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日銀会合~時間軸 

今日の東京株式市場は小幅続落した。NY株安に連れ安する展開となり、朝方の外為市場でドル円が乱高下気味の展開となっていった。ただ、後場になると日銀会合の結果を受け、金融政策の「時間軸」をはっきり示したことから次の金融緩和の道筋を切り開いたという形でじりじりと値を戻していく展開となり、もう少しでプラスというところまで指数は浮上していった。ただ、バーゼル3細目発表を受け出尽くし感から銀行株は売られた。


少しバーゼル3についてフォローすると、繰延税金資産や「その他の無形固定資産」がコアTier1から控除されるなど、かなり厳しいものとなったが、個人的に注目したのが「流動性カバレッジ比率」である。ロイター記事によると、


流動性規制では、1カ月間のストレス指標として「流動性カバレッジ比率」を示した。1カ月間の流動性需要に対応できる現金・国債など流動性資産の保有義務付ける指標とし、流動性資産が、一定のストレス時における1カ月のネット資金流出以上であることを求める。また、1年超の長期的な指標として「安定調達比率」も示した。預金・長期借入・資本など1年超の安定調達額が、保有資産ごとの1年以内に現金化できないリスク(流動性リスク)の総和である所要安定調達額を上回ることを求める。



つまりある程度の国債などの高流動性資産をアセットに組み入れるようにしなければならないということである。換言すれば、分子のエクイティだけでなく、分母のアセットの質まで充実を図るということをコミットした。この要件を満たすにはそれ相応のリスク資産を希薄化しようとしていく狙いがある。資産のある一定の割合で国債を持たなければならないとすればその要件を満たさない銀行からすればリスク資産を切り落としていかなければならない、ということになる。自己資本の厳格化は邦銀にとって厳しい内容だが、流動性カバレッジ比率という観点からは十分要件を満たしていることになるだろう。もともと民間資金需要が低い邦銀の運用先として国債を大量に買ってきた背景がある。半面でこういったことをしてこなかった銀行、さらにはその銀行の業務エリアの経済圏にはかなり厳しい内容となる。英FSAがすでにこのアプローチから金融規制を掛けており(ロイター記事参照)、その後どのような経緯を辿るか、ということについては日本が先例となっていく可能性もある。半面で日本を業務エリアに置く邦銀は、皮肉なことだがすでにこのような条件を満たしており、これ以上民間貸出に与える影響はあまりないし、経営上問題になっていくことは大きくはない。邦銀のダメージ要因となるエクイティに係わる部分についてはモラトリアムが敷かれている。激変緩和的に分割して増資するか、利益剰余金を積みます時間を稼ぐか、という意味で対応の幅が広がった。とはいえプロシクリカリティに配慮している以上、G20でコミットしたところから随分柔軟になったことは間違いなかろう。


ここからが本題。日銀会合については、12月1日の「変則的な利下げ」からさらに政策が進行した。今日のステートメントは以下のとおりである。


1.日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、次回金融政策決定会合までの金融市場調節方針を、以下のとおりとすることを決定した(全員一致)。

無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0.1%前後で推移するよう促す。

2.わが国の景気は、国内民間需要の自律的回復力はなお弱いものの、内外における各種対策の効果などから持ち直している。すなわち、内外の在庫調整の進捗や海外経済の改善、とりわけ新興国の回復などを背景に、輸出や生産は増加を続けている。企業の景況感は、製造業大企業を中心に、緩やかに改善している。設備投資は下げ止まりつつある。個人消費は、厳しい雇用・所得環境が続いているものの、各種対策の効果などから耐久財受注を中心に持ち直している。公共投資は頭打ちとなりつつある。この間、金融環境をみると、厳しさを残しつつも、改善の動きが続いている。物価面では、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、経済全体の需給が緩和した状態が続く中、前年における石油製品価格高騰の反動などから、下落している。

3. 先行きの中心的な見通しとしては、2010年度半ば頃までは、わが国経済の持ち直しのペースは緩やかなものに止まる可能性が高い。その後は、輸出を起点とする企業部門の好転が家計部門に波及してくるとみられるため、わが国の成長率も徐々に高まってくるとみられる。物価面では、中長期的な予想物価上昇率が安定的に推移するとの想定のもと、石油製品価格などの影響が薄れていくため、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比下落幅は縮小していくと考えられる。

4.リスク要因をみると、景気については、新興国・資源国の経済情勢など上振れ要因がある一方で、米欧のバランスシート調整の帰趨や企業の中長期的な成長期待の動向など、一頃に比べれば低下したとはいえ、依然として下振れリスクがある。また、当面は、国際金融面での動きなどが、企業マインド等を通じて実体経済活動に悪影響を及ぼすリスクについても、引き続き注意する必要がある。物価面では、新興国・資源国の高成長を背景とした資源価格の上昇によって、わが国の物価が上振れる可能性がある一方、中長期的な予想物価上昇率の低下などにより、物価上昇率が下振れするリスクもある。

5.日本銀行は、日本経済がデフレから脱却し、物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することが極めて重要な課題であると認識している。そのために、中央銀行としての貢献を粘り強く続けていく方針である。金融政策運営に当っては、きわめて緩和的な金融環境を維持していく考えである。

6. 本日の金融政策決定会合では、上記認識のもとで、「中長期的な物価安定の理解(以下、『理解』)」について検討を行った。その結果、委員会として、ゼロ%以下のマイナスの値は許容していないこと、及び、委員の大勢は1%程度を中心と考えていることを、より明確に表現することにより、物価の安定に関する日本銀行の考え方の一層の浸透を図ることが適当であるとの結論に至った。

7. このため、「理解」については、「消費者物価指数の前年比で2%以下のプラスの領域にあり、委員の大勢は1%程度を中心と考えている。」とすることとした。

8. 今回の世界的な金融危機の経験を踏まえ、物価安定のもとでの持続的成長を実現するうえでは、資産価格や信用量の動向など金融面での不均衡の蓄積も含めたリスク要因を幅広く点検していく必要があるとの認識が、各国においても拡がっている。日本銀行としては、上記の「理解」を年頭に置いた上で、様々なリスク要因にも十分注意を払いつつ、2つの「柱」(注3)による点検を行い、適切な金融政策運営に努めていく方針である。



重要なポイントはボールド+アンダーラインを引いた箇所である。まず、現状デフレであることを強調し、金融政策面で出来うることを行うという意志をみせている。そして前回の量的緩和時よりもトーンを強くした時間軸政策を示している。そもそも時間軸政策とは何であるかといえば、水野温氏前審議委員の後任として予定されている宮尾龍蔵神戸大学教授の解釈によれば、「政策運営を消費者物価指数のインフレ率(前年比上昇率)が安定的にゼロ%以上となるまで続ける」ことによって「中央銀行がゼロ金利を将来にわたり継続すると公約(コミット)することで民間部門の将来の短期金利予想を低下させ、より長期の金利を低下させて、さらなる緩和効果を生み出す政策」となっている。白川総裁は「コミット」という部分については「先行きの金融政策運営を約束する意味の時間軸政策とは異なる」としており、否定的な見解を会見で示している。しかし、「広い意味の時間軸的な効果と呼ぶのであればその効果はある」としており、テクニカル的解釈は別として明確にかつ強固な「時間軸政策」を置いたことは間違いない。CPIがプラス1%であるから、(実質GDPがプラスに推移していれば)名目GDPもプラスにさせることも暗に示していることになる。


この政策に関してマーケット的な視点からすれば、低金利政策を促していくことに着目しなければならない。政策効果として長いゾーンまでの金利低下を促すことになるので、しばらくはイールドカーブのフラット化が期待出来る。実際本日の債券市場でも5年債が大きく買われ、円債先物も買い進まれた。外為市場における視点からすれば、マーケットプレーヤーには理解しにくいが、少なくともドル円、すなわち日米金利差においてこの時間軸政策は、FOMCの"for an extended period"以上の強力な効果が見込まれるものとして抑えておく必要がある。米国は「雇用」を使って政策の時間軸効果として置いた向きがあり、この間の雇用統計でそれが剥落しつつあることから、日米金利差を見るにあたっての金利の先高観は米国サイドに強くバイアスがかかっていくことになる可能性がある。そこで日本サイドでCPIが1%ということを別途資料を使ってまで説明している以上、やがて日米金利差、とりわけLIBORベースでも逆転解消もありうる所だと思われる。3Mベースでは、昨日の時点でUSDは0.25338%、JPYは0.2775%である。米国の時間軸政策は雇用の改善が進むことにより今後効果が薄れていく、日本サイドは強力な時間軸政策を導入し始めたという違いが徐々に外為市場でも浸透していくだろうと思われる。つまり、昨日のFOMCを踏まえて、


・出口政策への道筋を示すFed
・緩和政策をさらに深化させる日銀


こういった構図で語られていくのだろうと思われる。いずれにせよドル円にも効いてくるのではないかと思われる。


そして、今後の日銀の取りうるオプションとしては、1)輪番増額、2)新オペ効果としての3ヶ月ターム物金利を最低0.1%誘導からそれ以上のターム物金利も0.1%に誘導、3)新オペの供給量増額という形が想定される。これに関しては次回会合以降のコミットとなるが、次第に政策期待が大きくなっていくだろう。


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