスを抑制してきている。そのような不確実性が高い状況の中で、今年の後半以降採用も抑制されてきている。Fiscal Cliffが回避されれば、こうした不確実性が取り払われることから、これまで抑制気味に推移していた採用も拡大に向かうものと思われる。一方で交渉がまとまらない場合にはリセッション入りする可能性が高いことから、雇用削減圧力が一気に掛かっていくものと思われる。そのため、23日の議会交渉最終日までにどのような形で回避していくのかに注目が集まる。


12月11日からFOMCが開催されるが、主な議論は、12月末でオペレーション・ツイストが完了することから、長期国債を追加購入するかどうかである。これについて、ボストン連銀ローゼングレン総裁は講演で以下のように述べている(Eric S. Rosengren (2012) "Monetary Policy and the Mortgage Market", Dec, 1.)。

So in my view, a strong case can be made for the Federal Reserve continuing to purchase the current $85 billion in longer-term securities a month - even after our so-called “Operation Twist” maturity-extension program (a portion of those purchases) is completed at the end of 2012. This is a topic we will be discussing at the next FOMC meeting.

私の見方では、Fedにとって強力なケースは、オペレーション・ツイストと呼ばれる残存期間延長プログラムが2012年末に完了しても、月当たり現状の850億ドルの買入を続けることである。これは次回のFOMCで議論となるトピックである。




このようなことから、今回のFOMCで、恐らくはこれまでの毎月850億ドルの長期債券(オープンエンド方式のMBS買入とオペレーション・ツイストによる国債買い入れ)の買入をキープする形で、400-450億ドルの長期債の購入をアナウンスするものとみられる。但し、月当たりどの程度の長期国債を購入すべきであるかという部分についてはまだコンセンサスが出来ているという状況ではないようで、850億ドルから増額する可能性もある。一方で、コミュニケーションポリシーの変更、すなわちこれまでのような低金利を正当化する特定の期間を明示することから、低金利を正当化する経済指標などの閾値を明示化することにガイダンスを修正することについてはまだ議論が煮詰まっているわけではないので、恐らくは見送られる公算であり、3月のFOMCあたりに議論の結果が出されるものと思われる。


--------------------------------------------------------------
12月5日に拙著"Global Macro Outlook 2013 :Where is driver for growth?「成長ドライバーが見えない展開へ」"がAmazon Kindleストアから発売されました。


メルマガ「金融市場Watch Weblog Plus」のお知らせ

毎週月曜日に、各種マーケットについて、先週のフォロー及び今週の見通しと焦点について私なりの考え方をまとめてメルマガにてお伝えいたします。詳細はこちらを御覧ください。
関連記事
スポンサーサイト

カテゴリ: 市場視点

タグ: マクロ  米国  雇用統計  Fed  FiscalCliff 
tb: 0   cm: 0

« FOMCステートメント~月当たり450億ドルの米国債の追加購入とコミュニケーションポリシーの変更を決定  |  10月雇用統計~着実な雇用増を確認  »

この記事に対するコメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://marketwatcher.blog61.fc2.com/tb.php/570-d65d464f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。