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日米英デフレ論争勃発 

今日の東京株式市場はまちまちだった。まちまちという表現でも今回はpositiveな感じで、TOPIXがプラス、日経平均がマイナスだった。今日は日銀と政府で異なるような、変な表現の相違で債券市場が乱高下する展開となった。


政府が月例経済報告で、


海外経済の改善などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される。一方、雇用情勢の一層の悪化や海外景気の下振れ懸念、デフレや金融資本市場の変動の影響など、景気を下押しするリスクが存在することに留意



といってデフレ宣言をしてみれば、日銀金融政策決定会合では、


(10月会合)

わが国の景気は持ち直しつつある


(11月会合)
わが国の景気は、国内民間需要の自律的回復力はなお弱いものの、内外における各種対策の効果などから持ち直している



とし、基調判断を上方修正し、「弱さ」を含んでいるが景気が持ち直していると断言した。ところが内閣府(政府)では「持ち直し傾向が続くと期待」として、景気の持ち直しには断定していない。政府と日銀とでニュアンスが異なるのだ。また、政府が「デフレ」を宣言しているのに対して、日銀は、


中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れるリスクもある。



として物価下落のリスクがあるという表現にとどめ、同時に物価上昇のリスクもあるとして、「デフレ」とは断定していない。デフレと認めたのは政府であり、日銀はややタカ派的な表現にさえ映る。デフレ宣言が政府からなされるということは日経などの観測もあったので、円債市場ではデフレの部分は織り込んでいたものの、日銀の「景気持ち直し断定」は意外で、緩和的政策の時間軸の長さに対する思惑や追加的緩和観測が後退させるものと解釈された。ここで、問題になるのは、日銀と政府の見解の相違があるということである。ロイターでは、「〔MOFウオッチャー〕政府のデフレ宣言で金融政策・デフレ論争再燃か」という形で伝えている。


一方で米国でも公然とタカ派連銀総裁が"deflation"という言葉を発しているくらいであって、こちらも1990年代のわが国のような論争が起きていくだろうし、(年度会計末で金融機関の年末のバランスシートを安全資産に付け替える技術的な要因だと思われるが)T-Bill3カ月物金利がマイナスとなり、6か月物でも1958年以来の低水準となった。金利裁定が働きやすい2年債も金利低下が続いていく。


US T-Note 2Yr


金利低下に歯止めがかからないのは18日にセントルイス連銀ブラード総裁が「過去の経験からみると利上げは2012年までない可能性がある」という発言をしたことや、昨日のプロッサー総裁の発言などが大きく影響している。そしてこのような地合からある種の債券バブルが起きている可能性があると債券王のビル・グロース氏が述べている(Bloomberg記事参照)。


つまり、日本でも米国でもデフレ論争が巻き起こるだろう、という認識をしておいた方が良いということだ。そしてグローバルレベルでの利上げサイクルというのは否定されつつあり、利上げできるところはまっとうな信用創造がなされる国・経済圏であり、利上げできないところはデフレであり、なお一層の金融緩和さえ求められうる、といった形で格差が広がっていく。英国のMPC議事録でも、「商業銀行の準備預金の一部に対する預金金利を銀行金利との比較において引き下げることは、短期市場の金利を低下させ、金融環境の一段の緩和につながる可能性がある」(Bloomberg記事参照)としており、一段の緩和の可能性を示唆した。しかし、バーナンキ議長はこういったトーンの発言をするかどうかは定かではないし、財政当局を牽制した金融当局の思惑もある。ダラス連銀フィッシャー総裁のfor an extended period"な低金利とドルはトレードオフの関係にあると発言していて、無秩序なドル安政策に牽制している動きとも読める。


日本では菅直人副総理・国家戦略相が「日本はデフレ状況にあるとの認識を示した上で、こうした状況の中で金融政策の果たす役割は大きい」とする一方で白川方明日銀総裁は会合後の会見で、


「経済が大きな流動性制約に直面しているときには、その時に流動性を供給することが、物価下落を防ぐ上で大きな効果がある」が、「需要自体が不足している時には、流動性を供給するだけでは物価は上がってこない」



として銀行券ルールの撤廃など政府が無秩序な緩和策を金融当局に求めることへの牽制をしており、暗に財政当局に需要を喚起するための政策を促している。


この論争はしばらく中銀ウォッチャーにとっては飯のタネになるだろうし、市場は当局発言に左右されることになろう。金利/債券市場の動向は外為市場にも反映していく。従ってドル・ポンド・円など、さらなる金融緩和思惑がある通貨の動きはそういった論争に大きく影響を受けやすくなるため、今後注意が必要になってくるだろう。


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この記事に対するコメント

日本国の問題は、日本政府と日銀が対立的に動く時があって、それが、日本経済の足を引っ張っているように見えること?

最近の経済よくわからん #- | URL
2009/11/20 22:46 * 編集 *

Re:

政府と日銀はよく対立しますし、認識の違いもあります。
本当は共有認識を持って問題解決に当たるべきですが、財政と金融で出来ることが共有できていない点に問題があります。

祇園 #- | URL
2009/11/21 11:12 * 編集 *

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